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共有私道に接する土地は売却しづらい?売却の際の注意点やトラブル
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共有私道とは、1つの道路を複数の個人や団体で所有・管理している道路のことです。

共有私道に接している土地の場合、権利関係が複雑になり売却が難しくなるケースが多く、最悪の場合、トラブルに発展することもあります。そのため、共有私道に接する土地を売却する際は、権利関係を明確にし、通行権や掘削承諾を得ておく必要があります。

本記事では、共有私道に接する土地を売却する際の注意点や起こりうるトラブルについて解説します。

この記事でわかること

    • 共有私道とは
    • 共有私道に接する土地を売却する際の注意点
    • 共有私道に接する土地を売却する際に起こりうるトラブル

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「共有私道」とは?権利関係の違いによって2種類に分けられる

そもそも「共有私道」とはどのようなものでしょうか。

「共有私道」について解説する前に、まずは「私道」に対する理解を深めておきましょう。

国や自治体が所有・管理する「公道」に対して、それ以外の個人や団体が所有・管理する道を「私道」といいます。

私道と公道は、どちらも道路状になっているため、見た目だけでは判断できません。

登記情報で、所有者が国や自治体なのか、個人や団体なのかを確認することで、公道か私道かを判断することができます。

私道のうち、個人ではなく複数人が所有・管理する道路が「共有私道」です。

そして、この「共有私道」は、権利関係の違いによって2種類に分けることができます。それぞれ詳細に解説していきます。

複数人で1つの私道を共有する「共同所有型私道」

【図1】

「共同所有型私道」とは、1つの私道を複数人で共有している状態のことです。

より具体的に言えば、1つの私道に接している敷地の所有者(私道利用者)全員が、私道を共有持分として所有(登記)している所有形態を指します。

1つの私道が共有名義になっていると考えるとイメージしやすいでしょう。例えば、私道に接する敷地の所有者が6人いれば、各人の私道持分は「6分の1」となります(図1)。

1つの私道を分割して各区画を複数人で持ち合う「相互持合型私道」

【図2】

「相互持合型私道」とは、1つの私道を区分けして複数人で別名義で所有している状態のことです。

具体的には、私道全体を複数に分筆(区分け)して、分筆されたそれぞれの私道の所有権をその私道に接している敷地の所有者たちで別々に所有します。

「共同所有型私道」と異なるのは、1つの私道が登記上で分筆されている点です。共有ではないため、各筆を合わせて1つの私道が成り立ちます。つまり、所有者が6人ならば、私道は6つに分筆されています(図2)。

共有私道に接する土地を売却する際の注意点

共有私道に接する土地を売却する際には、その権利関係を明確にしておくことが重要になります。

権利関係が不明確なまま売りに出しても、多くの人は購入を避けてしまいます。なぜなら、権利関係は買い手にとって購入後の土地利用に大きく関わる要素であるためです。

それでは、具体的にどのような権利関係を、どのように明確にしておく必要があるのか詳しく見ていきましょう。

通行承諾の有無を確認し、可能であれば通行承諾書を取得しておく

まず、共有私道の通行承諾を得ているかを確認しましょう。

通行の承諾書とは、人や車両の出入りのために無償で通行や使用する権利を私道の所有者が承諾をした書面のことをいいます。この書面によって得た承諾は、承諾を得た所有者から譲渡された第三者に対しても有効とされます。つまり、売主が得た承諾書は、買主に対しても有効ということです。

通行の承諾がない場合、共有私道の一部の持分があったとしても、他の共有私道の所有者が所有する部分については、通行が認められていないことになり、「無断で通行している」とトラブルになる可能性があります。

そのため、共有私道に接する土地の購入を検討している買主が安心して購入できるように、あらかじめ通行承諾を得ておくとよいでしょう。

通行承諾は通行する場合の誤解や認識のずれを防ぐために、口約束ではなく承諾書を作成して私道共有者に署名捺印をもらうことが大切です。

堀削承諾に関しても同様に有無を確認し、掘削承諾書を取得しておく

通行承諾書と同様に、掘削の承諾書の有無も確認しておきましょう。

掘削承諾書とは、上下水道管、ガス管の埋設や引き込み工事、それに伴う付随工事を行うことに私道の所有者が承諾をした書面のことを言います。

土地の買主が新築や建て替えなどに伴うインフラ整備工事を行おうとしても、共有私道の所有者の承諾がないと、工事ができないなどトラブルになる可能性があります。

このようなトラブルを避けるためにも、売却の前に共有私道の共有者全員からの承諾所を得ておくことが望ましいです。

また、通行承諾と同様に、口約束ではなく承諾書を作成して、私道の共有者に署名捺印をもらうようにしましょう。

持分割合についても明確に把握しておく

共有私道の持分割合について明確に把握しておきましょう。

私道の維持・管理については私道の所有者全員にその責任があります。そのため、共有私道の補修が必要になった場合は、共有者全員でその私道の持分の割合に応じて負担するのが原則です。

