福島の空き家補助金を解説ー解体・リフォームなどで活用!申請の流れや注意点も

福島県では空き家が増加傾向にあり、各自治体は対策に追われているのが現状です。
空き家が増えると害虫や害獣の温床になるだけでなく、犯罪の拠点に使われることで治安が悪化する原因になることもあります。
また台風や洪水で建材が飛散してしまうと近隣住民に被害が出てしまう可能性もあることから、管理されていない空き家の増加は多くのリスクがあるといえます。
さらに倒壊する可能性が高い空き家について、所有者は自治体から管理に対しての指示や固定資産税の優遇制度撤廃といった措置を講じられることもあり、放置しておくと家屋を強制的に解体されるケースもあります。
このように空き家は管理するか活用するかを選択する必要があるといえますが、所有者にとって費用がかかることが多く、有効活用したくてもできない所有者も多いです。
そこで福島県では多くの自治体が空き家のリフォームや解体、不用品の処分について補助金制度を公開しています。
この記事では福島県の自治体が公開している空き家関連の補助金制度について、2026年1月時点で利用可能な制度を紹介します。
補助金を利用する以外でも知っておきたい空き家対策についても解説しますので、空き家の所有者は参考にしてください。
- 福島県の空き家問題
- 福島県で使える空き家関連補助金制度
- 補助金を受けるための流れと注意点
- 補助金以外の空き家対策
- よくある質問とトラブル例
相続によって取得した不動産に住む予定がない場合は、売却も選択肢に入れましょう。
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福島県の空き家問題、現状は?
総務省から公開されている「令和5年住宅・土地統計調査の結果(住宅及び世帯に関する基本集計)」によると、福島県の総住宅数は令和5年度時点で約86.3万戸となり、5年前の調査よりも約1,600戸増加していることが分かりました。
一方、住宅数に占める空き家の割合は増加しており、約15.2%が空き家になっているとのことです。
空き家率は昭和58年の調査から右肩上がりに上昇しており、福島県としても大きな課題になっています。
【引用サイト:令和5年 住宅・土地統計調査結果 – 福島県ホームページ】
空き家問題解決策のひとつ「補助金制度」
空き家を放置していると資産価値が減少してしまうため売却しにくくなり、自己利用する場合であっても修繕費用が高くなってしまいます。
しかし修繕費用や解体費用を考えると対応できないという所有者も多く、空き家が増加する原因の一つになっています。
そのため空き家の対応について考える場合はまず自治体のHPをチェックし、活用できる制度がないか把握することが大切です。
福島県で使える空き家関連補助金
この章では令和7年度時点で募集されている補助金制度について、「リフォーム・改修」「解体」「取得」「家財処理」という項目に分けて紹介します。
これから空き家の利活用もしくは解体を検討している人は、チェックしてください。
空き家のリフォーム・改修に関する補助金
空き家のリフォーム・改修に関する補助金は次の通りです。
| 自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
|---|---|---|
| いわき市 | 空き家バンク活用支援事業 | 補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 須賀川市 | 空家リフォーム補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 ※長沼地区・岩瀬地区は上限100万円 |
| 白河市 | 空き家バンク改修等支援事業補助金 | 補助対象経費の2分の1かつ150万円 |
| 南相馬市 | 空き家利活用推進事業補助金 |
補助対象経費の6分の1かつ100万円 ※条件該当で最大25万円加算 |
| 伊達市 | 空き家改修等支援事業補助金 |
50万円 ※条件該当で100万円+過疎地域は最大20万円加算 |
| 二本松市 | 空き家改修助成金支給事業 | 補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 二本松市 | 住んでにほんまつ空き家対策総合支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ150万円 ※条件により最大60万円加算 |
| 田村市 | 空き家改修支援事業補助金 | 補助対象経費の2分の1かつ100万円 |
| 田村市 | 空き家改修支援事業補助金(県外移住者) | 補助対象経費の2分の1かつ250万円 |
| 相馬市 | 空き家改修等支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ150万円 ※条件により最大60万円加算 |
