岐阜県多治見市の空き家買取実績

多治見市と聞くと「暑いまち」という印象が先に立つかもしれません。でも実際に歩いてみると、陶磁器の工房や古い町並みに流れる時間はゆっくりで、どこか静かで、土の匂いのするまちです。気候の厳しさを知っているからこそ、暮らしの中に「無理のない工夫」や「持続できる丁寧さ」が残っている。そんな土地だと感じます。今回ご相談いただいたのは、多治見市内の閑静な住宅街に建つ一戸建てでした。坂の多いエリアですが、その分見晴らしがよく、風通しもよい場所。車通りも少なく、日々の暮らしが落ち着いて営まれてきたことが、外構や庭の佇まいからも伝わってきました。玄関を開けたときに感じたのは、“涼しさ”ではなく“熱の抜け方が上手な家”という印象。南向きの居間には日差しがきちんと入る一方で、庇や障子、庭の木々が光を和らげていて、夏の暑さと共存してきた住まい手の知恵を感じました。設備に頼りすぎない、けれど不便ではない。そんなちょうどよさがありました。確かに築年数は経っていますが、直すことが「手間」ではなく「楽しみ」に思えるような、住み手を受け入れる余白がこの家には残されています。そして何より、家そのものに、派手ではないけれど確かな暮らしの“輪郭”がありました。次の住まい手が、この場所でまた新しい日常を少しずつ育てていけるよう、静かに見守ってくれる——そんな住まいでした。
エリア岐阜県多治見市
種別戸建て
面積128㎡
地積231㎡