山形県天童市の空き家買取実績

将棋駒のまち、天童市。観光案内でよく使われるこの表現は、決して誇張ではなく、市民の日常のそこここに「駒の文化」が息づいていることを訪れるたびに感じさせてくれます。駅前の歩道には将棋の盤が埋め込まれ、春の人間将棋では、甲冑をまとった武者が駒となって舞台に立つ。観光地でありながら、観光地として消費されすぎない“地元のリズム”が、このまちには確かに存在しています。今回お預かりしたのは、その天童市の市街地からやや離れた、見晴らしの良い高台に建つ一軒家でした。築年は少し経っており、外観にはやや経年劣化も見受けられましたが、内部は意外なほど丁寧に使われていて、かつての住まい手の気遣いが感じられました。特に印象的だったのは、南向きの居間の窓から望む朝日連峰の稜線です。訪問時はちょうど雪解けが進む時期で、遠くの山々にうっすらと霞がかかり、室内に入る陽光とあいまって、この家が持つ静けさと温もりを際立たせていました。ご相談者様は、この家での思い出を多くお持ちでしたが、「今の時代に合った住まい方をしてくださる方と巡り会えれば」と、前向きなお気持ちで売却を決断されました。私たちも、現況の雰囲気を損なわず、できるだけこの家の良さを引き継いでいただける方をご紹介したいと思っています。歴史と日常、そして人の手によって育てられてきた住まい。それが次の誰かの生活の舞台となることを、静かに願っております。
エリア山形県天童市
種別戸建て
面積108㎡
地積198㎡