広島県の空き家補助金を解説|解体・リフォームなどで活用!申請の流れや注意点も

広島県で使われていない空き家を所有しているものの、解体やリフォームの費用が負担となり、対応に困っていませんか。
実は、広島県の県内各市町村では、空き家対策を支援するさまざまな補助金制度が整備されています。こうした制度を活用すれば、費用負担を抑えて空き家のリフォームや解体を進めることができます。
ただし、補助金制度は種類が多く、申請手続きも煩雑なため、自分の状況に合う制度を見つけるのは簡単ではありません。
本記事では、広島県内で活用できる空き家補助金を「リフォーム」「解体」「取得」などの目的別に紹介し、申請の流れや注意点も詳しく解説します。
補助金以外の選択肢もあわせて取り上げますので、空き家の活用や処分に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
- 広島県が抱える空き家問題の現状
- 空き家の解体・リフォーム・取得などで使える広島県の補助金制度
- 補助金を申請する具体的な流れと事前に知っておくべき注意点
- 補助金以外の空き家問題の解決策
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広島県の空き家問題、現状は?
広島県では、全国平均を上回るスピードで空き家が増加しており、課題が深刻化しています。総務省の最新調査(2023年)によると、県内の空き家数は231,400戸、空き家率は15.8%と全国平均の13.8%を大きく上回ります。5年前と比べて15,000戸以上増えており、今も増加傾向が続いています。
背景には、人口減少や高齢化の進行があります。特に、相続した実家が遠方にあって管理が難しい、買い手が見つからないといった理由から、住まれないまま放置されている住宅が増えています。
【参考:令和5年住宅・土地統計調査 】
【参考:広島県空き家対策対応指針】
空き家問題解決策のひとつ「補助金制度」
空き家の増加に対応するために、国や広島県、県内各市町村では補助金を含む支援制度を整備しています。中でも、所有者が直接活用できるのが「補助金制度」です。
この制度は、空き家の解体やリフォームにかかる費用の一部を行政が補助し、空き家の適切な管理や活用を促進することを目的としています。費用面の不安から対応を先送りにしていた所有者にとって、大きな支援となる仕組みです。
最大のメリットは、解体や改修にかかる高額な費用の自己負担を大幅に軽減できる点です。たとえば、数百万円にのぼる工事費の一部が補助されれば、対策に踏み出しやすくなります。
補助金制度の活用は、コストを抑えながら空き家問題を解決する重要な手段のひとつとなります。
広島県で使える空き家関連補助金
広島県内では、老朽化した空き家のリフォームや改修に使える補助金制度が各市町村で整備されています。
まずは、所有する空き家の所在地にどのような制度があるかを確認することが大切です。
本章では、目的別に代表的な補助金制度を紹介します。
空き家のリフォーム・改修に関する補助金
老朽化した空き家のリフォームや改修に対して、広島県内の多くの市町村が補助金制度を設けています。
特に、市外からの移住者や子育て世帯の定住を促す目的で支援が充実しており、「空き家バンク」登録物件の利用が補助対象となるケースが目立ちます。
補助上限額は30万~50万円が一般的ですが、竹原市や三次市では条件を満たせば最大100万円まで支給される制度もあります。
以下の表で、代表的な制度を目的や条件ごとに紹介しますので、ご自身の空き家の状況に合わせてご確認ください。
なお、補助金制度は予算の都合などにより終了している場合もあるため、最新の情報は必ず各自治体の公式サイトなどでご確認ください。
市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額 | 主な条件 |
---|---|---|---|
広島市 | 住宅団地における住替え促進事業(広島市子育て世帯住替え促進リフォーム費補助) | 50万円 |
・指定された169の住宅団地内の空き家に入居する子育て世帯(小学生以下の子どもがいる)、またはその所有者 ・3ヶ月以上居住されていない戸建て住宅 ・20万円以上のリフォーム工事 ・2年以上の継続居住、地域活動への参加意思が必要 |
竹原市 | 竹原市空き家改修移住・定住支援事業 | 新婚・子育て世帯等:100万円 その他世帯:50万円 |
・申請時に継続して1年以上竹原市外に住んでいる、または竹原市に転入する直前まで継続して1年以上市外に住んでいた人 ・空き家を取得してから6ヶ月以内であること(ただし、3親等以内の親族からの取得は対象外) ・10年以上居住する意思があること(満たない場合は補助金返還の可能性あり) ・世帯全員の市税等に滞納がないこと |
