中古物件の「買取」を徹底解説!仕組み・相場・高く売るコツまで

中古物件の売却には「仲介」と「買取」の二つの方法があります。仲介は、不動産仲介業者を通じて買主を探す方法で、高値売却が見込める一方、売却までに時間がかかるうえ、売主による内見対応や修繕が必要となる場合があります。
一方、買取は不動産会社が直接購入するため、現金化までの期間が早く、手間も少なく済みます。築年数が古く劣化が進んでいる物件や、立地条件が悪いために仲介での売却が難しいケースでは、買取が有効な選択肢となります。
中古物件の買取価格は、物件の状態や立地、不動産会社の査定基準によって大きく異なるため、価格差を見極めるためにも、複数社への査定依頼は欠かせません。
- 中古物件の買取と仲介の違いと、それぞれのメリット・デメリット
- 買取価格を決める主な要素と相場感
- 中古物件を買取に出す具体的な流れとステップ
- 買取価格を少しでも高くするためのコツと注意点
- 信頼できる買取業者の選び方
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中古物件の買取とは?メリットとデメリット
中古物件の買取とは、不動産会社が物件の所有者から直接不動産を購入する取引方法を指します。一般的な不動産売却では、仲介業者が買主を探し、売主と買主の売買契約を仲介しますが、買取では不動産会社自身が買主となるため、売却の流れが簡素化されます。
特に築年数が古い物件、相続物件、あるいはリフォームが必要な物件などでは、買取による売却がよく活用されています。中古物件の買取には、売主にとってさまざまなメリットとデメリットがあるため、状況や目的に応じて、自分に合った売却方法の選択が重要です。
買取のメリット1:短期間で現金化できる
買取の最大のメリットは、短期間で売却できる点です。仲介では買主が見つかるまでに時間がかかりますが、買取であれば最短で1週間ほどで売却まで完了するケースもあります。
また、買主が見つかるかどうかを心配せずに済むため、確実に売却できる点も大きな魅力です。
買取のメリット2:内見や設備修繕の手間が少ない
仲介販売では、複数の購入希望者による内見対応や、不具合の指摘に対する修繕が求められることがあります。一方、買取では一度の査定で売却が進むため、対応の負担を減らせます。
買取業者は現状のままの物件を前提に購入するため、細かな修繕や掃除を行わなくても売却できるケースも多く、残置物がある場合でも引き取ってくれる業者も存在します。特に、遠方に住む所有者や高齢者にとっては、大きな負担軽減につながります。
買取のメリット3:契約不適合責任の免除が多い
買取では、業者が事前に物件の状態を詳しく確認したうえで買い取るため、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)が免除されるケースが一般的です。
また、買取業者は物件の状態を徹底的に確認するため、隠れた欠陥が後から問題となるリスクが大幅に低減されます。築年数が経過した物件では、予期しない不具合が見つかる可能性が高いことから、責任を問われるリスクが軽減される点は、売主にとって大きなメリットです。
買取のデメリット:仲介より買取価格が低めになる
買取のデメリットは、仲介販売と比べて売却価格が低くなる点です。一般的に買取価格は市場価格の7〜8割程度に設定される傾向があり、特に人気エリアの物件では、売却価格の差がより大きくなります。
仲介よりも買取価格が低くなる理由は、買取業者がリフォーム費用や転売リスクを考慮し、利益を見込んだ価格設定を行うためです。売却を急いでいない場合や、少しでも高く売りたいと考えている方は、仲介販売の選択肢も視野に入れるとよいでしょう。
ただし、早期売却や手間の軽減を優先したい場合には、買取が適しています。
仲介と買取は何が違う?
