兵庫県の空き家補助金を解説|解体・リフォームなどで活用!申請の流れや注意点も

兵庫県には神戸市や西宮市など日本を代表する都市部がある一方で、海や山といった自然溢れるエリアもあります。
そのため様々なニーズに対応できる不動産が公開されており日々取引されていますが、築年数の古い一戸建てやマンションなどは買い手が見つからず販売が長期化することも少なくありません。
特に郊外にある空き家は長年放置されているケースも多く、兵庫県では大きな課題となっています。
このような空き家問題に対処すべく、建物の解体工事やリフォーム工事、空き家の取得などについて補助金制度が公開されており、有効活用することで空き家の売買に係る費用を抑えることができます。
この記事では兵庫県の自治体が公開している補助金制度について、補助金額の上限や補助率を紹介します。
補助金以外で空き家問題対策に使える方法やよくある質問についても解説しますので、空き家活用で悩んでいる所有者は参考にしてください。
- 兵庫県の空き家問題
- 兵庫県で使える空き家関連補助金制度
- 補助金を受けるための流れと注意点
- 補助金以外の空き家対策
- よくある質問とトラブル例
補助金の活用とあわせて、空き家の売却も重要な選択肢のひとつです。
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兵庫県の空き家問題、現状は?
令和5年住宅・土地統計調査によると、兵庫県内の空き家数は約39万戸となっており、今後も増加する可能性が高いことが分かっています。
管理されていない空き家は害虫や害獣の温床になりやすく、犯罪の拠点に利用されてしまうこともあります。
また自然災害によって家屋やブロック塀などが倒壊し、近隣住民に被害が発生することも考えられます。
このように空き家は放置しておくと治安の悪化や近隣住民の安全性に大きな影響を及ぼしてしまうことから、兵庫県では様々な空き家対策が講じられています。
こうした空き家の増加は兵庫県だけでなく全国的な問題となっており、平成26年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、危険な家屋の所有者に対して自治体が管理について指示や勧告ができるようになりました。
自治体の勧告に従わなければ空き家の強制解体や固定資産税の優遇措置撤廃といった措置を講じられる可能性があることから、空き家は所有しているだけで大きなリスクになります。
つまり、空き家の増加は自治体だけの問題ではなく空き家の所有者も対策を講じなければならない問題だといえます。
【参考サイト:兵庫県/空き家対策の推進】
空き家問題解決策のひとつ「補助金制度」
空き家問題を解決する一つの方法として、兵庫県では補助金制度が公開されています。
空き家の除却や活用を希望する所有者が対象となり、自治体に申請書を提出して協議を受けることで補助金交付の判断を仰ぐことができます。
補助事業によっては申請内容のチェックや工事の実績報告書が必要になるなど準備物が異なりますので、利用したい補助金制度の補助対象や要件については事前に細かく確認しておくことをおすすめします。
兵庫県で使える空き家関連補助金
この章では兵庫県の自治体が公開している補助事業について、制度名と補助額の上限を紹介します。
なお、兵庫県では自治体とは別に「空き家活用支援事業」を実施しており、追加予算により令和7年7月から受付を再開しています。
神戸市、姫路市、尼崎市、西宮市、明石市以外の区域かつ市街化区域外に空き家がある場合に利用でき、予算上限に達した時点で終了となるため早めにチェックしておきたい制度です。
概要は下記の通りです。
区分 | 内容 |
---|---|
対象となる住宅等 |
・一戸建てまたは共同住宅の空き住戸で、申請時点で空き家であること ・空き家の期間が6箇月以上であること ・築20年以上経過したもの ・台所、浴室、便所の水回り設備のいずれかが10年以上更新されていないこと ・耐震性能を有する空き家(改修後に一定の耐震性を確保する場合も可) ・土砂災害特別警戒区域、災害危険区域等に位置していないこと |
補助対象者 |
・空き家を住宅、事業所又は地域交流拠点として活用するために改修する人 ・改修後10年以上住宅等として活用すること |
補助対象経費 |
・改修工事費 ・事務機器取得費 |
工事費用 | 一般世帯 | 若者世帯 | 子育て世帯 | U・J・Iターン世帯 | 学生シェアハウスタイプ |
---|---|---|---|---|---|
100万円未満 | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 対象外 |
