東京都大田区の空き家買取実績

大田区というと、羽田空港や工場のまちといった印象が強いかもしれません。でも実際に歩いてみると、それだけでは片づけられない“暮らしの重なり”があちこちに顔を出します。坂の多い街道沿い、小さな銭湯の煙突、昭和のまま時が止まったような商店街。そしてそのすぐそばに、新しい家や洒落たカフェが違和感なく建っている。そんな風景が、大田区の日常です。今回ご相談いただいたのは、そうした大田区内でも住宅の落ち着いたエリアにある一戸建てでした。駅からは程よい距離で、最寄りのスーパーや小学校、公園までも平坦な道のり。特別なロケーションではないかもしれませんが、“ちょうどいい”という言葉がぴたりとはまる場所でした。建物は築年数を重ねてはいるものの、玄関に入った瞬間から、どこか肩の力が抜けるような空気が漂っていました。床の木目、階段の踏み音、開けたときに少し重みを感じるドア──すべてが“住まい”としての確かな手触りを残していました。特に印象に残ったのは、2階の東向きの窓から見えた景色。隣家の屋根越しに広がる空と、電線の間を抜けて聞こえてくる電車の音。売主様が「音が好きだったんです」と笑って話されたのが、なんだかとても印象的でした。都会の静けさではなく、“都市の生活音が心地よくなる瞬間”──そんな感覚でした。大田区というまちは、何かを足すよりも、すでにある暮らしを受け入れてくれる場所。この家もまた、そうした包容力を持った住まいでした。ここからまた新しい時間が流れていくことを、静かに願っています。このたびは、大切なお住まいのご相談をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
エリア東京都大田区
種別戸建て
面積129㎡
地積223㎡