三原市 | 空き家改修等支援事業補助金 | 30万円 |
・空き家バンク登録物件を購入または賃借する市外からの移住者(移住後1年以内も可) ・10年未満で転出した場合は返還義務あり |
尾道市 | 空家等改修支援事業 | 30万円 |
・市外居住者、または転居後に現住居が空き家にならない市内居住者 ・空き家バンクに登録され、1年以上利用されていない住宅 ・所有者の3親等以外の者が10年以上定住する見込みがあること |
福山市 | 空家リノベーション事業 | 新婚・子育て世帯: 50万円 移住・定住者: 30万円 (親世帯との同居・近居で10万円加算) |
・市内の空き家を取得または賃借して居住する新婚世帯、子育て世帯、移住者、定住者 ・1年以上居住者がいない耐震性を有する空き家 ・移住者は10年以上、その他は5年以上の居住義務あり |
府中市 | 府中市空き家再生・活用補助金 | 30万円 |
・空き家バンク登録物件を購入または賃借した18歳以上の者 ・主要構造部の改修、または起業準備の経費 ・5年以上の定住または活用意思、市内業者の利用が必要 |
三次市 | 空き家バンク改修補助金 | 基本額50万円(世帯員の年齢構成により最大100万円まで加算) |
・空き家バンクを通じて物件を購入し定住する市外在住者 ・対象工事: 市内業者が施工する増改築、修繕等 |
東広島市 | 空家住宅等改修支援事業 | 50万円 (人口減少地域では30万円上乗せの場合あり) |
・対象者: 空き家バンク等を通じて1年以上空き家の物件を購入または賃借し居住する者 ・3年以上の居住義務あり |
廿日市市 | 廿日市市空き家活用支援補助金(改修費・自己改修材料費) | 改修費: 40万円 (若年・子育て世帯は最大60万円) 自己改修材料費: 10万円 |
・所有者、購入者、または賃借する個人 ・対象物件: 市街化区域外にある空き家バンク登録物件等 ・3年間の解体・転売制限あり |
安芸高田市 | 安芸高田市空き家改修補助金 | 若者: 80万円 一般: 50万円 |
・空き家情報バンク登録物件の所有者・利用者、または定住目的で自己か3親等内の親族が所有する空き家を改修する者 |
江田島市 | 空き家修繕補助 | 30万円 |
・空き家に居住予定の者、または新たに空き家バンクへ登録する者 ・補助率: 3/10 ・市内業者の利用が必要 |
江田島市 | DIY用具・材料購入補助 | 5万円 |
・空き家を購入または借り受けてDIYで修繕する市内在住者 ・その他: 市内事業者からの購入が対象 |
神石高原町 | 空き家及び住宅改修補助金交付事業 | 50万円 |
・18歳以上65歳未満の新規転入者、新婚世帯、空き家バンク利用者 ・50万円以上の改修工事 ・その他: 10年以上の定住が条件(違反時は返還義務あり) |
空き家の解体に関する補助金
老朽化し、倒壊の恐れがある空き家を対象に、解体費用を補助する制度も各市町村で整備されています。
多くの解体補助金制度では、単に築年数が古いという理由だけでは対象にならず、市の調査で「老朽危険空家」や「特定空家等」と認定された建物であることが求められます。
そのため、申請を進めるには、まず自治体に事前調査を依頼し、空き家が危険と判断される必要があります。
以下に、各市町村の主な制度をまとめましたので、解体を検討する際の参考にしてください。
市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額 | 主な条件 |
---|---|---|---|
広島市 | 広島市老朽危険空家等除却補助制度 | 50万円 |
・危険度評価100点以上で、道路に近接し危険性が高い戸建住宅 ・除却費の1/3と標準除却費のいずれか低い額 ・毎年5月中旬から下旬の短期間に申込受付、多数の場合は抽選 |
呉市 | 呉市危険建物除却促進事業 | 30万円 (最大50万円) |
・市の調査により「危険建物」と認定された住宅 ・補助率: 30% ・予算がなくなり次第終了 |
竹原市 | 竹原市特定空家等及び不良空き家除却支援事業 | 最大100万円 (課税状況等による) |
・「特定空家等」または「不良空き家」と判定されたもの ・課税状況や危険度に応じ補助率は4/5, 1/2, 1/3と変動 |
三原市 | 三原市老朽危険空き家除却事業補助金交付制度 | 50万円 |
・危険度評点150点以上の「老朽危険空き家」 ・事前の「老朽危険空き家事前調査」の申込みが必要 |
福山市 | 空家除却支援事業補助 | 50万円 |
・「危険家屋」または「特定空家等」として認定された空き家 ・補助率: 特定空家は1/2、危険家屋は1/3 |
府中市 | 府中市老朽危険空き家解体促進事業補助金 | 30万円 |