100~150万円 | 40万円 | 60万円 | 60万円 | 60万円 | 60万円 |
150~200万円 | 60万円 | 85万円 | 85万円 | 85万円 | 85万円 |
200~250万円 | 75万円 | 110万円 | 110万円 | 110万円 | 110万円 |
250~300万円 | 90万円 | 135万円 | 135万円 | 135万円 | 135万円 |
300~350万円 | 100万円 | 150万円 | 150万円 | 160万円 | 150万円 |
350~400万円 | 100万円 | 150万円 | 150万円 | 185万円 | 150万円 |
400万円以上 | 100万円 | 150万円 | 150万円 | 200万円 | 150万円 |
空き家のリフォーム・改修に関する補助金
空き家のリフォーム・改修に関する補助金は次の通りです。
自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
---|---|---|
神戸市 | 空家活用応援制度 | 対象工事費用の50%かつ200万円。 |
姫路市 | 空き家改修支援事業 | 対象工事費用の3分の2かつ200万円。 |
尼崎市 | 空家改修費補助事業 | 対象工事費用の2分の1かつ50万円。 |
子育てファミリー世帯及び新婚世帯向け空家改修費補助事業 | 戸建住宅及び長屋住宅:対象工事の3分の2かつ100万円。 長屋住宅及び共同住宅:対象工事の3分の2かつ200万円。 |
|
明石市 | 住宅リフォーム助成事業 | 対象工事費用の10%かつ10万円。 |
加古川市 | 空き家活用改修費補助制度 | 対象工事費用の3分の1かつ50万円。 |
三田市 | 空き家リフォーム補助事業 | 若年・子育て世帯居住型:対象工事費用の50%かつ100万円。 UJIターン居住型:対象工事費用の50%かつ100万円。 地域交流拠点型:対象工事費用の50%かつ200万円。 |
芦屋市 | 空き家活用支援事業補助金 |
【住宅型:一般世帯】 100~150万円:40万円。 150~200万円:60万円。 200~250万円:75万円。 250~300万円:90万円。 300万円以上:100万円。 【住宅型:若者・子育て世帯】 【事業所型】 【地域交流型】 |
高砂市 | 空き家活用支援事業 | 一般タイプ:対象工事費用の50%かつ150万円。 若者・子育て支援タイプ:対象工事費用の3分の2かつ200万円。 |
丹波市 | 空き家利活用促進事業補助金 | 対象工事費用の50%かつ50万円。 |
南あわじ市 | 定住促進空き家活用支援事業補助金 | 対象工事費用の3分の1かつ100万円。 |
丹波篠山市 | 空き家バンク活用住宅改修補助金 | 対象工事費用の50%かつ50万円。 |
住まいの耐震化促進事業 | 計画策定費用は3分の2かつ20万円。工事費用は5分の4かつ100万円。 | |
宍粟市 | 空き家改修費用の助成 | 空き家バンク登録物件の場合:対象工事費用の3分の1かつ50万円。 媒介契約を締結した物件の場合:対象工事費用の3分の1かつ25万円。 |
朝来市 | 住宅リフォーム助成事業 | 対象工事費用の10%かつ20万円。 |
相生市 | 空家活用支援事業 | 住宅:対象工事費用の25%かつ75万円。 若者世帯、転入世帯の住宅:対象工事費用の3分の1かつ100万円。 事業所:対象工事費用の25%かつ1,125,000円。 地域交流地点:対象工事費用の25%かつ250万円。 |
養父市 | やぶの空き家活用支援事業 | U・Iターン者:対象工事費用の50%かつ50万円。 その他の世帯:対象工事費用の3分の1かつ100万円。 |
空き家の解体に関する補助金
空き家の解体に関する補助金は次の通りです。
自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
---|---|---|
神戸市 | 老朽空家等解体補助制度 | 80㎡以上の住宅:60万円。 3戸以上の寄宿舎または共同住宅かつ延床面積160平方メートル以上:100万円。 |
姫路市 | 老朽空家対策補助金交付制度 | 自治会型:経費の2分の1かつ100万円。 個人型:経費の3分の1かつ50万円。 |
西宮市 | 改修工事等の費用を一部補助 | 対象工事費用の80%かつ120万円。 |
尼崎市 | 特殊空家に係る除却費補助金 | 同一の所有者による長屋住宅及び共同住宅:対象工事費用の3分の2かつ50万円/戸もしくは150万円の低い方。 切離しを伴う長屋住宅:対象工事費用の3分の2かつ70万円。 上記以外:対象工事費用の3分の2かつ50万円。 |
