滋賀の空き家補助金を解説ー解体・リフォームなどで活用!申請の流れや注意点も

滋賀県内の実家を相続し、管理や維持費の負担が気になっている方もいるのではないでしょうか。「倒壊のリスクが気になり解体を検討しているが、見積額が想定以上だった」「リフォームして活用したいが、自己負担をできるだけ抑えたい」といった声は、空き家の相談で挙がることがあります。
滋賀県内の各市町村では、空き家対策の一環として、解体費用や改修費用の一部を支援する補助制度が設けられています。制度の内容や条件に合えば、自己負担を抑える選択肢として検討できます。
一方で、補助制度は市町村ごとに対象工事や要件、申請時期が異なります。制度によっては、耐震性に関する条件や、空き家バンクへの登録などが求められる場合もあります。
本記事では、滋賀県で活用を検討できる空き家補助金の種類、申請の流れ、そして注意点を整理します。所有する空き家の状況に合った対応を検討するための参考としてご活用ください。
- 滋賀県における空き家問題の現状
- 滋賀県内で利用できる補助金制度
- 補助金申請をスムーズに進めるための手順と必要書類
- 補助金以外で空き家問題を解決する方法
- よくある質問とトラブル例
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滋賀県の空き家問題、現状は?
滋賀県における空き家の総数は、令和5年(2023年)の住宅・土地統計調査で81,600戸と公表されています。平成30年(2018年)の81,200戸と比べると、空き家の実数は400戸増加しています。
一方、空き家率は平成30年の13.0%から令和5年は12.3%へ低下しており、「割合はわずかに下がったものの、空き家そのものは増えている」という状況が読み取れます。
滋賀県内の空き家を考える上で注目したいのが、賃貸・売却用や二次的住宅(別荘など)などを除いた「その他の住宅」の多さです。令和5年調査では、滋賀県の空き家81,600戸のうち48,500戸が「その他の住宅」とされており、空き家全体の約6割(59.4%)を占めています。
また、市町村別に見ると空き家率には差があります。例えば高島市は23.1%、草津市は6.7%で、地域によって状況が異なります。
立地、建物の状態、需要の有無によって、解体を含めた整理が現実的なケースもあれば、補助制度を活用して再生・活用を検討できるケースもあります。統計で見える地域差も参考にしながら、所有する空き家の所在地と建物の状態を確認しておきましょう。
【参考:令和5年住宅・土地統計調査結果概要(滋賀県)】
空き家問題解決策のひとつ「補助金制度」
空き家問題の解決に向けた第一歩として検討すべき手段が、国や地方自治体が提供する補助金制度の活用です。空き家は所有しているだけで固定資産税や維持管理費が発生し続けるため、所有者にとって大きな経済的負担となります。
自治体が提供する補助金は、こうした負担を公費によって一部支援することで、空き家の適正な管理や利活用を促進することを目的としています。
補助金を利用する最大のメリットは、解体や改修に伴う自己負担額を大幅に抑えられる点です。空き家の解体費用は100万円を超えるケースが一般的であり、リフォームにはさらに高額な資金が必要です。補助金制度を適用することで、工事費用の3分の1から最大で3分の2程度を賄える場合があります。まとまった資金の用意が難しい場合でも、補助金を活用すれば自己負担を抑える選択肢になります。
また、補助金の申請にあたって、専門家による耐震診断や建物状況調査が実施される点もメリットです。客観的なデータに基づき、建物の安全性や活用可能性を正しく把握することで、将来的な売却や賃貸運用における判断基準が明確になります。
滋賀県で使える空き家関連補助金
滋賀県内の空き家補助金は、各自治体によって制度の有無や支援内容が大きく異なります。同一の「解体工事」や「改修費用」に対する補助であっても、上限額や適用される条件は自治体が独自に定めています。そのため、物件が所在する市町村がどのような方針で空き家対策を行っているかを把握することが大切です。
