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家の名義変更を夫から妻にする方法|生前贈与・相続・財産分与の3つに分けて解説

家の名義変更 夫から妻

婚姻期間中に夫が購入した不動産を妻に名義変更する場合、「生前贈与」と「相続」、「財産分与」といった方法があります。
どの方法を選択するのかで手続きと発生する費用が異なりますが、一度名義変更してしまうと元に戻すことは難しいため注意が必要です。
この記事では夫名義を妻名義に変更する方法について、詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 生前贈与、贈与、財産分与による名義変更手続の方法と費用
  • 名義変更する場合の注意点
  • 名義変更によって取得した家の活用方法

相続によって取得した不動産に住む予定がない場合は、売却も選択肢に入れましょう。
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生前贈与で夫から妻に家の名義変更する場合

夫が存命中に家の所有権を妻に移転する場合、生前贈与となります。
この章では夫婦で生前贈与する場合の流れと注意点、費用について解説します。

生前贈与の場合の流れ

家の所有権を妻に移転させるには所有権移転登記を行う必要があり、必要書類と申請書を法務局に提出することで名義変更が可能です。
ただし贈与に関する書類は複雑なため間違いが起きることも多く、司法書士に依頼するケースがほとんどです。
そのため生前贈与を検討する場合はまず司法書士に相談し、準備物や発生する税金について確認することをおすすめします。

夫婦間の贈与の特例と注意点

夫婦間で家を生前贈与する場合、税金に注意が必要です。
贈与税を免税にする方法はいくつかあり、たとえば暦年課税制度を利用し年間110万円以内に分割して贈与すれば免税にすることができますが、家の資産価値が110万円を超えている場合はこの方法を使うことができず、贈与税が発生します。
これ以外にも登録免許税や不動産取得税が発生しますので、納税額が高額になるケースも少なくありません。
そのため各種税金の納税額を事前に調べておくことが重要です。
なお、婚姻期間が20年を超える夫婦の場合、居住用不動産の贈与であれば基礎控除の110万円に加えて2,000万円の控除を受けることができ、税務署で贈与税の申告に合わせて所定の申請を行うことで利用できる制度となっています。
贈与税を大幅に減額することが可能となるため、利用できる場合は必ず申請することをおすすめします。
【参考サイト:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁

贈与でかかる税金・費用

家の贈与でかかる税金として「登録免許税」「不動産取得税」「贈与税」があり、登録免許税は土地と建物の固定資産税評価額を合算した課税額に対し2%、不動産取得税は3%を税率として掛け合わせて税額を計算します。
それぞれ建物の築年数や土地の地目によって税制優遇がありますので、税理士や会計士といった専門家に相談しながら確認することがポイントです。
贈与税の税率は課税額によって変動し、次の速算式で計算することができます。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 無し
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円を超える 55% 400万円

【参考サイト:No.7190 登録免許税のあらまし|国税庁
【参考サイト:総務省|地方税制度|不動産取得税
【参考サイト:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

相続で夫から妻に家の名義変更する場合

夫が亡くなり相続によって妻に所有権を移転する場合、法定相続人による遺産分割協議が必要になるなど贈与とは異なる流れで名義変更することになります。
この章では相続が原因で夫から妻に名義人を変更する流れと税金について、解説します。

相続の場合の流れ

夫が亡くなると法定相続人全員で遺産分割協議を行い、財産の分割を決めることになります。
夫が遺言書を残していればその通りに遺産分割を行いますが、なければ法定割合に沿って分割するのが一般的です。
配偶者は必ず法定相続人となり、子どもは第一順位の法定相続人です。
子どもがいなければ夫の親、兄弟姉妹が相続人となりますので、該当する親族に相続発生を知らせる必要があります。
なお、法定相続割合は子供の有無などによって次のようになります。

配偶者以外の法定相続人 法定相続割合
配偶者+子供 配偶者 1/2、子供 1/2
配偶者+夫の両親(子供がいないケース) 配偶者 2/3、両親 1/3
配偶者+夫の兄弟姉妹(子供と両親がいないケース) 配偶者 3/4、兄弟姉妹 1/4
配偶者のみ(子供と両親と兄弟姉妹がいないケース) 配偶者 1/1

遺産分割協議がまとまれば遺産分割協議書に法定相続人全員が署名押印し、相続開始から10ヶ月以内に相続税を支払い、3年以内に相続登記を行います。
相続登記をしなければ10万円以下の過料が発生することもありますので、注意が必要です。
【参考サイト:相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始) ~なくそう 所有者不明土地 !~:東京法務局

相続でかかる税金・費用

相続の場合不動産取得税はかかりませんが登録免許税は贈与と同様に発生し、課税額に対して0.4%の税率を掛け合わせて計算します。
また基礎控除を差し引いても課税額が発生した場合は相続税もかかり、次の速算表で計算することができます。 

