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袋地の空き家が売れない理由と問題点

袋地の空き家が売れない理由と問題点

物件や不動産の中には、周りが土地に囲まれていて道路に面していないケースがあります。

このような土地を袋地と呼びます。袋地は住居環境の悪さや車両が中に入れない点などがデメリットとなり、不動産価値が低くなりやすいです。

実は、空き家の中でもなかなか売れないのがこの袋地の不動産です。

また道路に出る際は他人の土地を通行する必要があります。通行に際して隣人とトラブルになることも少なくありません。

本記事ではそんな袋地について、各種問題点やデメリット、通行する権利など詳しく解説していきます。袋地を相続される方、これから袋地を購入する予定のある方は是非最後までご覧になってください。

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袋地とは

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袋地(ふくろじ)とは、周りが他の土地で囲まれてしまい、道路に接していない土地のことです。

道路に出る道がないため、別名「無道路地」と呼ばれることもあります。

袋地から道路に出るためには、他の所有者の土地を通らねばなりません。隣地の所有者との権利関係や通行料などの調整がかなり大変なので、売れなくて空き家のままになっている物件が多いのです。

ちなみに、通常だと他人の土地に無断で通ることはNGですが、袋地の場合は例外的に所有者が周囲の土地を通ることが民法で許可されています。

袋地の不動産の問題点

袋地の不動産の問題点

袋地の不動産の問題点として、下記の7点が挙げられます。

  • 物件の再建築ができない
  • 日当たり・風通りが悪い
  • 通行する際に通行料がかかる
  • 給排水管が他人敷地に埋設されている
  • 隣地の所有者とトラブルが起こりやすい
  • 駐車場がない場合が多い
  • 解体費用が高額になる

このように問題点が多く抱えるため、袋地の空き家はより一層売却のハードルが高いのです。

物件の再建築ができない

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袋地にある不動産は再建築を行うことができません。建築基準法の第43条により、「建築物の敷地が4m以上の幅員を持つ道路に2m以上接しなければならない」と規定されています。この義務を満たさないと、物件を再建築できません。

袋地は道路に接していない土地ですので、建築基準法第43条を満たせていないことから、物件の再建築不可となっています。

再建築ができないので、老朽化したらリフォームして状態を維持改善し使い続ける他ありませんが、メンテナンスがされず老朽化してしまうと、新築の不動産を買うの近い金額をリフォーム代として要する可能性があります。そのようなことから、袋地の不動産だと空き家のままで放置されていることが多いのです。

将来的に物件を再建築したい際は、袋地を選ばないよう注意が必要です。

日当たり・風通りが悪い

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袋地は日当たり・風通しが悪いという問題点もあります。袋地の周りは土地や建物で囲まれているため、日当たり・風通りが遮断されやすいです。日当たり・風通しが悪いと、洗濯物を乾かしたりするのに不便ですし、屋内もどんよりとした雰囲気になりやすいです。このため、住居地として袋地は避けられる傾向にあります。

袋地によって日当たり・風通しの悪さには差がありますが、基本的には良い環境ではないと考えた方が良いでしょう。

通行する際に通行料がかかる

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袋地の周りを囲っている土地を「囲繞地(いにょうち / いじょうち)」と呼びます。

袋地から道路に出るためには囲繞地を通過しなければなりません。

ただし囲繞地を通過する際に、袋地の所有者は囲繞地所有者に対して通行料を支払わねばなりません。

通行料の金額については土地所有者同士で取り決めを行います。

囲繞地の所有者が理解ある人であれば問題ありませんが、通行に難色を示す人だと通行料を高く設定してくるケースもあります。

囲繞地を通行する権利については後ほど詳しく解説しますが、通行料関連で交渉が難航した場合は弁護士に相談して仲介してもらいましょう。

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給排水管が他人敷地に埋設されている

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袋地の場合、給排水管が他人敷地に埋設されています。

このため、給排水管にトラブルが生じた際に他人敷地で工事を行うケースも出てきます。

工事費用の負担はもちろんですが、他人の土地利用に際して許可を得る必要もあるため面倒が生じやすいです。

中々許可を得られないと、工事を進められずに生活に支障がでることも少なくありません。

給排水管の劣化はどうしても生じてくる問題ですので、スムーズに工事を行えるよう事前に囲繞地の所有者と合意しておくようにしましょう。

隣地の所有者とトラブルが起こりやすい

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袋地は隣地と接している分、隣地の所有者とトラブルが起こりやすいです。