「仲介」と「買取」の違いは、売却の流れや価格、かかる手間などにあります。どちらも中古物件を手放す方法ですが、それぞれ特徴が大きく異なります。
仲介は、不動産会社が買主を探して契約を取り持つ方法で、市場価格での売却が期待できる一方、売却までに時間がかかる傾向があります。
一方、買取は不動産会社が直接物件を買い取るため、手続きがシンプルで売却までの期間も短縮されるのが特徴です。
どちらを選ぶかは、売却を急ぐか、高く売りたいかなど、自分の目的や状況に応じた判断が大切です。
以下、仲介と買取の具体的な特徴を比較していきます。
仲介の特徴:買い手を探して市場価格で売る
仲介販売では、不動産会社が売主に代わって買主を探し、売買を仲介します。不動産会社はレインズ(不動産流通機構)やポータルサイトへの掲載、チラシの配布などを通じて物件情報を広く公開し、購入希望者を募ります。
仲介の最大の特徴は、市場価格での売却が期待できる点にあり、複数の購入希望者が現れれば、価格交渉で有利に進められる場合もあります。
ただし、買主が見つかるまでに時間がかかり、成約までに平均3〜6ヶ月程度必要です。また、内見対応や価格交渉など売主の負担も大きく、売却価格に対して3〜3.3%+6万円(税別)の仲介手数料も発生します。
買取の特徴:スピーディーな取引が可能
買取は、不動産会社が直接物件を購入する方法のため、買主を探す手間がなく、売却までのスピードが大きな魅力です。申込から最短1週間程度で契約、2〜3週間で決済・引渡しまで完了するケースもあり、仲介に比べて圧倒的に早く現金化できます。
特に、急な転勤や相続税の納付など、短期間で資金が必要な場面では、買取のスピードが大きな強みになります。
中古物件の買取価格を決める主な要素
中古物件の買取価格は、様々な要素によって決定されます。物件そのものの特性だけでなく、市場の動向や、業者が物件をどのように活用するか(転売か賃貸かなど)といった方針によっても、価格は左右されます。
中古物件の買取価格は一般的に市場価格の7〜8割程度と言われていますが、以下の要素によって大きく変動します。
要素1:築年数・建物の状態
築年数は買取価格を決める最も重要な要素です。一般的に築浅物件ほど高く評価され、築20年を超えると建物価値が大幅に下がる傾向があります。
特に構造上重要な部分の状態が価格に影響します。雨漏りや白蟻被害、基礎の亀裂などがある場合、リフォームコストがかさむため買取価格は低くなります。
また、耐震基準の変更前後で評価が分かれるケースが多く、1981年以前の旧耐震基準で建てられた物件は、耐震性への懸念から買取価格が低くなる傾向があります。
要素2:立地・アクセス条件
不動産の価値を決める「立地」は買取価格にも大きく影響します。駅からの距離や商業施設へのアクセス、学校区、治安などの観点から評価されます。
特に最寄り駅からの距離は重要で、徒歩10分圏内と圏外では大きな価格差が生じます。都心部や人口増加地域の物件は高く評価される一方、過疎地域や災害リスクが高い地域は低評価となります。
また、日当たりや眺望、騒音の有無などの住環境も、買取価格に影響を与える要素です。
要素3:リフォームやリノベーションの可能性
買取業者は、物件をリフォームやリノベーションによって再販売できるかどうかを重視しています。間取りの自由度が高く、付加価値を生み出しやすい物件は、評価が高くなりやすい傾向にあります。
天井高や梁の位置、設備配管の状況など、リノベーションの制約となる要素も価格に影響します。特に水回りの移動が容易な構造か、断熱性能は向上可能かなどが検討されます。
中古物件を買取に出す流れ
中古物件を買取に出す際には、一定の手順があります。準備から最終的な決済まで、各ステップを理解することで、スムーズな取引が可能になります。買取は仲介と比較して手続きがシンプルでスピーディーですが、適切な準備と確認は不可欠です。
以下、中古物件の買取における5つの主要ステップを解説します。
STEP1:事前準備と必要書類の確認
買取取引をスムーズに進めるためには、必要書類の事前の準備が重要です。主な必要書類は、権利証(登記識別情報)、固定資産税納税通知書、建物の図面などです。
また、物件情報をまとめておくと査定がスムーズに進みます。築年数、過去の修繕歴、設備の更新状況など詳細な情報があれば、より正確な査定が可能になります。
STEP2:複数の買取業者に査定を依頼する
より高く物件を売却したい場合は、複数の買取業者に査定を依頼するのが基本です。業者によって得意とする物件のタイプや査定基準が異なるため、同じ物件でも査定額に大きな差が出るケースがあります。
査定の申し込みは電話やインターネットから簡単に行えますが、手間を減らすなら一括査定サイトの活用がおすすめです。一度の入力で複数社へまとめて査定を依頼でき、比較・検討がスムーズに進みます。
査定方法には、物件情報だけで見積もる「机上査定」と、実際に現地を訪れて状態を確認する「訪問査定」があります。より正確な価格を知りたい場合は、担当者が現地で建物の状況や周辺環境を確認できる訪問査定を選ぶとよいでしょう。