加古川市 | 隣接空き家一体利用除却補助制度 | 対象工事費用の20%かつ25万円。 |
芦屋市 | 老朽危険家屋等解体補助金制度 | 除却に要した額もしくは町が定める基準額のうち低い方の50%かつ100万円。 |
三木市 | 特定空家等除却費補助制度 | 対象工事費用の50%かつ100万円。 |
たつの市 | 空き家を解消するために隣接する土地・空き家を取得する際の支援 | 対象工事費用の50%かつ50万円。 |
丹波市 | 老朽危険空き家解体撤去支援事業補助金 | 判定基準で100点以上の場合:対象工事費用の80%かつ160万円。 50点以上100点未満の場合:対象工事費用の25%かつ50万円。 附属建物で判定基準50点以上の場合:対象工事費用の20%かつ20万円。 自治会等が実施する場合:50万円。 |
赤穂市 | 危険空家除却費補助金交付要綱 | 対象工事費用の50%かつ100万円。 |
淡路市 | 危険空き家除却支援事業 | 工事費用が200万円以上:133万円。 工事費用が200万円未満:対象工事費用の3分の2。 |
洲本市 | 危険空き家除却支援事業 | 住宅通常型:対象工事費用の3分の2かつ133.2万円。 住宅以外の通常型:対象工事費用の3分の1かつ30万円。 公共・公益用地等活動型:対象工事費用の3分の2かつ133.2万円。 |
加東市 | 老朽空家除却支援事業補助金 | 対象工事費用の6分の1かつ333,000円。 |
宍粟市 | 特定空き家等の除却費用を助成 | 対象工事費用の3分の2かつ1,332,000円。 |
朝来市 | 老朽空家解体補助金 | 不良住宅・準不良住宅:対象工事費用の3分の2かつ1,332,000円。 破損空家:対象工事費用の20%かつ40万円。 |
相生市 | 老朽危険空家除却支援事業 | 対象工事費用の6分の1かつ333,000円。 |
空き家の取得に関する補助金
空き家の取得に関する補助金は次の通りです。
自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
---|---|---|
川西市 | 新築住宅や中古住宅の取得費用などを補助 | 25万円。 |
加西市 | 若者定住促進住宅補助制度 | 借入額の5%かつ50万円。 |
養父市 | やぶ暮らし住宅支援制度 | 空き家の延べ床面積に2,000円/㎡を掛け合わせた額かつ30万円。 |
空き家の家財処理に関する補助金
空き家の家財処理に関する補助金は次の通りです。
自治体名 | 制度名 | 補助金の上限額 |
---|---|---|
神戸市 | 空家活用応援制度 | 対象工事費用の50%かつ200万円。 |
三田市 | 空き家バンク登録促進補助金 | 費用の50%かつ10万円。 |
たつの市 | 空き家家財道具等撤去費支援事業 | 費用の50%かつ10万円。 |
丹波市 | 老朽危険空き家解体撤去支援事業補助金 |
判定基準で100点以上の場合:費用の80%かつ160万円。 判定基準で50点以上100点未満の場合:費用の25%かつ50万円。 空き家と同一敷地内附属建物で判定基準50点以上の場合:費用の20%かつ20万円。 自治会等が自ら実施する場合:50万円。 |
南あわじ市 | 定住促進空き家活用支援事業補助金 | 費用の3分の1かつ5万円。 |
加西市 | 空き家の家財道具等の片付け費用を補助 | 10万円。 |
淡路市 | 空き家確保支援事業 | 7万円。 |
加東市 | 空家等家財処分支援事業補助金交付要綱 | 費用の50%かつ10万円。 |
朝来市 | 空き家片付け支援補助金事業 | 費用の50%かつ10万円。 |
養父市 | やぶの空き家活用支援事業 | 費用の50%かつ10万円。 |
その他の補助金
兵庫県では前述した補助金制度以外にも、次のような制度が公開されています。
自治体名 | 制度名 | 補助金制度の内容 |
---|---|---|
たつの市 | 空き家を解消するために隣接する土地・空き家を取得する際の支援 | 隣地統合に要する経費が対象で20万円が上限額。 |
淡路市 | 空き家確保支援事業 | 所有者に係る登記が整理された空き家を空き家バンクに登録した所有者に対し、1件につき3万円を補助。 |
神戸市 | 空家活用応援制度 | 空き家を地域利用や社会貢献のために活用する場合、片付けや改修などの費用を補助。補助金の上限は取得費の50%かつ200万円。 |
三田市 | 空き家バンク登録促進補助金 | 三田市空き家バンクに物件登録するために要した費用が対象。上限は合計額の2分の1かつ10万円。 |
南あわじ市 | 定住促進空き家活用支援事業補助金 | 南あわじ市にある、一定条件を満たす空き家の改修費用が対象。補助金の上限は10万円。 |
