山梨県甲府市の空き家買取実績

甲府のまちは、どこか「静けさ」が似合う場所です。駅前には活気ある通りや商業施設もありますが、少し車を走らせれば、ぶどう畑や果樹園が日常の風景として広がっていて、時間の流れ方がやわらかくなるような気がします。今回ご相談いただいたのは、そんな甲府市のやや郊外、南向きの緩やかな斜面に建つ一戸建てのお住まい。玄関先からは遠くに南アルプスの稜線が見えて、天気の良い日は思わず深呼吸したくなるような清々しさがありました。室内に入ると、木の香りがまだほんのりと残っていて、建物が丁寧に使われてきたことがすぐにわかりました。特に、冬の朝に陽が差し込むという和室は、障子越しの光がやわらかくて、まるで時間までもがゆっくりと流れているよう。派手な造りではありませんが、落ち着いた質感のある家でした。多少の補修が必要な部分はありますが、それを「面倒」と感じさせない、暮らしの土台としての安心感があります。ご相談者さまも、「親が大事にしていた家だから、その空気を残したまま住んでくれる方がいたらうれしい」と話されていて、その言葉にこの家の歴史が詰まっているように思いました。甲府というまちの、自然と人の距離の近さ。この家にも、そのあたたかさがしっかりと宿っていました。新しいご家族の手でまたここに灯がともることを、心から願っています。大切なご相談をありがとうございました。