| 西郷村 | 空き家改修・除却等支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ150万円 ※条件により最大60万円加算 |
| 三春町 | みはるぐらし空き家改修等支援事業 | 補助対象経費の2分の1かつ150万円 |
| 棚倉町 | 空き家改修等支援事業 | 補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 鏡石町 | 空き家改修費補助事業 |
補助対象経費の2分の1かつ20万円 ※条件により各10万円加算 |
| 川俣町 | 空き家改修等支援金 | 250万円(うち30万円は自己負担) |
| 桑折町 | 空家改修等支援事業補助金 | 補助対象経費の2分の1かつ150万円 |
空き家の解体に関する補助金
空き家の解体に関する補助金は次の通りです。
| 自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
|---|---|---|
| 須賀川市 |
不良空家等解体補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 二本松市 |
住んでにほんまつ空き家対策総合支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ80万円 |
| 喜多方市 |
空き家等解体撤去促進補助金 |
補助対象経費の10分の1かつ15万円 |
| 田村市 |
空家等除却事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 西郷村 |
空き家改修・除却等支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ80万円 |
| 会津美里町 |
空家等除却推進事業補助金 |
特定空家・不良住宅:補助対象経費の80%かつ100万円 空家住宅等:80%かつ50万円 |
| 三春町 |
みはるぐらし空き家改修等支援事業 |
補助対象経費の2分の1かつ100万円 |
| 南会津町 |
危険空き家等除却事業補助金 |
原則:補助対象経費の2分の1かつ50万円 非課税世帯:3分の2かつ80万円 |
| 棚倉町 |
空き家改修等支援事業 |
対象経費の2分の1かつ10万円 |
| 川俣町 |
空家等除却事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 桑折町 |
空家等除却工事補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ30万円 |
空き家の取得に関する補助金
空き家の取得に関する補助金は次の通りです。
| 自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
|---|---|---|
| いわき市 |
空き家バンク活用支援事業 |
補助対象経費の2分の1かつ5万円 |
| 相馬市 |
空き家仲介手数料補助金 |
10万円 |
| 矢吹町 |
来て「やぶき」空き家取得支援金 |
補助対象経費の2分の1かつ40万円 ※条件該当で最大70万円(子育て世帯等加算あり) |
| 南会津町 |
(空き家バンク利用事業)定住促進すまいる補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 棚倉町 |
定住促進空き家取得補助事業 |
補助対象経費の2分の1かつ50万円 |
| 鏡石町 |
来て「かがみいし」住宅取得支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ10万円 ※条件該当で各10万円加算 |
空き家の家財処理に関する補助金
空き家の家財処理に関する補助金は次の通りです。
| 自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
|---|---|---|
| 白河市 |
空き家バンク改修等支援事業補助金 |
15万円 |
| 南相馬市 |
空き家利活用推進事業補助金 |
20万円 |
| 二本松市 |
住んでにほんまつ空き家対策総合支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ30万円 ※既存の空き家所有者、改修を伴わない場合は対象外 |
| 相馬市 |
空き家改修等支援事業補助金 |
30万円(既存の空き家所有者は対象外) ※条件により最大60万円加算 |
| 西郷村 |
空き家改修・除却等支援事業補助金 |
補助対象経費の2分の1かつ30万円 ※条件により最大60万円加算 |
| 三春町 |
みはるぐらし空き家改修等支援事業 |
補助対象経費の2分の1かつ20万円 |
| 鏡石町 |
空き家家財道具処分費補助事業 |
補助対象経費の2分の1かつ5万円 |
| 川俣町 |
空き家改修等支援金 |
50万円(自己負担5万円) |