補助金を受けるための流れと注意点
補助金を受けるためには正しい手順で申請を行い、自治体の審査を受ける必要があります。
補助事業によっては先に解体したりリフォームしてしまうと受付自体できないこともありますので、必ず制度の対象要件をチェックしておくことがポイントです。
この章では補助金を受けるための流れと注意点について、解説します。
申請に必要な主な書類
補助金の申請をするために必要書類を準備することになりますが、制度によって異なります。
主に指定される書類は次のようになりますので、これらの書類に加えて必要な書類がないか、自治体に確認することをおすすめします。
- 指定様式の補助金交付申請書
- 建物の全部事項証明書
- 運転免許証
- 住民票
- 印鑑証明書
上記以外にも不動産取得の補助金であれば売買契約書、リフォームの場合は建物の平面図や立面図が必要になるケースがあります。
印鑑証明書は印鑑登録が必要となり必ず一度は市役所へ出向くことになりますので、すぐに準備できないこともあります。
補助金制度をスムーズに利用するためにも、必要書類はなるべく早く確認しておくことをおすすめします。
申請する上での注意点や落とし穴
補助金制度を利用するうえでよくある失敗例として、先行して解体工事やリフォーム工事をしてしまうというケースがあります。
多くの補助事業は交付決定後に工事をスタートする必要があり、場合によっては実績報告として工事前と工事後の画像を提出しなければならないこともあります。
必要書類を確認することなく工事をスタートしてしまい、書類不備により申請が却下されてしまうこともあるため注意が必要です。
また、補助金制度は助成金と異なり予算が設定されており、予算上限に達すると事業自体が終了してしまいます。
利用する予定だった補助金を受けることができず支出が増えてしまう失敗事例もありますので、必要書類の準備と申請はできるだけ早く進めるのがポイントです。
補助金以外で空き家問題を解決する方法
補助金制度の活用は空き家の所有者と購入予定者にとって大きなメリットとなりますが、空き家問題の全てを解決できるわけではありません。
実際に兵庫県では補助金制度が公開されているにも関わらず、空き家は増加傾向にあります。
そのため空き家の所有者は補助金以外の対策についても調べておく必要があります。
この章では補助金以外で空き家問題を解決する方法について、解説します。
補助金だけでは難しいケースがある
補助金制度は解体やリフォーム、空き家の取得に関連する費用の一部を補助することが目的となっています。
つまり、補助金で工事費用や取得費用の全てを補えるわけではなく、自己資金の負担は必要です。
空き家を活用しないのであれば支出だけ発生してしまいますので、補助金制度を有効活用することなく放置してしまっている所有者も多いです。
このことからも空き家対策を進めるためには補助金だけに頼らず、様々な方法を比較検討することが大切です。
空き家を売却する
空き家を自己利用したり賃貸に出して活用する予定がないのであれば、売却してしまうのが最も効果的です。
空き家は所有している限り固定資産税や都市計画税が課税されてしまい、維持管理の手間や費用もかかります。
また、空き家を放置していると経年劣化が進んでしまい、特定空家に認定されると所有者は大きな損失を被る可能性も少なくありません。
このようなリスクを避けるためにも、活用する予定のない空き家は売却してしまうことをおすすめします。
なお、空き家の売却は不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」よりも、不動産会社に買い取ってもらう「買取」の方が向いています。
不動産買取は不動産会社が直接買主となって契約を締結しますので販売期間がなく、さらに解体や確定測量、残置物の撤去などをすることなく現況のままで引き渡すことができます。
また仲介をしていないため仲介手数料が不要となり、売却の諸費用を削減できるという点も魅力です。
業者によっては買取の査定から数週間で現金化できますので、空き家の売却は買取を優先的に検討するのがポイントといえます。
ただし買取は仲介よりも売却価格が安くなりやすいため、手残り額がいくらになるのかは入念にチェックしておく必要があります。
空き家バンクを活用する
空き家バンクは各自治体が情報を把握し、提供している空き家等のポータルサイトです。
自治体が運営しているHPで物件情報を検索することができ、空き家を売りたい人や貸したい人は空き家バンクに登録して買い手や借り手を募集することになります。
一般的に不動産ポータルサイトと違って空き家に特化していることからニーズがマッチしやすく、費用もかかりません。
