三重県四日市市の空き家買取実績

四日市市というと、工業都市としての印象が強く残るかもしれません。たしかに湾岸沿いのコンビナートや大きな工場群はこのまちを象徴する風景のひとつです。でも一歩内陸へ入り、住宅街を歩いてみると、その印象はすっと変わります。昔ながらの商店、のびやかに枝を広げた街路樹、そしてどこか肩の力が抜けたような暮らしのリズム。四日市というまちは、「働くまち」でありながら、「暮らす場所」としての落ち着きを確かに持っています。今回ご相談いただいたのは、そんな四日市市の住宅街にある一戸建てでした。駅からはやや距離がありますが、そのぶん静かで、近くには公園や学校もあり、時間帯によってまちの音がゆっくりと入れ替わっていくような場所。外観は素朴で飾り気がありませんが、玄関先に置かれた鉢植えや門扉の塗装の跡などに、この家で長く続いてきた暮らしの形がにじんでいました。中に入ると、南側の部屋にはやわらかい日が差し込み、障子越しに見える庭の緑が時間ごとに表情を変えていく。間取りや内装は決して新しくはありませんが、不思議と落ち着きがあり、そこにいると自然と呼吸が深くなるような、そんな居心地の良さがありました。多少の修繕は必要ですが、それも含めて“住み継いでいく余地”として前向きに捉えられる住まいです。手を加えるたびに自分たちらしさが重なっていく、そういう関係を築いていける一軒でした。新しい生活が、この静かな場所にそっと馴染んでいくことを願っています。
エリア三重県四日市市
種別戸建て
面積119㎡
地積206㎡