空き家の庭の草刈り費用や方法について

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空き家の草刈りや庭木の剪定が超重要な理由

現在、全国で空き家が増加(H15:212 万戸⇒H25:318 万戸)しており、その処分や管理が問題となっています。とくに室外については、管理が不十分だと「売却時の印象を悪くし、査定額の低下につながる」他、樹木の越境や外壁の崩落による損害賠償などを引き起こす可能性があります。そこで、この記事では、空き屋の室外で発生する問題や草木の処分について解説します。この記事をお読みいただければ、室外の管理のポイントだけでなく、処分にかかるコストの目安も確認いただけます。

 

草や庭木を放置しておくことで発生する問題とは?

空き家に生えた草木をそのまま放置していると、次のような思わぬ損害やトラブルを引き起こす原因となります。

景観の悪化

草木を放置している場合には、著しく景観を悪化させることとなります。また、このような状況が改善されずいつまでも続く場合は、空き屋対策特別措置法による「特定空き家」として指定される可能性があります。

 

犯罪の温床化

管理されていない空き家では、放火や第三者による不法侵入などが起こりやすく、犯罪発生の温床となります。また、それが原因で火災などを発生させた場合には、空き屋の所有者が責任を問われるケースもあります。

 

売却時の査定額の低下

空き家の売却時には、その景観や管理状況が査定額に大きく影響します。そのため、事前に草木の刈り取りや枝の剪定をする、不要な物を片付けるなどをするだけでも、売却額の引き上げにつながります。

 

損害賠償の可能性

空き家の草木や枝の管理が不十分で、樹木の倒壊により隣家を破損したような場合には、空き屋の所有者はそれによって生じた損害の賠償をしなければなりません。この点について民法では、次のように定められています。

民法第717条 土地の工作物等の占有者及び所有者の責任
  • ・土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の所有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。

  • ・前項の規定は、竹木の植栽又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

 

草木の他に空き家の室外で管理が必要な場所は?

草木以外にも、空き屋の室外で管理が必要なものとしては、物置小屋や遊具、擁壁、門、カーポート等の設備などがあります。これらには、しっかりした基礎がつくられていないものが多く、強風時には飛散する可能性が高いといえます。また、鉄製の構造物が多いことから、サビや腐食などによる倒壊などにも注意する必要があります。

 

 

空き家の草刈りと庭木の剪定の費用相場と方法を解説

空き家の室外の管理で基本となるのが、草刈りと庭木の選定です。これらは一度すれば終わりというわけでなく、定期的に行う必要があるためその負担も大きなものとなります。とくに、梅雨時や夏場には草木が繁茂しやすくなるため、効率的な管理が求められます。

 

草刈りや剪定を自分で行う場合

草刈りや剪定は自分で行うこともできますが、その際には次のポイントに注意して行うことで負担を少なくすることができます。

 

草刈りのタイミング

草には成長期があるため、その途中で草刈りをしても、またすぐに伸びてきてしまいますが、その成長にあわせて草刈りをすることで効率よく処理をすることができます。一般的に、雑草は梅雨時に大きく成長するため、シッカリと梅雨前の季節に手入れをしておくことで、その後の繁殖を抑えることができます。

 

必要な道具

草刈りに必要な道具として鎌は必須となりますが、その他にもレーキ(トンボ)や草刈り用のパンツ、エプロン、虫よけなどもあると便利です。これらは1,000円程度から販売されているので、何度も草刈りをする場合には一式用意しておくことをおすすめします。また、場所によっては除草剤なども併用すると、さらに効果的となります。枝の剪定には、剪定用のハサミなどを用意しておきます。なお、広い面積の草刈りや高所の剪定をする際には、草刈り機や枝切りばさみが必要となりますが、これらには高価のものも多いため、ホームセンターなとのレンタルサービスなどを利用すると費用を安く抑えることができます。

 

撤去に必要な費用

自分で剪定をする場合には、鎌やレーキ、剪定ばさみなどの基本的な用具を準備すれば処理ができるので、費用も5,000円〜10,000円程度で済みます。しかし、専用工具や電動草刈り機などが必要な場合にはさらに10,000〜30,000円の費用が必要となります。

なお、見落とされがちなのが、「刈り取った草木の処分費」です。少量であれば家庭ゴミとして処分することができますが、大量の場合には自治体ごとに定められたルールにしたがって処理する必要があります。その場合には、有料処分となることが多いため、あらかじめ処分のルールや金額を自治体に確認しておくようにしましょう。

 

草刈りや剪定で怪我もあるので注意が必要

草刈りや剪定で注意しなければならないのが、ケガや事故です。草刈りでは、切れ味の悪い用具を使わない、刃物を引く方向に体をおかない、密集して作業をしないなどが基本となります。電動草刈りを使う場合には、小石の飛散や石などにぶつけた衝撃で刃が弾かれるといった危険があるため、周囲と十分な間隔を取って作業する必要があります。

また、高所での枝の剪定では、しっかりした脚立を使う、足場を確実に固定する、落下時の対策をするなどの準備が必要となります。

 

業者に草刈りや剪定を依頼する場合の費用や頻度は?