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

たとえば課税額5,000万円の家を相続した場合、相続税は800万円です。

【参考サイト:No.4155 相続税の税率|国税庁

財産分与で夫から妻に名義変更する場合

離婚による財産分与によって夫から妻に名義変更する場合、家を含めた財産分与を決めた後に名義変更を進める必要があります。
また離婚確定前に財産分与すると贈与税が発生してしまいますので、注意が必要です。
この章では財産分与による名義変更の流れと費用について、解説します。

財産分与の場合の流れ

財産の分割は家だけでなく、貯金や証券、株、将来の年金も含めたうえで協議することになります。
家の価値が全財産の過半数を占めている世帯も多く、夫から妻への名義変更が公正な分割になるのか慎重に判断することがポイントです。
財産分与によって妻への名義変更が決まれば法務局に所有権移転登記の申請を行い、登記上の名義人を変更します。

財産分与でかかる税金・費用

生前贈与、相続と同様に財産分与においても登録免許税は発生し、税率は贈与と同様に2%です。
財産分与の場合、基本的に贈与税はかかりませんが、家の価値が大きすぎると妻から夫に金銭を支払わなければならないケースもあります。
たとえば全財産が5,000万円で家の価値が3,000万円の場合、妻は500万円多く財産分与されていることになります。
この場合は妻から夫に対して500万円を支払って財産分与を調整することになり、家を財産分与するデメリットといえます。

家の名義を夫から妻に変更する際の注意点

家の名義を夫から妻に変更する際、住宅ローンが残っている場合は注意が必要です。
また相続時に家の所有権を共有名義にしてしまうとトラブルが発生することもあります。
この章ではこうした注意点について詳しく解説しますので、参考にしてください。

住宅ローンが残っている場合

住宅ローンが残っている家は名義変更が難しくなり、金融機関の許可を得られず名義変更できないこともあります。
なぜなら金融機関は夫の収入や勤続年数をベースに借入額を審査しており、妻に名義変更すると融資決定時期と審査条件が異なってしまうからです。
そのため住宅ローン残債を一度返済し、そのうえで名義変更する必要があります。

相続の場合は共有名義にしない

相続によって家が共有名義になった場合、売却するためには共有者全員の合意が必要となり、一人でも反対すれば売却できなくなってしまいます。
さらに固定資産税や家のメンテナンス費用を誰が負担するのかで揉めることもあり、親族間の関係性が悪化する原因にもなりかねません。
家は適切にメンテナンスしなければ劣化し資産価値が低下してしまいますので、どうしても共有名義になってしまう場合は支払いやメンテナンスの役割をしっかり決めたうえで登記することをおすすめします。

名義変更後の不動産はどうする?

名義変更によって家の所有権を得たものの、活用方法が分からずに放置している人も多いです。
しかし空き家のまま放置していると倒壊や火災が発生する可能性が高まったり、害虫の温床になってしまうリスクを抱えてしまいます。
そのため名義変更する前に家をどのように活用するのか、決めておくことが大切です。

自分で住む

一番スマートな活用方法は、そのまま住み続けることです。
家賃がかかることなく住みながらメンテナンスできますので、別に生活拠点がなければそのまま自分が住むことをおすすめします。

賃貸などで活用する

生活拠点が別にあり名義変更した家に住む予定がない場合は賃貸にだし、賃貸人に住んでもらうという方法もあります。
この方法であれば固定資産税などの維持費を家賃で相殺することができるうえに、賃貸人が家をメンテナンスしてくれます。
このように家の資産価値を維持しつつ固定費を抑えたい人に賃貸は向いていますが、売却や自分が居住することになってもすぐに行動できないというデメリットもあります。
また外壁や屋根、水回りの修繕はオーナーである家主の責任になり、急な支出が発生することもあります。
将来売却する際には譲渡所得税の特例を受けられないという注意点もありますので、賃貸にだす場合は将来の活用方法を踏まえて判断することが重要です。

売却する

家を活用する予定がない場合は、売却してしまうのがおすすめです。
売却することで固定資産税などの維持費がなくなり、家賃収入と違って一度に多くの利益を得ることができます。
家の売却は所有期間や家の使い方によって税額が異なりますので、複数の不動産会社に相談し一番納得のいく方法で売却することがポイントといえます。

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まとめ

夫が所有していた家を生前贈与や相続、財産分与が原因で妻に名義変更する場合、流れや注意点を事前に知っておくことで慌てることなく準備することができます。
発生する税金や費用も異なりますので、税理士や不動産会社など専門家の意見を聞きながら慎重に判断することが大切です。
また、名義変更したものの家の活用方法が決まらない場合は、売却してしまうのがおすすめです。
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【参考サイト:空き家パス

       

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