補助金の予算枠には限りがあり、年度の途中で受付を終了する自治体も少なくありません。
ここからは、滋賀県内の主要な自治体が実施している具体的な補助制度を、目的別に整理して解説します。所有する物件の所在地と照らし合わせ、利用可能な制度を確認してください。
空き家のリフォーム・改修に関する補助金
滋賀県内の空き家リフォーム・改修補助金は、「空き家バンク」登録物件を取得・賃借することを条件とする制度が多いのが特徴です。あわせて、子育て世帯、40歳未満の若年世帯、県外からの転入者に対して加算を設ける自治体も多く、彦根市・栗東市では条件次第で最大120万円、愛荘町では上限200万円(加算あり)と手厚い地域もあります。
一方で、多賀町・米原市・豊郷町などでは「自治会加入」や「10年以上の定住」などを要件として明記している例もあり、申請前に条件確認が欠かせません。
また、居住目的の改修に加え、守山市のように観光交流・子育て支援・共同仕事場などの地域活性化施設への改修を対象とし、上限400万円の大規模支援を設ける制度もあります。
滋賀県内の主要な自治体におけるリフォーム・改修補助金の概要は以下の通りです。
| 市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額/補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 彦根市 | 子育て・若年世帯空き家リノベーション事業補助金 | 補助率:2/3 上限:県外から転居:120万円/県内での転居:60万円 |
空き家バンク経由で取得し、交付決定後に転居する子育て世帯(義務教育終了前の子)または若年世帯(全員40歳未満)が対象。居住開始前の申請が必要。 |
| 愛荘町 | 愛荘町空家等利活用推進補助金 | 補助率:1/2 上限:200万円(+加算あり) |
空き家バンク登録済みの所有者、またはバンク経由の購入・賃借者が対象。 |
| 多賀町 | 空き家改修費補助金 | 補助率:1/2 上限:若者世帯:100万円/一般世帯:50万円 |
空き家バンクで購入・入居し10年以上定住する、前所有者と親族でない方が対象。自治会加入と地域活動への参加、町税完納が必須。 |
| 大津市 | 大津市定住促進リフォーム補助金 | 現状:令和7年度は募集終了 補助率:基本10%、転入世帯かつ子育て世帯等:20% 上限:基本30万円/転入世帯かつ子育て世帯等:60万円 |
市外から転入、または親と同居する世帯が対象。築1年以上の自己所有(親族可)住宅をリフォームし、5年以上居住する意思があること。税金滞納や他補助併用は不可。 |
| 竜王町 | 若者定住のための住まいの補助金(リフォーム) | 補助率:20% 上限:50万円 |
町税などの滞納がないことが条件。40歳未満の住民・転入予定者、令和7年度の婚姻世帯、または18歳未満の子を養育中の世帯が対象。年度内の入居や婚姻が要件。 |
| 豊郷町 | 豊郷町子育て世帯空き家リノベーション事業費補助金 | 補助率:2/3 上限:50万円 |
空き家バンク経由で購入した中学生以下の子がいる世帯が対象。町内業者と契約し、年度内に完了すること。自治会加入と10年以上の居住、税金完納が必須条件。 |
| 栗東市 | 子育て・若年世帯空き家リノベーション支援事業 | 補助率:2/3 上限:転入120万円/転居60万円 |
「りっとう空き家バンク」を通じて物件を取得した子育て世帯(中学生以下の子)または若年世帯(夫婦とも40歳未満)が対象。 |
| 守山市 | 守山市空き家活用推進補助金 | 補助率:2/3 上限:400万円 |
1年以上未利用の空き家を、観光交流や子育て・共同仕事場など地域活性化施設へ改修する所有者・賃借人が対象。10年以上の継続利用と、事前の建築相談等が必須。 |
| 高島市 | 若者の住宅確保の支援制度(空き家のリフォーム補助) | 補助率:1/4 上限:50万円 |
空き家バンク登録物件を定住希望者に貸し出す所有者が対象。市内業者による50万円以上の未着工工事が条件。世帯全員の税金完納や、年度内の完了が必須。 |