・事前調査で「老朽危険空き家」と判定された木造空き家 ・手続き: 事前に「老朽危険空き家事前調査申請書」の提出と判定が必要 |
大竹市 | 大竹市特定空家等及び不良空き家除却補助事業 | 50万円 |
・対象物件: 「特定空家等」に認定されている建物 ・補助率: 4/5 |
東広島市 | 老朽危険空家住宅等解体除却事業 | 50万円 |
・対象物件: 不良度判定基準で100点以上の、倒壊の危険性が高い空き家 ・事業完了後5年間は関連書類の保存義務あり |
安芸高田市 | 安芸高田市空き家解体事業補助金 | 30万円 |
・事前審査で不良度判定100点以上とされた木造住宅 ・事前に判定依頼書を提出し、判定を受ける必要がある |
神石高原町 | 空家解体撤去事業補助金 | 50万円 |
・築35年以上経過し、5年以上居住されていない個人の所有物 ・町内の建設業者が行う解体撤去工事 |
空き家の取得に関する補助金
空き家を購入し、新たな生活拠点とする方向けに、広島県内では多くの市町村が取得補助金制度を整備しています。
特に、市外からの移住者や、子育て・新婚・若者世帯の定住を後押しする目的で、支援額が比較的高く設定されているのが特徴です。呉市や三原市、神石高原町などでは、100万円を超える補助を受けられる制度もあります。世帯条件によって加算される仕組みも一般的です。
以下に、各市町村の代表的な制度をまとめました。空き家購入を検討している方は参考にしてください。
市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額 | 主な条件 |
---|---|---|---|
呉市 | 呉市移住希望者住宅取得支援事業 | 最大100万円 (基本50万円、購入費の1/2。新婚・子育て世帯等で加算あり) |
市外からの移住者が戸建て中古住宅を購入・居住すること |
三原市 | 三原市ファーストマイホーム応援事業補助金 | 100万円 (住宅取得費の: 1/10以内) |
40歳未満の夫婦または子育て世帯が市内で住宅を新規取得すること (空き家バンク物件も対象) |
尾道市 | 子育て世帯等中古住宅取得支援事業 | 移住者: 50万円 市内在住者: 30万円 (親世帯との同居・近居で10万円加算) |
・中学生以下の子を持つ、または夫婦合計80歳以下の世帯であること ・5年以上の定住が必要 |
庄原市 | 庄原市定住促進奨励金(中古住宅取得) | 40万円 (子育て・転入者加算あり) |
・10年以上の定住意思をもって市に転入し、住宅を取得すること ・住宅改修補助と併用可能 |
廿日市市 | 廿日市市佐伯地域吉和地域定住促進補助金 | 吉和地域: 90万円 佐伯地域: 60万円 (子の年齢により加算あり) |
・市外から佐伯・吉和地域へ定住目的で中古住宅を購入・転入する子育て世帯等であること |
府中市 | 空き家リバイバルプロジェクト(利活用)補助金 | 250万円 | ・空き家を地域活性化事業(滞在体験施設等)に10年以上活用すること、改修費に加え建物取得費も対象 |
江田島市 | 空き家購入補助 | 30万円 (購入費用の3/10) |
市内の空き家を利活用(居住含む)目的で購入すること |
世羅町 | 移住者等住宅支援事業 | 60万円 (45歳未満の移住者世帯は奨励金20万円加算) |
・空き家バンク登録物件を購入する移住者、または世帯員全員が45歳未満の町内在住者であること ・10年以上の定住意思が必要 |
神石高原町 | 子育て応援住宅等取得支援事業補助金 | 150万円 | 子育て・新婚・新規転入世帯等であること |
空き家の家財処理に関する補助金
空き家の売却や賃貸を進める上で、室内に残る家具や生活用品などの「残置物」は大きな課題のひとつです。こうした家財の処分費用を補助する制度も、多くの市町村で整備されています。
家財処分に関する補助金は、単なる片付け支援ではなく、空き家の流通を促すための仕組みとして設けられているのが特徴です。
多くの場合、補助を受けるには処分後に空き家バンクへの登録が条件となります。
以下の表に主な制度をまとめましたので、売却や賃貸と合わせて検討してください。
市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額 | 主な条件 |
---|---|---|---|
呉市 | 呉市空き家家財道具等処分支援事業 | 10万円 (補助率: 1/2) |
・市内の戸建て空き家所有者等であること ・処分後に空き家バンク登録または媒介契約の締結が必須 ・事前申請が必要 |
竹原市 | 竹原市空き家家財道具等処分支援事業 | 10万円 |
・空き家の所有者または3親等内の親族であること ・処分後に2年以上の空き家バンク登録または媒介契約の締結が必要 |
三原市 | 三原市空き家改修等支援事業補助金(家財整理費) |