生活音が隣地の住宅に響くことも少なくありません。特に生活リズムが周りの住人と異なる場合は、トラブルに発展しやすいです。

また隣地の所有者との近所付き合いも生じることが多く、自分の時間を取られてしまうこともあります。

近所付き合いを苦にしない方であれば問題ありませんが、億劫に思う方だとストレスを感じてしまうかもしれません。

駐車場がない場合が多い

袋地には駐車場がない場合も多いです。

袋地は道路に面していないため、物件も車の出入りがない前提で建築されることが大半になります。

駐車場が敷地内にないと、救急車両が中まで入れません。

火事などが起こった際に救急車・消防車が入り込めないため、被害が拡大してしまうリスクもあります。

仮に袋地に駐車場を作れたとしても、囲繞地の通行部分の幅によっては車両が入れない可能性があります。

駐車場がなければ、住むにも貸すにも近隣の駐車場を借りるなどの対応が必要になります。

袋地の不動産は車両が入れないため、使われず空き家になりやすいのです。

解体費用が高額になる

袋地にある物件を解体する際、解体費用が高額になるケースが多いです。

これは重機が敷地の中に入れない可能性が高いためです。重機が入れないと、囲繞地から重機を入れて作業をしたり、人手を動員して解体を行ったり等、通常の解体作業よりも手間が生じてしまいます。

このため、解体費用が高くなることが多いのです。

袋地は建築物の再建築ができないため、現状の建築部を取り壊すタイミングがいずれかは来てしまいます。

金銭的に余裕を持って解体を進められるよう、事前に解体費用の見積もりを業者に聞いておくのがおすすめです。

建築基準法の接道要件とは?

建築基準法の接道要件とは?

建築基準法では、新しく建物を建築する際に「接道義務」を貸しています。

接道義務とは、建物の敷地が道路と繋がっていなければならないとする義務です。

この接道義務によって、これから新たに建築する建物は道路と接する必要があります。

このため、これから新たに袋地が生じることは原則ありません。

接道義務の詳細条件

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接道義務の詳細条件は、建築基準法において下記の通り規定されています。

「幅員4m以上の道路に、2m以上接道している」

2m以上の接道が設定されている理由として、救急車両などの車がスムーズに通れる道幅である点が挙げられます。緊急車両が通れないと、万が一の事態の際に被害が拡大してしまう可能性が高いです。

敷地の一部が2m以上接道しているなら、接道義務の要件を満たせます。

また幅員4m以上という条件に関しては、実際は4m未満の道路への接道も可能です。

実際に建築基準法では「幅員1.8m以上の道路であれば、道路幅が4mある」と想定して建築物を建てることが可能です。

建築基準法が施行される昭和25年よりも前に作られた道については、道幅が狭いケースも少なくありません。

昔の道路を無理やり広げることも現実的ではないので、上記のように幅員1.8mでも要件を満たすことが可能になっています。

このような昔の道路を「みなし道路」また「2項道路(建築基準法第42条2項において規定されているため)」と呼びます。

建築基準法が規定する「道路」の条件

道路といっても、すべての道が道路と見なされる訳ではありません。建築基準法で規定された道路に対して接する必要があります。建築基準法で規定された道路の種類は下記の通りです。

1号道路
県道や市道など、都道府県・自治体によって管理されている道路
2号道路
都市開発などの開発許可によってできた道路
3号道路
建築基準法が施行された昭和25年よりも前に造られた道路
4号道路
都市計画法などによって、2年以内に新設・変更予定の道路
5号道路
民間による申請で、行政庁から位置の指定を受けた道路

上記のいずれかの道路に当てはまらない場合は、法律上道路とはみなされないので注意してください。

袋地の空き家で通行権の問題を解消するには?