| 東近江市 | 東近江市空家等改修費補助金 | 補助率:1/2 上限:40万円 |
空き家バンク物件等を取得・賃借した子育て世帯(中学生以下)や移住世帯が対象。市内業者による改修と、10年以上の定住が必須。 |
| 米原市 | 移住希望者リフォーム事業 | 補助率:2/3 上限:100万円 |
空き家バンク経由で取得・賃借した市外転入者が対象。2親等以内の親族からの取得は不可。10年以上の定住意思と、自治会活動への理解、税金完納が必須。 |
| 日野町 | 日野町住宅リフォーム等促進事業助成金 | 補助率:20% 上限:20万円 |
町内居住者または転入予定者が対象。自ら所有・居住する住宅の工事で、税金等の滞納がないことが条件。他補助との併用や過去3年間の満額受給者は対象外。 |
| 多賀町 | 多賀町住宅リフォーム促進事業補助金 | 現状:令和7年度は募集終了 補助率:1/4 上限:50万円 |
町内業者で施工する自己所有・居住用住宅が対象。町民かつ税金滞納がない方で、過去5年以内に本補助を受けていないことが条件。 |
空き家の解体に関する補助金
滋賀県内で空き家の解体を検討する際、補助制度は「昭和56年5月以前の旧耐震基準」を対象とするケースが多い一方、築年数や老朽化の程度など条件は自治体ごとに異なります。なかには「不良度判定」により倒壊リスクが高い物件に限定して支援する制度もあります。
また、甲賀市や草津市のように、条件を満たす不良空き家では補助率が8割前後まで高くなる手厚い制度も見られます。ただし申請が集中しやすく、年度途中で募集終了となる自治体もあるため、早めに情報を集めておくと安心です。
滋賀県内の主要な自治体の概要は以下の通りです。
| 市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額/補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 米原市 |
米原市空家等除却補助金 |
補助率:1/3 上限:20万円 |
1年以上未利用の旧耐震(昭56年5月以前)空き家を、市内業者で全解体・更地にする所有者が対象。年度内の完了、税金完納が条件。施工者と親族関係がないことが必須。 |
| 野洲市 |
空家等解体支援補助金 |
現状:令和7年度は募集終了 補助率:1/3 上限:10万円 |
1年以上未利用の旧耐震(昭56年5月以前)空き家を所有する個人が対象。全権利者の同意と、申請者の市税完納が必要。過去に本補助を受けたことがない方。 |
| 甲賀市 |
空き家住宅等除却事業 |
現状:令和7年度は募集終了 補助率:8/10 上限:80万円 |
構造が著しく不良な住宅、または跡地を10年以上地域活性化に供する空き家が対象。名義人等による全除却、税金完納が必須。 |
| 東近江市 |
東近江市空家等解体費補助金 |
現状:令和7年度は募集終了 補助率:1/5 上限:40万円 |
築40年超の未利用物件(住居・倉庫等)を、市内業者で全解体・更地にする所有者が対象。共有者や抵当権者等、権利者全員の同意があることが必須条件。 |
| 草津市 |
不良空き家の除却費用補助 |
現状:令和7年度は募集終了 補助率:4/5 上限:50万円 |
1年以上未利用、かつ不良度判定100点以上の著しく老朽化した個人所有住宅が対象。所有者等が全除却することが条件で、市税完納や他補償を受けていないことが必須。 |
空き家の取得に関する補助金
滋賀県内で空き家を取得する際に利用できる補助金は、主に「移住促進」と「結婚・子育て支援」の2軸で展開されています。住宅の取得費(購入費)を対象にする制度が多く、県外からの転入世帯や新生活を始める若い世代にとって利用価値が高いのが特徴です。
また、東近江市のように夫婦の年齢に応じて上限額を手厚くする例や、彦根市のように多子世帯・三世代同居を条件にする例など、自治体ごとに支援対象が明確に設計されています。
取得に関する補助金の概要は以下の通りです。
| 市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額/補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 彦根市 |