中山間地域: 20万円 (補助率: 2/3) それ以外: 5万円 (補助率: 1/2) |
・処分後に2年以上空き家バンクに登録し、売買・賃貸の意思がある所有者であること |
尾道市 | 空き家家財道具等処分支援事業 | 20万円 |
・空き家バンクに登録申請中の空き家所有者であること ・処分後、2年間はバンク登録を抹消しないこと(成約時を除く) |
東広島市 | 空家住宅等家財撤去支援事業 | 10万円 | ・東広島市空き家バンクに登録・事前登録された空き家の所有者又は当該空き家を自ら居住する目的で購入または賃借する人 |
廿日市市 | 廿日市市 廿日市市空き家活用支援補助金(家財整理) | 20万円 | ・市街化区域外にある空き家バンク登録物件等の所有者または活用予定者であること |
庄原市 | 庄原市空き家家財道具等処分支援補助金 | 10万円 |
・家財処分した空き家を空き家バンクに登録する(または登録済みの)所有者であること ・処分完了後に申請 |
江田島市 | 空き家家財等処分補助 | 5万円 |
・市内に事務所のある一般廃棄物処理業者を利用すること ・市税等に滞納がないこと |
安芸太田町 | 空き家バンク家財等処分補助金 | 20万円 |
・空き家の売買や賃貸等を目的とし、家財道具等の処分権限を持つ所有者であること ・補助対象の空き家を2年以上継続して空き家バンクに登録する意思があること ・町税等の滞納がないこと |
世羅町 | 世羅町空き家バンク登録促進事業 | 10万円 (補助率: 2/3) |
・空き家バンクに登録する(または登録済みの)所有者であること ・バンク登録後2年以内に登録を取り下げないこと |
その他の補助金
リフォームや解体、取得といった基本的な支援以外にも、空き家に関した補助制度が一部の自治体で用意されています。
たとえば、相続登記にかかる費用を補助する制度、町内会などの団体が地域活性化を目的に空き家を活用する際の支援、解体後の土地管理に使える補助金などがあります。
以下に、こうした補助制度をまとめました。活用できそうなものがないか、ご自身の状況と照らして確認してください。
市町村名 | 補助金制度名 | 補助上限額 | 主な条件 |
---|---|---|---|
東広島市 | 空家住宅等登記支援事業 | 10万円 | ・空き家バンク等に登録された、相続・表示登記が未了の空き家の登記費用を補助 |
廿日市市 | 廿日市市空き家活用支援補助金(手続きなど) | 10万円 | ・空き家バンク登録物件等の相続登記関係の整理費用を補助、申請は所有者限定 |
江田島市 | 空き家相続登記等補助 | 5万円 | ・相続登記及び未登記空き家の登記費用を補助 |
広島市 | ” まるごと元気” 地域コミュニティ活性化補助 | 50万円 | ・町内会等が空き家を活用し住民の交流拠点を作る際の、リフォーム・家財処分・備品購入費用を助成 |
東広島市 | 空き家再生・活用支援事業 | 300万円 | ・地域課題解決のための施設(高齢者サロン等)として空き家を改修する場合に補助 |
福山市 | 福山市空家等地域活性化推進事業補助 | 45万円 | ・学区(町)まちづくり推進委員会が主体となり、地域活性化のため空き家等を改修・活用する事業を支援 |
三次市 | 移住者住宅取得奨励金 | 15万円 (奨励金) | ・空き家バンク改修補助を利用しない移住者が中古住宅を取得した場合に交付 |
江田島市 | 除却跡地適正管理補助 |
舗装: 上限10万円 苗木: 定額3万円 |
・空き家除却後の跡地にオリーブ等の苗木植樹や舗装を行う場合に補助 |
補助金を受けるための流れと注意点
補助金を申請するには、所定の手順に従って審査を受ける必要があります。多くの自治体で流れは共通していますが、細かなルールは制度ごとに異なります。
スムーズに手続きを進めるには、必要書類や注意点を事前に把握しておくことが大切です。
申請に必要な主な書類
補助金申請に必要な書類は制度ごとに異なりますが、代表的なものは以下のとおりです。
- 交付申請書:自治体が指定する様式の申請書
- 事業計画書:工事の目的や内容を記載したもの
- 工事見積書:解体やリフォームを依頼する業者が発行
- 現況写真:工事前の建物の状況を示す写真
- 登記事項証明書:法務局で取得し所有者を証明
- 本人確認書類や住民票:運転免許証のコピーや住民票
- 納税証明書:市税を滞納していないことを証明
- その他:相続人が申請する場合は戸籍謄本、共有物件は所有者全員の同意書など
これらは一例です。実際の申請では必ず募集要項を確認し、必要な書類を整理して準備しましょう。
申請する上での注意点や落とし穴
補助金申請では、注意を怠ると補助対象外となる場合があります。
特に以下のポイントは、事前に確認しておきましょう。