共有私道の持分が明確になっていないと、私道の補修費用の負担額が妥当なのか判断できません。これが原因で、将来的に、共有私道の所有者と買主との間でトラブルになる可能性があります。そのため、売却の前に持分割合を明確にし、買主に伝えることが大切です。

共有私道の持分が、それぞれどのくらいなのかは、登記情報の全部事項や所有者事項で確認することができます。

また、もしも、共有私道の持分がない場合は、持分を取得できるように共有私道の所有者へ交渉してみましょう。もしくは、通行地役権を設定してもらえるよう交渉しましょう。

通行地役権は、通行する必要がある土地の通行を目的とした権利のことです。持分の取得が得られない場合でも、通行地役権は設定してもらえる場合があります。

地役権は登記することができます。土地を売却したあとも、地役権もそのまま、買主に権利が移るため、通行権が消滅することはありません。ただし、通行地役権を設定する場合、通行料の支払いが必要になる場合があるため、通行料が発生した場合は、買主にその旨と伝える必要があります。

共有私道に接する土地を売却する際に起こりうるトラブル

共有私道に接する土地を売却する際に起こりうるトラブルとして、以下3つが挙げられます。

  • 通行承諾を得られない
  • 掘削承諾を得られずインフラ工事ができない
  • 建築基準を満たしていない

共有私道に接する土地を売却したあとに、「私道をめぐるトラブル」に巻き込まれないためにも理解を深めておきましょう。

通行承諾を得られない

「そもそも他人を私道に立ち入らせたくない」という理由から通行承諾を得られないこともあります。

共有私道の共有者から通行承諾を得られなければ、土地を売却しても、敷地に出入りするための通行や、インフラ工事のための工事車両や作業員の通行ができず、新たな所有者は出入りのための通行や、作業や工事の通行ができません。「再建築や新築ができない」と売買取引の解消を申し出てくる可能性もあります。

掘削承諾を得られずインフラ工事ができない

共有私道に接する土地を売却したあとに、新たな所有者が新築や建て替えのためにインフラ工事を行いたくても、共有者からの掘削承諾を得ていないと工事が進められずトラブルに発展するケースは少なくありません。通行承諾書のような共有者による客観的な許可書がないと、水道工事業者やガス会社などが工事を引き受けてくれないこともあります。

共有私道で上下水道管やガス管などの補修工事、埋設や引き込み工事を円滑に行うためにも、共有者から掘削承諾を得ておくことが大切です。

建築基準を満たしていない

共有私道が建築基準法を満たしていない場合、共有私道に接する土地に立つ建物は再建築不可物件に該当するため、建て替えや増改築ができません。

なぜなら、建築基準法では「原則、幅員4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければ、建物の建て替え・増改築ができない」という接道要件が定められているからです。

特に、築年数が古い建物は建築基準法を満たしていないことが多いため注意が必要です。

「買い取ったあとに建て替えや増改築ができないことを知ったから、契約はなかったことにしたい」というトラブルは避けたいものです。

また、再建築不可物件は相場より資産価値が低くなる傾向にあるため、売買取引の前に「建築基準法を満たす私道かどうか」「再建築不可物件に該当しないか」などを確認しておきましょう。

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まとめ

本記事では、共有私道とは何か、共有私道に接する土地を売却する際の注意点やトラブルについて解説しました。

共有私道に接する土地を円滑に売買するためには、通行承諾や掘削承諾を私道共有者から得ておくこと、そして、私道が建築基準法を満たすかどうかをあらかじめ確認しておくことが大切です。

ただし、一般的な土地や建物の売買に比べて、共有私道が関係するケースというのは少なく、不慣れな不動産会社に任せたり、個人で調べて契約したりしても、トラブルに発展するリスクは多少残ってしまいます。やはり、プロの不動産会社に任せるのが得策です。

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