移住促進住宅取得費補助金 |
現状:令和7年度は募集終了 補助率:1/10 上限:50万円 |
周辺町外からの転入者で、契約前の事前相談、取得後1年以内の申請が必須。45歳以下の多子または三世代同居世帯が対象。4年以上の居住意思、税金完納が条件。 |
| 東近江市 |
住まいる事業補助金(市民結婚新生活支援事業) |
補助率:10/10 上限:30万円(29歳以下の世帯:60万円) |
令和7年以降に結婚した39歳以下の夫婦(世帯所得500万円未満)が対象。年度内に持分1/2以上の住宅を取得・入居し、税金を完納していることが条件。 |
| 東近江市 |
住まいる事業補助金(市民子育て住宅取得事業) |
補助率:1/5 上限:20万円 |
市内在住の40歳未満で、中学生以下の子と同居する世帯が対象。年度内に持分1/2以上の住宅を取得・入居し、税金を完納していることが条件。 |
| 多賀町 |
若者定住支援事業 |
固定資産税相当額/上限10万円(3年間) | 対象住宅の所有者かつ納税義務者で、税金等の滞納がないことが条件。自治会へ加入し地域行事へ参加すること、および5年以上の定住を誓約することが必須。 |
空き家の家財処理に関する補助金
空き家の売却や賃貸で障壁になりやすいのが、建物内に残る家財の処分費用です。愛荘町では、空き家バンク等と連動し、家財処分や清掃費の一部を補助しています。
なお、家財処分の支援は改修(リフォーム)等の補助メニューに含まれる形で設けられる場合もありますが、募集の有無や条件は年度で変わるため、対象自治体では当該年度の要項確認が必要です。
| 市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額/補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 愛荘町 |
愛荘町空家等家財道具等処分補助金 |
補助率:1/2 上限:10万円 |
愛荘町空き家バンクに物件を登録している所有者 |
その他の補助金
滋賀県では、県庁が主管する「既存住宅状況調査(インスペクション)」に対する補助金制度を設けています。建築士による住宅診断を受けることで、建物の劣化状況や欠陥の有無を客観的に判定でき、売買やリフォームの際の判断材料として活用できます。
この制度は、滋賀県内の空き家バンクに登録されている物件であれば補助上限額が引き上げられる仕組みとなっており、空き家の適正な流通を強力に後押ししています。
また市町村の独自施策として、米原市では空き家バンクへの登録や成約に対する奨励金制度があります。解体や改修といった大規模工事の前段階でも、登録・調査の段階で支援を受けられる点は所有者にとってメリットです。
| 市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額/補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 滋賀県全域(県庁主管) |
令和7年度既存住宅状況調査(インスペクション)に対する補助金 |
補助率:1/2 【上限額】 ・A(空き家バンク登録物件):5万円 ・B(居住誘導区域内物件):5万円 ・C(上記以外の住宅):2万5,000円 |
滋賀県内の中古住宅の売主、または買主(個人)が対象。ただし、災害レッドゾーンに立地する住宅は除外。 |
| 米原市 |
米原市空家バンク利活用促進奨励金 |
・バンクへの登録:10,000円 ・登録物件の成約:30,000円 |
バンク登録者または成約者が対象。登録後2年以上の継続意思と協力、または成約から3か月以内の申請が必須。過去の受給歴がないこと、税金完納が条件。 |
補助金を受けるための流れと注意点
滋賀県内で空き家に関する補助金を利用する際は、各自治体が定める申請手順に従う必要があります。制度ごとに必要書類や申請時期、工事の実施タイミングが定められており、手順を誤ると補助対象外となる場合があるため、事前の情報収集が欠かせません。
