三重県桑名市の空き家買取実績

桑名市は、川と海に囲まれたまちでありながら、かつて東海道の宿場町として栄えた歴史が根を張っていて、水と人の動きが交差する土地ならではの落ち着きと開放感が同居しています。揖斐川の流れ、七里の渡し跡、そして昔ながらの町家の面影がところどころに残っていて、表面上のにぎやかさとは別に、時間がゆっくり蓄積されてきた空気が感じられます。今回ご相談いただいたのは、そんな桑名市内の住宅街に建つ一戸建てでした。周囲は比較的新しい家並みの中にあって、この家には少しだけ時間の積み重ねがある。その「少し」がこの家の魅力で、玄関先の石畳や木の扉、門まわりの植栽が、住まい手の暮らしに対する眼差しをそっと伝えてくれていました。室内に入ると、南向きの窓から射す光が障子にやわらかく広がり、季節の変化や時間の流れをそのまま受け止めてきたことが、空間のあちこちににじんでいます。新築のような整然さはありませんが、だからこそ住む人が自分たちのリズムで手を加えていける“余地”があります。完璧に整えられた家ではなく、住まいと人とが一緒に育っていける関係性を持った家。長く住まわれてきたことの安心感と、これから始まる暮らしへの柔らかな期待感が、ちょうどよく混ざり合っていました。この場所でまた新しい時間が積み重ねられていくことを、心から楽しみにしたくなる、そんな一軒でした。
エリア三重県桑名市
種別戸建て
面積74㎡
地積181㎡