STEP3:査定額の比較と買取業者の選定
複数の買取業者から査定額が提示されたら、金額だけで判断せず、総合的な視点で業者を選ぶことが重要です。査定額が高くても、対応が不誠実だったり、契約条件が不利なケースもあるため注意が必要です。
比較する際は、査定金額の根拠を確認するとともに、決済までの期間や引き渡し時期、残置物の取り扱いなどの条件をチェックし、気になる点がある場合は、契約前に必ず質問し、疑問を解消してから進めるようにしましょう。
また、買取業者の信頼性を判断するために、これまでの実績や口コミ評価、宅地建物取引業の免許番号なども確認しておくと安心です。
STEP4:契約内容の確認と取り交わし
買取業者を選んだら、いよいよ売買契約を結びます。契約書の内容は後のトラブルを防ぐためにも、細かい部分までしっかり確認しましょう。売買価格や物件の所在地、引き渡し日、代金の精算方法、契約不適合責任の取り扱いなどが正しく記載されているかがポイントです。
特に契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)は、買取の場合に免責とされるケースが多い項目です。ただし、契約書に明記されていなければ免責にならないため、内容を必ず確認し、納得したうえで契約を進めましょう。
STEP5:物件の引き渡しと決済
売買契約を締結したら、決済日に物件の引き渡しと代金の支払いが行われます。通常、決済は買取業者の事務所や司法書士事務所などで行われ、司法書士の立ち会いのもと、所有権移転登記の手続きも同時に進められます。
当日は、登記に必要な書類への署名・押印、建物の鍵の引き渡し、固定資産税や管理費などの精算処理が行われ、すべてが完了した時点で代金が支払われるのが一般的な流れです。
引き渡し後は、水道・電気・ガスなどライフラインの契約解除も忘れずに進めておきましょう。また、契約書や登記関連の書類は、税務対応や将来的な確認に備えて、一定期間は保管しておくと安心です。
中古物件を少しでも高く売るためのコツ
中古物件を買取に出す場合でも、多少の工夫で査定額が上がる可能性があります。買取は仲介よりも価格が低くなる傾向がありますが、準備の仕方や業者の選び方次第で条件は改善できます。
ここでは、外観の整備、業者の選定、査定時期の見極めといった、売主が実践できる具体的なコツを紹介します。いずれも大きな費用をかけずに取り組める内容です。
コツ1:ハウスクリーニングや整理整頓で印象アップ
買取でも第一印象は大切です。簡単な清掃や整理整頓だけでも、査定時の印象は大きく変わります。 特に水回り(キッチン・浴室・トイレ)は重点的に掃除しましょう。
汚れやカビが目立つと、リフォーム費用がかさむと見なされて査定額が下がる可能性があります。 市販の洗剤で落ちる汚れは落とし、不要な家具を減らして空間を広く見せるのも効果的です。
大がかりなリフォームは不要ですが、壁の小さな穴や破れの補修など簡単な対応はしておくと印象が良くなります。
コツ2:買取実績のある会社を選ぶ
買取業者には、それぞれ得意とするエリアや物件の種類があります。自分の物件に合った実績を持つ会社を選べば、より正確な評価が期待できます。
業者を選ぶ際は、ホームページで買取実績を確認し、口コミや対応の丁寧さにも注目しましょう。また、宅地建物取引業の免許番号が公開されているかどうかも信頼性を見極める材料になります。
複数の業者に査定を依頼して相場を把握しておくと安心です。もし査定額に差がある場合は、その理由を直接尋ねることで、物件の評価ポイントがより明確になります。
コツ3:査定のタイミングを見極める
不動産市場には繁忙期と閑散期があり、特に1〜3月は需要が高まり、買取価格がやや上昇する傾向があります。
また、地域の再開発や新たな交通インフラの整備など、将来的に資産価値が上がると予想される情報があれば、査定時に積極的に伝えるのがおすすめです。
買取業者の決算期に合わせて動くのも有効な戦略です。決算前は仕入れ強化のタイミングとなるため、価格交渉がしやすくなります。
市場が活発な時期を見計らい、適切なタイミングで査定を受けることで、買取価格アップが期待できます。
まとめ
中古物件の買取は、短期間で現金化でき、内見対応や修繕の手間が少ないことから、スムーズに売却を進めたい方にとって非常に有効な方法です。契約不適合責任が免除されるケースも多く、築古や再建築不可といった特殊な物件でも売却しやすいのが特徴です。
ただし、仲介と比べて売却価格はやや低くなる傾向があるため、目的や優先順位に応じた判断が必要です。 少しでも条件よく売却するには、複数の買取業者への査定依頼、買取実績の確認、清掃や整理整頓による印象アップ、タイミングを見た査定依頼など、売主側の工夫も重要になります。
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