また、多くの制度では年度ごとに予算上限が設けられています。募集期間内であっても、予算到達により受付終了となったり、申請が集中した場合に抽選となったりするケースがあります。そのため、検討を始めた段階で、物件所在地の役所へ早めに相談することが望ましいです。
以下では、補助金申請に必要な主な書類と、手続きを進める上で把握しておきたい注意点を解説します。
申請に必要な主な書類
補助金を申請する際には、建物の所有状況や工事内容を客観的に確認するための書類を準備します。滋賀県内の自治体で一般的に求められる書類は以下の通りです。
- 交付申請書:各自治体の窓口やホームページで配布されている指定様式を使用します。
- 登記事項証明書:対象となる空き家の所有権や建築年月日を確認するために必要です。
- 工事の見積書および図面:施工業者が作成した、工事内容と内訳が分かる資料を用意します。
- 現況写真:工事着手前の状態を、全景や工事予定箇所が分かるように撮影します。
- 納税証明書:市町村税の滞納がないことを確認するために求められる場合があります。
- 誓約書および同意書:暴力団排除への同意、自治会加入、定住意思などに関する誓約として提出を求められる場合があります。
自治体や補助金の種類によっては、空き家バンクの登録に関する書類や、耐震診断など追加資料の提出を求められるケースもあります。書類に不備があると審査が進まないことがあるため、チェックリストを活用しながら、漏れのないよう準備を進めましょう。
申請する上での注意点や落とし穴
空き家補助金を利用する際は、受給後のトラブルを避けるために次の点を押さえておく必要があります。
・「着工前の交付決定」が原則:
多くの制度では、自治体の「交付決定通知」を受ける前に工事契約や着工を行うことは認められていません。自己判断で工事を先行させると、要件を満たしていても補助対象外となる場合があります。
・補助金は「完了後の手続き」を経て交付されるケースが多い:
工事完了後に実績報告を行い、自治体の確認を経て交付される流れが一般的です。工事代金は一旦所有者が支払う必要が生じる場合があるため、一時的な資金繰りも含めて計画を立てることが重要です。
・一定期間の居住・活用義務と返還規定:
リフォームや取得に関する補助金では、一定期間の定住や活用、空き家バンクへの継続登録などが条件となることがあります。米原市や愛荘町など、要件を満たさない場合の返還規定を設けている自治体もあるため、事前に要綱を確認してください。
・施工業者の所在地制限:
自治体によっては、「滋賀県内に本店を置く業者」や「市内の登録業者」への発注を条件とする場合があります。県外業者や知人の業者へ依頼する予定がある場合は、施工業者を決める前に要件を確認しておくと安心です。
補助金以外で空き家問題を解決する方法
補助金は、改修や除却などの費用負担を軽くする手段の一つです。
一方で、補助率や上限額、対象工事、申請時期などの条件があるため、状況によっては補助金だけで方針が決まり切らないこともあります。所有者の希望(住む・貸す・売る・活用する)と、物件の状態・立地を整理したうえで、補助金以外の選択肢も含めて検討することが現実的です。
補助金だけでは難しいケースがある
制度の利用を検討しても、次のような事情で計画が進みにくい場合があります。
・自己負担が発生する:
補助金は「対象経費の一部」を補助する設計が多く、上限額も定められています。制度によっては補助率が決まっており、工事内容によっては自己負担が残る可能性があります。まずは見積もりを取り、補助対象経費の範囲と自己負担の目安を把握しておくと判断がしやすくなります。
・申請準備に手間がかかることがある:
申請には、申請書・見積書・写真など複数の書類が求められるのが一般的です。書類の不備があると手続きが止まることもあるため、必要書類を早めに洗い出し、段取りを組むことが重要です。遠方在住の場合は、役所・施工業者とのやり取り方法(郵送・オンライン可否)も確認しておくと負担を減らせます。
・活用条件が付く制度がある:
制度によっては、一定期間の居住・継続利用、空き家バンクへの登録、施工事業者の要件、着工前の交付決定など、活用を前提とした条件が設定されることがあります。そもそも住む予定がない場合は、条件を満たせず補助対象外となる可能性もあるため、申請前に要綱で「活用要件の有無」と「求められる期間」を確認しておきましょう。
空き家を売却する
管理負担を手放す手段として、売却は有力な選択肢です。
エリアごとの市況には差があるため、まずは相場感を把握し、仲介(市場で買主を探す)と買取(不動産会社が直接買う)を比較すると判断しやすくなります。
仲介は市場価格に近づきやすい一方で、内覧対応や成約までの期間が読みにくい傾向があります。反対に買取は価格が抑えられることがあるものの、条件が合えば手続きを早めに進められる場合があります。
相続関係が複雑な物件や、築年数が古い物件、再建築不可など条件がある物件では、買取を前提に相談したほうが整理しやすいケースもあります。
売却方法を決める前に、最低限「仲介の査定」と「買取の条件提示」を並行して取り、比較材料をそろえるのが現実的です。
例えば空き家パスは、相続不動産の買取を得意とする不動産会社です。相続関係の整理が必要な物件や、田舎の築古物件、再建築不可物件、訳あり物件なども相談しやすい点が特徴です。査定・相談は無料のため、比較材料のひとつとして確認しておくと判断しやすくなります。
関連記事:滋賀県の空き家・不用品買取業者おすすめ8選|売却相場やすぐに買い取ってもらうためのポイントを解説
空き家バンクを活用する
滋賀県内では、空き家バンク制度を設けている市町村があります。空き家バンクは、各自治体(または運営主体)の窓口を通じて、移住希望者や活用希望者に物件情報を公開する仕組みです。
通常の不動産流通市場では条件が合いにくい物件でも、地域への移住や古民家利用を検討する層に情報が届くことで、相談につながる可能性があります。自治体が窓口になるため、地域のルールや手続きの流れを確認しながら進められる点もメリットです。
ただし、登録から成約までの期間は物件条件やタイミングで変わります。早期に手放したい場合は、売却(仲介・買取)と並行して進めるなど、出口を一つに絞りすぎない計画が安全です。
空き家を活用する
建物がまだ使用可能な状態であれば、売却せずに活用する道もあります。
例えば、宿泊・滞在、テレワーク拠点(シェアオフィス等)、地域の交流拠点や子育て支援に近い用途など、地域ニーズに合わせた活用が検討されることがあります。また、自治体によっては地域活性化に資する用途の改修を支援する制度が用意されている場合もあります。条件と用途が合えば、初期投資の負担を抑えながら活用を進められる可能性があります。
ただし、活用は「改修して終わり」ではありません。運営体制、維持管理費、収支見込み、責任分担(所有・運営・管理)まで整理しておく必要があります。
よくある質問とトラブル例
滋賀県内の空き家所有者から、相談時に挙がりやすい質問と、実務上で注意したいポイントをまとめました。
Q:補助金と売却、どちらが良いですか?
空き家を将来的に自身や親族が居住用として利用する、あるいは賃貸物件として運用するなど、活用方針が明確な場合は、補助金を活用して維持・再生を検討する選択肢があります。
一方で、遠方に住んでいて管理が難しい場合や、当面の活用予定が見えない場合は、売却も含めて早めに出口戦略を検討すると判断しやすくなります。
補助金は費用の一部を補助する制度が多く、所有を続ける限り、固定資産税などの維持費が発生します。さらに制度によっては、一定期間の居住・継続利用などの条件が設けられることがあります。
例えば、豊郷町では「10年以上居住する見込み」が要件に含まれる制度があります。また、守山市の制度でも「10年以上の継続的利用が担保される」ことが要件として示されています。
そのため、補助金を前提にする場合は「将来の住み方・使い方」と「制度要件」が噛み合うかを、要綱で確認してから進めるのが安全です。
【参考:豊郷町子育て世帯空き家リノベーション事業費補助金のご案内】
【参考:空き家活用推進補助制度|滋賀県守山市公式ウェブサイト】
Q:古い空き家や傷みがある空き家でも補助金は使えますか?