山間部や海沿いにある空き家は反響が少なくなる傾向にあるため、空き家バンクを活用して反響を増やし、効率よく処分できるよう準備しておくのがおすすめです。
なお、空き家バンクは市町村民税を滞納していないなど利用するための要件があり、さらに撮影した画像や物件コメントに虚偽があると物件情報自体が削除されてしまうこともありますので、正しい情報を入力することが重要です。
空き家を活用する
空き家を売却することで管理の手間や税金の支払いから解放されますが、所有権を放棄することになるというデメリットもあります。
そのため将来空き家を自己利用したり相続財産として残しておきたい場合は、空き家を活用する方法を検討することが重要です。
たとえば空き家をリフォームして賃貸物件として入居者を募集する方法や、建物を解体してしまい駐車場用地や事業用地として貸し出す方法があります。
どちらの方法も家賃収入で維持管理費や税金の一部を補填することができますので、人気のある活用方法です。
ただし、国税庁が公開している税制優遇の中には賃貸として活用することで利用できなくなる制度があり、注意が必要です。
これ以外にも空き家を解体してしまうと再建築ができなくなるケースもありますので、空き家を活用する際にはリスクについても正しく理解しておくことがポイントです。
よくある質問
この章では空き家に関連する補助金制度について、よくある質問を紹介します。
Q:補助金と売却、どちらが良いですか?
補助金と売却にはどちらもメリットとデメリットがありますが、空き家の所有権を維持したいなら補助金、放棄しても良いなら売却がおすすめです。
補助金は空き家の解体やリフォームの費用を補助するのに活用することができ、さらに空き家の購入についても活用できる制度が公開されています。
そのため将来にわたって空き家や空き地を所有しておきたい人に、補助金制度は向いているといえます。
一方、補助金制度を利用しても自己資金の負担はゼロにはならないため、活用する予定がないのであれば売却してしまう方がおすすめです。
つまり、空き家を活用する予定があるかないかで補助金か売却かを決めるのがポイントだといえます。
Q:古い空き家や傷みがある空き家でも補助金は使えますか?
補助金制度は原則、多くの空き家でも申請可能ですが、制度によっては旧耐震の建物は対象外などの要件があります。
これ以外にも家屋の大部分が倒壊している場合や重機が侵入できないほど道が狭い場合などは自治体の判断で対象外となることもあります。
空き家関連の補助金は事前に相談することで制度の利用可否や申請のステップについてアドバイスを受けることができますので、なるべく早く自治体に相談することがおすすめです。
Q:空き家を壊すのにかかるお金は?
空き家の解体費は空き家の構造によって異なり、「木造」と「鉄骨造」では次のようになります。
木造:約5~6万円/坪
鉄骨造:約6~8万円/坪
たとえば30坪の建物を解体する場合、木造なら150万円〜180万円となり、鉄骨造は180万円~240万円が相場となります。
ただし、鉄骨造は鉄の需要が高騰している時期だと高く売れるため解体費が相場よりも安くなることがあります。
また、構造に限らずアスベストの含有が認められると数百万単位で追加費用が発生することもあります。
そのため築年数が古く十分に管理されていない物件を売却する場合は、中古戸建として販売するか現況のまま買取業者に買い取ってもらうのがおすすめです。
Q:空き家を解体すると固定資産税はどうなる?
空き家を解体した場合、建物の固定資産税は翌年度以降かからなくなります。
ただし土地の地目が宅地だった場合、土地の固定資産税が増額されてしまう可能性があるため、注意が必要です。
宅地の固定資産税は軽減税率が設定されており、課税標準額に対して200㎡以下の部分は6分の1、200㎡を超える部分については3分の1となります。
しかしこの軽減税率は家屋が存在していることが条件となり、解体してしまうと通常の税率に戻ってしまいます。
そのため立地によっては建物を解体したにも関わらず固定資産税がかえって増えるケースもあるため、解体すべきか慎重に判断する必要があります。
【参考サイト:総務省|地方税制度|固定資産税の概要】
まとめ
兵庫県では空き家に関連する多くの補助金制度が公開されていますが、補助事業によって適用要件や必要書類が異なるため事前にチェックする必要があります。
また補助金制度だけで空き家問題を全て解決できるわけではありませんので、補助金以外の方法についても知っておくことが大切です。
空き家は所有しているだけで維持管理の費用や税金がかかってしまいますので、活用すべきか売却すべきかを早い段階で判断し、補助金制度の利用も含めて判断することをおすすめします。