その他の補助金
前述した補助金制度以外にも、福島県では次のような制度が公開されています。
| 自治体名 | 制度名 | 制度の内容 |
|---|---|---|
| 須賀川市 |
空家バンク登録奨励金 |
「須賀川市空家バンク」の登録を促進するため、空家バンクに登録した空家等の所有者に対して5万円を補助。 |
| 田村市 |
ふるさとUターン定住化促進事業補助金 |
県外から田村市への定住を促進することを目的とした補助金制度。Uターン定住者の引越し費用が対象で、補助金額は費用の2分の1かつ上限5万円。 |
補助金を受けるための流れと注意点
空き家の管理や解体には費用がかかるため、補助金制度の利用は所有者にとって大きなメリットがあるといえます。
しかし自治体が公開している制度はそれぞれ適用要件や必要書類が異なり、正しく理解して準備をしなければ補助金の交付を受けることができません。
そのため、補助金を利用するためにはまず自治体のHPで適用要件と必要書類を確認し、間違いなく利用できる状態にしておくことが重要です。
この章では補助金を受けるための代表的な流れと注意点について、解説します。
申請に必要な主な書類
補助金を申請するためには各自治体が指定する必要書類を全て用意する必要があります。
主に指定される書類は次のようなものがありますので、事前に準備しておくことをおすすめします。
- 指定様式の補助金交付申請書
- 建物の全部事項証明書
- 運転免許証
- 住民票
- 印鑑証明書
なお、上記以外にも不動産取得の補助金であれば売買契約書、リフォームの場合は建物の平面図や立面図が必要になるケースがあります。
必要書類によってはすぐに準備できないこともありますので、不明点があれば自治体に相談することがポイントです。
特に印鑑証明書は印鑑登録が必要となり必ず一度は市役所へ出向くことになりますので、注意が必要です。
なお、制度によっては工事完了後に実績報告書の提出を求められることもあります。
申請する上での注意点や落とし穴
空き家関連の補助金制度を利用するうえでよくある失敗事例として、必要書類の準備漏れがあります。
たとえばリフォームや解体関連の補助金制度では工事前の画像が必要書類となっており、必ず工事前に撮影しておく必要があります。
万が一取り忘れたまま工事してしまうと申請すらできなくなってしまいますので、業者に依頼するか自分で撮影することを覚えておかなければなりません。
このように必要書類や申請のステップを把握しないまま工事してしまい、補助金を受けられないという落とし穴がありますので、注意が必要です。
補助金以外で空き家問題を解決する方法
自治体が公開している補助金制度だけでは空き家問題を解決できるわけではなく、むしろ利用することで所有者にとってマイナスになることもあります。
そのため補助金制度を利用しない空き家問題の解決方法についても、知っておく必要があります。
この章で詳しく解説しますので、参考にしてください。
補助金だけでは難しいケースがある
補助金制度のほとんどはあくまでも費用の一部を補助する制度のため、自己負担がゼロになるわけではありません。
そのため空き家を活用する予定がない人にとって補助金制度はあまりメリットがないといえ、申請を見送る人も多いです。
また、制度を利用しようとしても用意する書類の取得が難しかったり手続きが複雑で諦めてしまうといったケースもあります。
申請方法や必要書類の準備については自治体で相談することができますので、制度を利用すべきかも含めてなるべく早く相談することが大切です。
空き家を売却する
空き家を自己利用したり活用する予定がないのであれば補助金を利用しても自己資金分が無駄になってしまいますので、補助金のメリットを活かせないことになります。
このようなケースであれば空き家を売却し、所有権を放棄してしまうのがおすすめです。
空き家を売却することで管理の手間や費用から解放されることになり、固定資産税や都市計画税といった税金の支払いも不要となります。
そのため空き家の活用方法について家族で相談し、売却しても問題なければなるべく早く不動産会社に相談することがポイントです。
なお、空き家の売却は仲介ではなく買取が向いています。
仲介は不動産会社に査定を依頼し、販売価格を設定したうえで買い手を募集します。
自由に販売価格と条件を設定できるのでイメージ通りの手残り額にできますが、買い手がいつ見つかるか分からないため空き家の状態によっては販売が長期化することも多いです。
一方、買取は不動産会社が直接買主となるため販売期間がほとんどなく、業者によっては1ヶ月以内に現金化することも可能です。
さらに建物の解体や測量、不用品の撤去をすることもなく、引渡し後の契約不適合責任も免責できるというメリットがあります。
仲介手数料もかかりませんので、売却の諸費用を抑えてスピーディーに売却したい人に向いている売却方法といえます。
関連記事:福島県の空き家・不用品買取業者おすすめ8選|売却相場やすぐに買い取ってもらうためのポイントを解説
