愛知県名古屋市の空き家買取実績

名古屋というまちは、どこか「控えめな懐の深さ」を感じさせます。大都市の顔を持ちながらも、地元の人たちは必要以上にそれを誇らない。便利で整ったインフラの下に、昔ながらの商店街や路地裏の静けさが共存していて、派手すぎない都市のバランス感覚が、名古屋らしさなのかもしれません。今回ご相談いただいたのは、そんな名古屋市内の一戸建て住宅。地下鉄の駅から徒歩圏という利便性がありながら、周囲はゆったりとした空気が流れる住宅地で、街路樹の緑が歩道にやわらかい影を落としていました。外観はごくシンプルですが、玄関を開けると、住まい手の暮らしがていねいに重ねられてきたことが細部ににじんでいます。南向きのリビングにはやわらかな光が入り、障子越しの光と庭の緑がちょうどよく視界におさまる。全体として主張はありませんが、それがかえって心地よく、暮らしの器としての静けさと安定感を感じさせます。築年数なりの手直しは必要ですが、それをネガティブに受け止める必要はないと、この家を見ていると思えてきます。足りない部分は手を加えればいいし、その過程も含めて住まいと関係を築いていく——そう思わせてくれる、素直な家でした。暮らしに余白がある分だけ、住む人の色が自然に染み込んでいくような、そんな懐のある住まいです。
エリア愛知県名古屋市
種別戸建て
面積95㎡
地積130㎡