広い範囲での草刈りや高所での作業、大量のゴミの発生などが見込まれる場合には、処理を専門業者に依頼するのが安全で確実です。しかし、業者によっては費用に大きな差がでることもあるため、あらかじめ処理や処分にかかる費用の目安を知っておくことをおすすめします。

 

費用の内訳は人件費+処分費用

草木や枝の剪定にかかる費用のほとんどは「人件費とゴミの処分費」です。
業者の中には、悪質なところもあるため、業者を選ぶ際には、少なくとも3社以上から見積もりを取りよせ、費用の相場をつかんでおくことが重要です。

 

木の大きさや種類によって費用が異なる

草木や枝の剪定では、同じ広さでも、処理する木の太さや種類によって料金が異なります。大きな木や硬い樹種では作業が難しくなるため、その分料金も割高となります。それ以外にも、道路からどれだけ離れているか、本部からの距離、草丈の長さ、砂利の有無などによっても料金は変わるため、見積もりの際には一式いくらではなく、なぜこの金額になるかについての説明をシッカリ求めるようにしてください。

 

草刈りや剪定の費用相場は?

草刈りの相場は1㎡500円前後というのが一般的ですが、たいていの場合で最低の作業料金が決められています。そのため、作業範囲の少ないケースでは、割高となることもあることに注意してください。また、なかには50㎡以上~というところや、時間単位で料金が決められているとこもあるため、広さや処理の内容に応じて業者を選ぶ必要があります。

枝木の剪定や伐採は、範囲、樹高、樹種などにより異なります。高さ3mまでの木の伐採の場合、2,000〜4,000円/本という業者もありますが、一般的には5,000〜6,000円/本が費用の目安となります。また、枝葉の広がり方や電線にかかっているか否かによっても金額が変わる他、処分費用は別途費用となることが多いようです。

 

草刈りや剪定が必要な頻度は?

草刈りが必要な回数は時期によっても異なりますが、年に2~3回が目安です。一回目の時にシッカリと草刈りをしておけば、2回目以降の処理が楽になり、料金を抑えることにもつながります。なお、草刈りをする時期としては、草木は雨が降った後に大きく伸びるので、このタイミングで処理をすることをおすすめします。
なお、剪定のタイミングは、樹種や剪定の箇所により異なるため、事前に業者にご確認ください。

 

外壁や倉庫、室外機も管理が必要

空き家では、草刈りや剪定だけでなく、その他の部分の管理も必要となります。これらの管理が不十分な場合には、家屋の老朽化を早めたり、設備の崩落や落下等により周囲へ損害を与えることもあるため、草や庭木とともに定期的な管理が必要となります。

外壁や木部、鉄部など構造物の確認の仕方

空き家については、外壁や基礎部、木部、鉄部といった、目に見える部分についてのチェックが基本となります。外壁や基礎についてはクラックが生じていないか、塗装の剥離が進んでいないかなどに注意してください。また、これらにクラックが生じている場合には、そこから雨水が浸透し、老朽化の大きな原因となるだけでなく、場合によっては建物本体の強度にも影響します。さらに木部については、腐食やシロアリによる虫害が生じていないか、鉄部ついては構造物の土台や支持部分でサビが生じていないかなどについて点検が必要です。

 

室外機やアンテナなどの確認の仕方

空き家の管理では、室外機やアンテナについても注意が必要です。長期間使用していない場合には、室外機が機能しない、アンテナが正常に受信できないといったトラブルが発生しやすくなります。室外機については、サビが出ていないか、ダクトとの接続に問題がないか、異物が入り込んでいないかなどが点検のポイントとなります。アンテナについては、本体とケーブルの接続やアンテナの向き、パラボラ本体の故障などに気をつけてください。

なお、室外機の処分については、室外機のみを処分する場合でも家電リサイクル法にもとづく処分費用が発するだけでなく、ガス抜きや取り外しに専門的な技術が必要となるため、業者に依頼した方が安全です。

 

おまけ

空き家の管理で重要なのが、「定期的な現地の確認」です。前回の状況があやふやでは、どれだけ老朽化が進んだのかや、どんな対策が必要なのかがわかりません。しかし、定期的に同じ位置から現場の写真を撮り、それをファイルしておくことで、目に見える形で確認ができ、以前との比較も容易に行うことができます。

 

まとめ

以上のように空き家の室外の管理では、草刈りや剪定の処理が必要ですが、その他にも外壁や構造物の定期的な点検も欠かせません。これらの処理は自分で行うこともできますが、作業の範囲が広い、高所での作業が必要という場合には、ムリをせず業者に依頼することも考えましょう。適切な管理をすることで、家屋の産価値を維持できるだけでなく、近隣とのトラブルや損害等の防止にも役立ちます。

高祖広季

空き家パスの運営会社、株式会社ウィントランスの代表です。 年間1,500件以上の空き家の相談を受けています。佐賀県出身です。