空き家バンクを活用する
空き家バンクは各自治体が情報を把握し、提供している空き家等のポータルサイトです。
インターネットで物件情報を検索することができ、空き家を売りたい人や貸したい人は空き家バンクに登録して買い手や借り手を募集することになります。
一般的に不動産ポータルサイトと違って空き家に特化しており、費用もかかりません。
また、福島県の場合、制度によって空き家バンクに登録されている空き家を活用することで補助金額が増えることもありますので、補助金と併用したい場合でも空き家バンクは利用すべきといえます。
なお、空き家バンクは市税を滞納していないなど利用するための要件があります。
さらに撮影した画像や物件コメントに虚偽があると物件情報自体が削除されてしまうこともありますので、正しい情報を入力することが重要です。
空き家を活用する
空き家をリフォームして民泊として活用したり賃貸に出す方法は、空き家の代表的な活用方法です。
また立地が良く敷地が広ければ建物を解体して駐車場用地やコインランドリー、コンビニ用地として運用するという方法もおすすめです。
どちらの方法も安定した収入を得られる可能性がありますので、最適な活用方法について不動産会社に相談する所有者も多いです。
ただし賃貸や事業用地として活用すると一部の節税制度が受けられなくなるなどデメリットもありますので、将来売却する予定や相続する予定がある人は注意が必要です。
相続や贈与、自己利用する可能性があれば所有権を維持できる「活用」を選択し、可能性がなければ「売却」を選択することがおすすめです。
よくある質問とトラブル例
この章では空き家関連の補助金制度についてよくある質問とトラブル例を紹介します。
Q:補助金と売却、どちらが良いですか?
補助金と売却を検討する際には、空き家を将来にわたって活用するかどうかがポイントです。
たとえば自己利用や有効活用、相続などの予定がある場合は所有権を維持する必要がありますので補助金を利用し、費用を抑えるのがおすすめです。
一方、補助金だけで全ての費用を賄えるわけではありませんので、将来にわたって活用しないのであれば売却してしまった方が費用負担は減ります。
このように空き家を今後どのように取り扱っていくのかを家族で相談し、後悔のない選択をすることが重要です。
ただし補助金制度によっては補助金を利用しつつ売却することもできますので、できるだけ早く自治体に相談することも大切です。
Q:古い空き家や傷みがある空き家でも補助金は使えますか?
補助金制度は原則、家屋の状態に限らず申請することができますが、例外はあります。
たとえば家屋のリフォームや家財処理に関連する制度を受けるのであれば、建物が残っているのが前提条件です。
また建物が残っていて除却に関する制度を利用する場合、解体の工事車両が通過できる立地でなければ申請を受け付けてもらえません。
このように空き家の状態によっては申請が却下されることも少なくありませんので、申請前に自治体の担当者と一緒に現地確認することをおすすめします。
Q:補助金申請が難しそう…誰かに頼めますか?
リフォーム業者や解体業者が申請を代行することは可能ですが、所有者しか用意できない必要書類もありますので、注意が必要です。
Q:空き家を自治体に寄付できますか?
2025年時点で空き家の寄付を受け付けている自治体はありませんが、解体して更地にすることで一定の要件を満たせば、土地を国庫に帰属させられる制度はあります。
「相続土地国庫帰属制度」と呼ばれるこの制度は令和5年4月27日から開始されており、所有者不明の土地を発生させないことを目的としています。
土地の状況や要件によっては国庫帰属が認められる場合もありますので、自治体を通じて相談するのもおすすめです。
【参考サイト:法務省:相続土地国庫帰属制度について】
Q:住宅セーフティネット制度とは何ですか?
令和7年10月1日に改正住宅セーフティネット法が施行されました。
誰もが安心して賃貸住宅に居住できる社会の実現を目指して、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律となっており、全ての人が安全に暮らせる社会を実現することが目的となっています。
法律の施行を受けて空き家を賃貸住宅として活用する自治体も増えており、新しい空き家対策として注目されています。
【参考サイト:住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~ – 国土交通省】
まとめ
福島県では空き家対策の一環として補助金制度を公開していますが、自治体によって内容が異なり、必要書類や適用要件についても事前にチェックする必要があります。
また、補助金制度だけでは空き家問題を全て解決できるわけではなく、空き家の所有者は他の方法についても調べておくことをおすすめします。
自治体によっては空き家専門の窓口を開設していますので、開設していればできるだけ早くに相談し、適切な対応をするのがポイントです。