・交付決定前の契約・着工は不可:
多くの補助金制度では、自治体から「交付決定通知書」が発行される前に業者と契約・着工すると補助対象外となります。必ず正式な決定を受けてから工事を始めましょう。
・申請期間と予算枠に注意:
補助金には申請期間があり、期限を過ぎると受け付けられません。また、予算上限に達した時点で終了する制度も多いため、早めの準備が重要です。
・業者の要件を事前確認:
「市内業者限定」など、制度によっては施工業者に条件が設定されている場合があります。見積もり依頼の前に確認しましょう。
・税金の滞納があると申請不可:
住民税や固定資産税に未納がある場合は申請できません。事前に納付状況を確認し、完納しておきましょう。
・申請しても必ず採択されるとは限らない:
書類審査の結果、不採択となるケースもあります。老朽危険空き家の補助金などは、申込が多数となった場合は抽選になることもあるため、注意が必要です。
補助金以外で空き家問題を解決する方法
補助金は空き家対策の有効な手段ですが、万能ではありません。状況によっては、補助金の利用が難しいケースもあります。
本章では、補助金以外の選択肢として「売却」「空き家バンクの活用」「自分での活用」の3つを紹介します。
補助金だけでは難しいケースがある
補助金の活用が難しい代表的なケースは、以下の通りです。
・自己負担分の費用を用意できない:
補助金はあくまで一部補助のため、残りは自己負担が必要です。補助率が1/2であれば半額は自己負担となるため、その分を捻出できなければ利用は現実的とは言えません。
・申請の手間や時間が負担になる:
多くの制度では書類作成や自治体とのやり取りが必要で、時間と労力がかかります。遠方に住んでいる方や多忙な方にとっては、大きな負担になりがちです。
・空き家を活用する予定がない:
相続で取得したものの、自宅から遠く活用の見込みがない空き家は、費用をかけてリフォームしても意味が薄く、管理の負担だけが残ります。
こうした場合は、空き家を持ち続けること自体を見直し、別の選択肢を検討することが現実的です。
空き家を売却する
管理の手間や将来的なリスクから解放されたい場合は、「売却」が最も直接的かつ確実な方法です。売却すれば、固定資産税などの維持費も不要となり、老朽化や特定空き家の指定リスクも回避できます。
売却には「仲介」と「買取」の2つの方法があります。
・仲介:不動産会社に依頼し、購入希望者を探す方法。時間はかかりますが、市場価格に近い金額で売れる可能性があります。
・買取:不動産会社が直接買い取る方法。価格は仲介より低くなりやすい一方、早期の現金化が可能で、残置物がある物件も対象になることがあります。
特に、築年数が古い、荷物が多い、権利関係が複雑など、一般の買い手が敬遠しがちな物件には、専門の買取業者への相談が有効です。
「空き家パス」では、再建築不可や市街化調整区域など、他社で断られがちな物件でも現状のままで査定・買取に対応しています。
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空き家バンクを活用する
「売却するほどではないが誰かに使ってほしい」と考える場合は、空き家バンクの活用も有効です。
空き家バンクは市町村が運営し、「売りたい・貸したい人」と「買いたい・借りたい人」の情報を登録・マッチングする制度です。
自治体が関与するため安心感があり、利用者向けにリフォーム補助金が用意されているケースも多く、成約につながる可能性もある点が特徴です。
ただし、自治体は契約交渉に関与しないため、話が進んでも調整は当事者同士で行う必要があります。また、登録してもすぐに希望者が現れるとは限らないため、注意が必要です。
空き家を活用する
立地や建物に一定の魅力がある空き家であれば、自身で収益化を目指す「活用」も選択肢のひとつです。
・賃貸物件として貸し出す
リフォーム後にアパートや戸建てとして賃貸に出す方法です。家賃収入が見込めますが、入居者募集や管理の手間、空室リスクを考慮する必要があります。
・民泊やシェアハウスにする
観光地や都市部などでは、民泊やシェアハウスとして活用する方法もあります。改修費用は大きくなりがちですが、ニーズに合えば高い収益が期待できます。
・更地にして活用する
建物を解体し、駐車場や資材置き場として貸し出す方法です。管理の手間は減りますが、住宅用地の特例が外れるため、土地の固定資産税が上がる点には注意が必要です。
いずれの方法も、初期費用や運営の手間がかかります。無理のない収支計画を立て、必要に応じて専門家に相談するなど、慎重に判断しましょう。
よくある質問
最後に、空き家の補助金や処分に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q:補助金と売却、どちらが良いですか?
