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山林を売却する方法は?売れない理由や手放すまでの具体的な流れを解説

昨今、キャンプブームとともに山林を購入する方が増えました。
自分の山を持つということはとてもロマンのある話ですが、いいところばかりではありません。

山林は管理費や固定資産税などのランニングコストがかかるだけでなく、地球温暖化が進む日本では土砂崩れなどの被害も。手放したいと思っても売却できないことが多く、手放すために苦労されている方が多いようです。

そこで今回は、山林が売却できない理由とともに、売却時の流れや具体的な方法をご説明します。
最後まで是非ご覧ください。

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山林は手放すのが難しい

山林は手放すのが難しい

昨今、コロナ禍とともにキャンプが流行しています。
人気YouTuberがキャンプをするために山林を購入するなど、山林を購入することが以前より身近になりました。
購入するハードルは非常に低い山林ですが、購入した後に苦労する点が多いようです。

多いのは、相続などで山林の所有者になってしまった場合です。
行ったことも見たこともなく、どこにあるかさえ分からない山林を売れずに困っているという話もチラホラ耳にします。

山林は安く購入できることも

実際、山林を購入することは難しくありません。山林は価格が安く、数十万~数百万円で広大な山林を購入することができます。昨今では山林を専門に取り扱う不動産仲介会社も出てきたことから、初心者の方でも購入できるようになっています。

趣味の場所として購入する方が多い山林ですが、中には不動産投資として購入する方もいらっしゃいます。
林業で木材を売却する方や、太陽光発電を行う方もいらっしゃいます。しかし、林業の場合は道路付けがされていること、太陽光発電の場合は電気引き込みがされていることなど条件が揃っていなければ出来ないこともあるようです。
また、山林は固定資産税が数千円程度と安価に設定されています。
こういったことから、購入するハードルは非常に低いと言えます。

山林は維持管理が大変

購入するハードルは非常に低いものの、購入した後苦労するのが山林です。
山林を所有する方が感じるデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 遠すぎて行く気がしなくなる
  • 草取りや木のメンテナンスなど、手間が非常にかかる
  • 電気・水道・ガス・電波などの生活インフラに制限がある
  • 大雨による土砂崩れなど、自然災害が発生する可能性がある
  • 廃棄物の不法投棄がされる場合がある
  • 建物の建築は不可能な場合が多い

特に「管理できない」という問題は、山林ならではの問題と言えます。
山林は広大であるため、全ての立木をきちんと管理することはできません。
万が一所有する山林の立木が管理不足により枯れてしまい、倒木し人家に被害が出た場合、その損害賠償を請求される可能性があります。台風や地震などの天災であれば損害賠償される可能性は低いものの、天災がなかったにも関わらず倒木などが起きた場合、所有者の管理不足と取られてしまう場合もあるためです。

結果として、購入したものの、次第に行かなくなり毎年固定資産税を払い続けるだけになってしまう方もいらっしゃいます。

売却しやすい山林の特徴

売却しやすい山林の特徴

山林は不動産としての価値がない場合が多いことから、売却する難易度は高いと言えます。
しかし、山林の中でも売却しやすいものがあります。
主な要件としては以下の3つです。

  • 都市近隣であること
  • インフラや法的な制限が少ないこと
  • 優良な種類の立木があること

順番にご説明します。

山林の場所が都市近隣であること

やはり、都市に近い山林の方が高く売れやすい傾向にあります。
山林には、大きく分けて以下の4種類があります。

都市近隣林地
市街地の近隣に存在する林地。
農村林地
農村集落周辺に存在する林地。里山とも呼ばれる。
林業本場林地
経営目的として林業をするために管理される林地。
山村奥地林地
山奥にある隣地。

この中で最も売却しやすいのは、宅地として転用できる可能性がある都市近隣林地です。
農村林地も他の林地に比べると宅地転用できる場合がありますが、市街化調整区域などに属していることが多く、林地としての価値しか値段がつかないことが多いようです。
次に、林業本場林地は業者間による売買しか行われるケースがない傾向にあります。
最後に、山村奥地林地は整備されておらず、交通が不便なことが多いため、最も売却しづらい傾向にあります。

インフラや法的な制限が少ないこと

インフラや法的な制限が少ない場合は、より高く売却できる傾向にあります。

インフラの中でも、特に生活必需である電気・水道が引き込めるか否かは重要です。
インフラの引き込みは、市街地に近い方がしやすい傾向にあります。市街地から遠い場合や、使用量が少ないと見込まれる場合は、引き込みできたとしても自費負担になる可能性があります。まずは所有する山林付近の引き込み事例があるか、電力会社や水道局に問い合わせてみることをおすすめします。

法的な制限についても重要です。
例えば、市街化調整区域にある山林や、森林法で保護されている山林では、建物を建てることが原則できません。こういった法的制限が多いほど、購入後の用途が限られるため、売却しづらい傾向にあります。
法的な制限は自治体の森林保全課や農政振興課などで確認することができます。
山林を所有されている方は一度確認してみると良いでしょう。