袋地で通行権の問題を解消するには?

袋地の空き家で通行権の問題を解消する方法として、下記の2点が挙げられます。

  • 通行地役権を設定する
  • 囲繞地通行権を主張する

通行地役権を設定する

通行地役権は、自身が保有する土地の便益のために他人が所有する通行できる権利です。通行地役権においては、自分が所有する土地を「要役地」、他人が所有する土地を「承役地」と呼びます。

承役地を通らないと道路に出られない場合に、要役地の所有者に通行地役権が認められます。具体的な通路幅や形状、道の利用方法などは土地所有者双方の合意の上で決められます。

通行地役権設定の流れは下記の通りです。

  1. 要役地・承役地の所有者同士で話し合い、利用の取り決め・合意を進める
  2. 通行地役権の登記を行う

土地所有者同士で互いに通行地役権について取り決めたとしても、その契約はあくまでも現状の土地所有者同士での取り決めになります。

土地の所有者が変わっても通行地役権を行使するには、通行地役権の登記が必須です。通行地役権の登記をしておけば、土地所有者が変わっても安心して権利を行使できます。

通行地役権の登記では準備する書類・手続きが多岐に渡ります。自力で進めると時間を要してしまうので、不動産登記を専門に扱う司法書士や弁護士に手続きを依頼するのがおすすめです。

囲繞地通行権を主張する

囲繞地通行権とは、袋地に隣接している囲繞地を通行する権利です。

袋地は周囲を囲繞地で囲まれているため、道路に出る際には囲繞地を通らねばなりません。

このため、袋地の所有者は囲繞地を通行する権利が民法で認められています。

ただし、囲繞地の通行はあくまでも「通行する権利」であるため、地役権とは異なります。このため、通行する土地自体を登記することはできません。

また、囲繞地を通行する際は「通行料」が生じるケースがあります。通行料については、袋地の所有者と囲繞地の所有者が互いに協議して決定します。金額の上限・下限は特段定められていません。また協議の結果、通行料なしで囲繞地を通れることもあります。

通行に関する協議は法的な知識が必要になることも少なくありません。協議に不安がある場合は、専門の弁護士に相談した方が良いでしょう。

通行地役権と囲繞地通行権の違い

通行地役権と囲繞地通行権はいずれも他人の所有する土地を合法的に通過するための権利ですが、実は綿密にいうと違いがあります。

通行地役権の場合は「自分が保有する土地の便益のため」という目的で設定が可能です。このため、袋地でない土地でも通行地役権を主張できます。たとえば、自分が保有している土地が狭い道路にしか接しておらず通行が困難な場合は、通行地役権を設定して別の道路に出ることも可能です。

これに対して、囲繞地通行権の場合はあくまでも保有している土地が袋地であることが前提です。囲繞地によって囲われていないと、囲繞地通行権は行使できません。

また通行地役権の場合は地役権の登記が必要になりますが、囲繞地通行権の場合は特段登記の必要がありません。通路幅の設定などは交渉が必要ですが、囲繞地通行権は袋地の所有者に自動的に付与されます。

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まとめ

まとめ

袋地は周囲を土地で囲まれているため、不動産価値は低い傾向にあります。道路などの公道に出る場合は、囲繞地を通行しなければなりません。

また袋地の物件は再建築ができなかったり、風通し・日当たりが悪いなど通常の土地と比べて問題点が多いです。

袋地の空き家を所有されている方は、こちらの記事でご紹介したようなトラブルを体験されたことがあるかもしれません。

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