A:空き家を補助金で活用するか売却するかは、「今後その空き家をどうしたいか」によって判断が分かれます。
将来的に住む予定がある、またはリフォームして賃貸物件として活用したい場合は、補助金の活用が適しています。費用の負担を軽減しながら、空き家を資産として再生できます。
一方で、活用の予定がなく、管理や維持費の負担を解消したい場合は、売却が現実的な選択肢です。
まずは自身のライフプランを見直し、空き家を「残すのか手放すのか」の方針を明確にすることが重要です。
Q:古い空き家や傷みがある空き家でも補助金は使えますか?
A:はい、利用できます。多くの自治体で、古い空き家も対象とした補助制度が設けられています。
リフォーム補助は、古い空き家の有効活用を促すことを目的としており、多くの場合で築古物件が対象です。
解体費用に関する補助制度では、「老朽危険空き家」と判定された建物が対象になることが一般的です。倒壊の恐れがある場合や、劣化が著しい建物ほど補助の必要性が高いと判断されます。
自治体によっては、現地調査を行い危険度を評価したうえで、補助の可否を決定する場合もあります。
なお、補助制度にはそれぞれ異なる要件が設けられているため、申請を検討する際は必ず各自治体の窓口で詳細を確認してください。
Q:空き家を壊すのにかかるお金は?
A:空き家の解体費用は、構造や大きさ、立地条件などによって異なります。
一般的な木造住宅の場合、1坪あたり3万~5万円が相場とされており、延床面積が30坪であれば、解体費用は90万~150万円程度になると考えられます。
ただし、以下のような条件があると費用がさらに上がることがあります。
・重機が入れないほど道路が狭い場合
・アスベスト(石綿)を含んでおり、除去作業が必要な場合
・庭木やブロック塀、浄化槽の撤去も同時に行う場合
・室内に大量の残置物がある場合
正確な費用を把握するためには、複数の解体業者に見積もりを依頼し、内容や金額を比較することが大切です。
Q:空き家を解体すると固定資産税はどうなる?
A:建物を解体して更地にすると、土地の固定資産税が上がる可能性があります。
これは「住宅用地の特例」が、住宅が建つ土地に限り適用され、税額が最大6分の1に軽減されているためです。
解体によって特例の対象外となると、土地の税額が本来の水準に戻り、結果として税負担が数倍に増えるケースもあります。
建物分の固定資産税はなくなりますが、土地の税額上昇によって総額が増えることも少なくありません。
解体を判断する際は、工事費用だけでなく、税負担の変化も踏まえて検討することが大切です。
まとめ
本記事では、広島県で利用できる空き家補助金制度の概要や申請時の注意点、売却という選択肢について解説しました。
空き家を放置すると、固定資産税の増額や老朽化リスクが高まります。
解体やリフォームを検討している場合は、補助金制度を活用することで費用を抑えられます。ただし、交付決定前の契約・着工は補助の対象外となるため、申請タイミングに注意が必要です。
活用予定がない空き家は、管理負担や維持費を手放す手段として「売却」も有効な選択肢です。
「補助金の自己負担が重い」「手続きが煩雑」「遠方で活用できない」そうした方には、スムーズな売却が現実的な解決策となります。
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