優良な種類の立木があること

山林の売却価格は、山林にある立木にも影響を受けます。
ヒノキやスギ、アカマツ、カラマツなどの優良な木材がある場合、売却価格は上がる傾向にあるようです。
しかしながら、こういった立木があっても、伐採作業を行うことができる林道が整備されていなければ伐採と搬出を行うことができません。
長期的な保有も含めて検討されている場合は、山林に道路整備を行うことも視野に入れるとよいでしょう。

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山林を売却する以外に手放す方法

山林を売却以外で手放す方法としては、地方自治体への寄付、相続放棄などが挙げられます。
しかしどの方法も、必ずできるとは言い切れません。

地方自治体への寄付

まず、地方自治体への寄付については、自治体にとっても使い勝手が良い山林である必要があります。
地方自治体にとって、山林の所有者から納められる固定資産税は貴重な財源です。その寄付を受け付けると収入がなくなる上、管理するための支出も増えます。
自治体で活用する計画のある山林ならばともかく、売却が難しい土地を受け入れてもらえる可能性は低いと言えるでしょう。

相続放棄

次に相続放棄ですが、これも現実的ではありません。
相続放棄とは、相続人である立場を放棄し、被相続人の所有する全ての財産を放棄することを指します。つまり、「山林だけはいらない」などと、特定の財産だけを放棄することはできないのです。
また、民法940条において、「相続放棄したとしても、その財産の次の所有者が決まるまで管理を継続しなければならない」と定められているため、他に相続人がいない場合は結局管理義務だけ任されてしまうこととなります。

こういった状況から、山林を手放すためには売却が最も選択しやすい手法と言えるでしょう。

山林を売却するための具体的方法

山林を売却するための具体的方法

では、どうすれば山林を売却することができるのでしょうか。

山林専門の不動産会社に依頼する

まず重要なことは、山林を取り扱っている不動産会社を見つけ、そこに依頼することです。
山林を購入する方が増えたと言っても、買いたいと思う方は少数です。山林を売却しようと営業努力したところで、売却価格も安価であるため、不動産会社の収入となる仲介手数料も低くなってしまいます。
そういったことから一般の不動産会社は、山林を積極的に売却しようと活動することはしない傾向にあります。
しかし、山林がある地元の不動産会社や、山林売買専門の不動産会社であれば、ノウハウがある可能性が高いでしょう。既に山林を購入したいと考えている購入希望者とのつながりもある場合があるため、まずはそういった不動産会社に相談することをおすすめします。

森林組合に相談してみる

各都道府県には、山林の所有者による協同組合である「森林組合」があります。
森林組合によっては、山林の売買の斡旋を行っている場合があるため、一度相談してみると良いでしょう。
なお、各地域の組合については、全国森林組合連合会の公式サイトで検索することができます。気になる方は検索してみましょう。

参考: JForest 全国森林組合連合会 森林組合のご紹介

不動産の買取業者に相談してみる

不動産会社に直接買い取ってもらうという方法もあります。
不動産会社の直接買取は価格が安くなってしまう傾向にあるというデメリットがあるものの、素早く現金化できる点がメリットです。
「○○県 山林 直接買取」などで検索してみましょう。

山林を売却する流れ

山林を売却する流れ

最後に、山林を売却する流れについてご説明します。

不動産会社に売却の仲介を依頼する

まずは、不動産の山林の所有者であることを証明するために、「登記簿謄本」もしくは「固定資産税の納税通知書」を用意しましょう。
その地域で山林の仲介を行っている不動産会社を調べ、価格査定を依頼します。
この際、客観的な意見が聞けるように、可能であれば複数社に査定を依頼するのがよいでしょう。

売却価格や方法を決定する

不動産会社の意見を参考にしながら、条件設定を行いましょう。
不動産を売却する際、不動産登記簿上の面積と実際の面積が異なっている場合があります。
こういった実情から、不動産の売買においては不動産登記簿上の面積で売買する「公簿売買」と測量士による実測面積で売買する「実測売買」があります。
山林の場合、面積が大きすぎて測量費用が多額になってしまうことから、公募売買による売却が一般的です。

気長に待つ

売却価格や方法を決定した後は、仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動を開始してもらいましょう。
山林は買い手が少ない不動産です。売却には数年、場合によっては十年以上かかります。
価格を安く設定したならば、買い手が現れるのを気長に待ちましょう。
ただし、不動産会社に対しては売却の活動状況がどうか、報告をもらうようにしましょう。

売買契約締結・引き渡し

購入希望者が現れ、購入申し込みを受けたならば、不動産会社を介して売買契約を締結します。
金額の支払いを受けた後不動産登記簿の名義変更を行い、手続きは完了となります。

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山林の売却は気長に待つこと

山林の売却は気長に待つこと

いかがでしたでしょうか。
今回は、山林が売却できない理由と、売却するための具体的な方法をご紹介しました。
山林は安くで買えるためつい手を出してしまいがちですが、様々な物理的・法的制限があることから、購入した後で後悔することもしばしばです。
賃貸などで家賃収入を得ることも難しい不動産であるため、自ら利用することが難しいのであれば、売却を検討しましょう。

その際は、山林の売却実績がある専門の不動産会社に相談することをおすすめします。
売却活動は長期になることが予想されるため、気長に待つことを心がけましょう。

 

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