制度によっては対象になる場合があります。
例えば除却(解体)に関する補助金では、「今後も居住の見込みがない住宅」であることや、不良度判定など一定の基準を満たすことを要件にしている例があります。
一方で、リフォーム(改修)に関する補助金では、耐震性に関する要件(診断の実施、改修内容の条件など)が付くことがあります。要件に該当しない場合は、追加工事が必要になり、結果として自己負担が大きくなる可能性があります。
まずは「補助対象の工事範囲」と「必要になる前提条件」を確認し、見積とあわせて検討しましょう。
Q:補助金申請が難しそう…誰かに頼めますか?
ケースによっては、施工業者(工務店や解体業者)が、見積作成とあわせて必要書類の準備を手伝う場合があります。
どこまで対応できるかは業者によって異なるため、「申請書類の作成支援の範囲」と「追加費用の有無」は事前に確認しておくと安心です。また、相続や共有名義などで権利関係の整理が必要な場合は、行政書士などの専門家に有償で相談する方法もあります。
自治体窓口では手続きの案内や様式の説明を受けられることが多い一方、申請の代行は原則として行わない扱いが一般的です。迷う場合は、窓口に「どこまでサポートしてもらえるか」を先に確認しましょう。
Q:空き家を自治体に寄付できますか?
自治体が寄付を受け入れるかは、土地の活用可能性や条件次第で判断されます。
制度上、寄付が要件として示されている例もあります。例えば多賀町の除却支援では、除却後の跡地について「地元自治会へ10年以上貸与または町へ寄付」が条件として示され、寄付は審査結果によってできない場合がある旨も明記されています。
寄付を検討する場合は、物件所在地の自治体の担当部署に相談し、「受入条件の有無」「審査の考え方」「寄付後の管理範囲」を確認することが重要です。
【参考:多賀町空き家住宅等除却支援事業】
Q:住宅セーフティネット制度とは何ですか?
住宅セーフティネット制度は、高齢者や低所得者、子育て世帯など、住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない住宅として登録する仕組みです。
国土交通省の案内では、セーフティネット専用住宅等の改修への補助が用意されており、改修費補助を受けた住宅は「10年間」要配慮者に限定した住宅として管理する必要がある旨が示されています。空き家を社会的なニーズに沿った賃貸住宅として活用したい場合、選択肢の一つになりますが、登録要件や管理条件があるため、制度の詳細は自治体または募集要領で確認したうえで進めましょう。
【参考:住宅セーフティネット制度~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~-国土交通省】
まとめ
滋賀県内で空き家の問題を整理するには、自治体の補助制度の内容と要件を確認し、自分の物件が対象になるかを早めに把握しておくことが欠かせません。
解体、改修、家財整理など、目的に応じた支援策が設けられている一方、制度によっては「着工前の手続き」や「空き家バンクへの登録」などの条件が定められている場合があります。申請の可否は自治体ごとに異なるため、まずは物件所在地の窓口で要件や申請時期、必要書類を確認しましょう。
相続で取得した空き家など、今後の活用予定が立てにくいケースでは、補助金だけに絞らず、売却も含めて早めに選択肢を整理すると判断がしやすくなります。
特に権利関係が複雑な物件や築古物件、再建築不可物件などは、相談先によって進め方が変わることもあるため、対応実績のある窓口に一度確認しておくと安心です。
空き家パスは、相続不動産の買取を得意とした不動産会社です。相続関係で複雑になっている物件や、田舎の築古物件、再建築不可物件、訳あり物件など、他の不動産会社に断られた空き家でも買取を行っています。
ご相談、査定は完全無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。













