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不動産の売却に関係する税金5つを解説します

不動産を売却した際にかかる税金は、所得税と住民税(復興特別所得税含む)、印紙税、登録免許税、消費税が挙げられます。それぞれの税金を詳しく解説していきます。

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所得税と住民税(復興特別所得税含む)

税金

不動産を売却した際の利益にかかる税金は、所得税・住民税・復興特別所得税の3つです。これら3つを譲渡所得税といいます。譲渡所得税は利益にかかる税金のため、売却した際に利益が出ない限り課税されることはありません。なお、2011年に発生した東日本大震災の復興のための税金として、所得税全般に復興特別所得税が課税されています。
譲渡所得税は、譲渡所得に税率をかけて計算します。では、譲渡所得と譲渡所得にかかる税率について詳しく解説します。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、不動産の売却価格から、不動産購入時にかかる費用(取得費)と売却時にかかる仲介手数料などの費用(譲渡費用)を差し引いたもののことです。

譲渡所得 = 売却代金 – (取得費用 + 譲渡費用)

この譲渡所得が課税の対象になります。
例えば、3,000万円で購入した建物を5,000万円で売却し、仲介手数料を156万円支払った場合の譲渡所得は、5,000万円-(3,000万円+156万円)=1,844万円になります。

譲渡所得にかかる税率とは

譲渡所得にかかる税率は売却物件の所有期間によって異なります。
売却物件の所有期間が5年未満の短期譲渡所得の場合は39.63%(所得税30.63%、住民税9%)、売却物件の所有期間が5年以上の長期譲渡所得の場合は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)になります。
売却物件の所有期間の判断は、売却した年の1月1日時点を基準にします。例えば、2017年4月1日に購入した不動産を2022年4月1日に売却した場合は、2022年1月1日時点の所有期間は4年なので短期譲渡所得になります。所有期間が5年以下だとかかる税率が高くなるので、売却時期に注意しましょう。
なお、売却状況によって税金が控除される特例制度があります。マイホームの売却では課税される場合はめったにありません。この特例制度については後ほど詳しく解説します。

印紙税

税金

印紙税とは、一定額以上の契約書や領収書にかかる税金のことです。印紙税の金額は、不動産の売買金額(売買契約書の金額)によって定められ、収入印紙を売買契約書に貼って消印することで納めるものになります。
納める税金の額は以下の通りです。なお、2022年3月31日までは不動産売買契約や建築請負契約などについては、特例として印紙税に軽減税率が適用されるため()内の金額になります。

  • 契約金額が100万円を超え500万円以下・・・印紙税額2,000円(1,000円)
  • 契約金額が500万円を超え1000万円以下・・・印紙税額10,000円(5,000円)
  • 契約金額が1000万円を超え5000万円以下・・・印紙税額20,000円(10,000円)
  • 契約金額が5000万円を超え1億円以下・・・印紙税額60,000円(30,000円)

登録免許税

税金

住宅ローンを利用して物件を購入した場合、抵当権が設定されています。その抵当権を外すための「抵当権抹消登記」にかかる登録免許税の負担が必要になります。抵当権抹消登記は、不動産1個につき1,000円かかります。建物と土地はそれぞれ別の不動産とみなされるため、一戸建ての場合は合計で2,000円かかります。

消費税

税金

不動産会社に仲介を依頼して売買契約が成立した場合、不動産会社に支払う仲介手数料に消費税がかかります。仲介手数料の金額は法律で上限額が定められているため、大まかな消費税の金額は把握することが出来ます。仲介手数料の上限金額は以下の通りです。

  • 売却価格200万円以下の場合・・・仲介手数料は売却価格×5%
  • 売却価格200万円超400万円以下の場合・・・仲介手数料は売却価格×4%+20,000円
  • 売却価格400万円超の場合・・・仲介手数料は売却価格×3%+60,000円

上記の仲介手数料の金額に消費税がかかります。
例えば、売却価格1,000万円の物件の仲介手数料は、1,000万円×3%+60,000円=36万円。この金額に消費税が課せられるため、36,000円になります。
なお、個人が居住用不動産を売却する場合には、消費税は課税されません。投資用(事業用)の不動産を売却した場合は、建物部分に消費税が課税されます。

節税できる対策について

節税

ここまでは不動産を売却した際にかかる税金についてご紹介しました。個人の居住用の不動産には税金が課せられることはめったにないとご説明しましたが、それは特別な控除ができる制度があるからです。ここからは、税金を安くできるお得な節税制度について解説します。

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3,000万円の特別控除

居住用財産であるマイホームを売却した場合は、譲渡所得から3,000万円が控除される制度があります。この制度は、物件の所有期間に関わらず利用できます。

譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 3,000万円

この結果、譲渡所得がマイナスになれば譲渡所得税は発生しません。
ここでいう居住用財産は以下のいずれかの要件にあてはまることで3,000万円の特別控除の対象になります。

  1. マイホームに住まなくなって3年以内の売却であること。
  2. マイホームを売却するまでにその他の土地を活用して利益を得ていないこと。
  3. 売却した年から3年以内にこの特例制度を受けていないこと。
  4. 売主と買主が親子などの特別な関係ではないこと。

ただし、この特例を活用した場合は、売却後に新しく購入した住宅には住宅ローン控除の適用は受けることができません。この3,000万円の特別控除と住宅ローン控除は併用できないため、どちらか一方のみを選択して受けることになります。

空き家の3,000万円特別控除

マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除は、相続した家である場合には適用できません。しかし、相続した空き家を更地にして売却する場合、以下の条件を満たす空き家であることで3,000万円の控除を受けることができます。

  1. 売主が、相続又は遺贈によって被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地を取得したこと。
  2. 相続又は遺贈によって取得した被相続人居住用家屋の全部を取り壊した後に被相続人居住用家屋の敷地を売却すること。
  3. 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  4. 売却代金が1億円以下であること。
  5. 売却した家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
  6. 同一の被相続人から相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。
  7. 親子や夫婦など特別の関係がある人に売却したものではないこと。

所有期間が10年を超える場合の軽減税率の特例

売却物件が居住用財産で1月1日時点の所有期間が10年超えである場合、譲渡所得の内6,000万円以下の部分について長期譲渡所得の税率である20.315%が14.21%まで軽減されます。さらに、先ほど解説した3,000万円特別控除と併用することができます。軽減税率の適用条件は以下になります。

  1. 日本国内にある自分が居住している家屋か、家屋とともにその敷地を売却すること。
  2. マイホームに住まなくなってから3年以内の売却であること。
  3. 売主と買主が親子などの特別な関係にないこと。

買い替えの場合の特例

所有期間が10年を超える居住用財産を売却し、一定期間内に新しい居住用財産を取得した場合は、譲渡所得への課税を繰り延べすることができる特例があります。この特例は、買い替える際には譲渡所得税が課税されず、買い替えた住宅を将来売却したときに譲渡所得税が上乗せされる制度です。
売却物件の要件は以下の通りです。

  1. 売却した年の1月1日時点での所有期間が10年超の居住用財産であること。
  2. 売却価格が1億円以下であること。
  3. 居住期間が10年を超えていること。

新しく買い替えた物件の要件は以下の通りです。

  1. 住宅の床面積が50㎡以上かつ専有面積が500㎡以下であること。
  2. 中古マンションの場合は築25年以内の物件であること。

譲渡損失が出た場合の特例

居住用財産を売却して損失が出ると「居住用不動産の譲渡損失の損益通算と繰越控除」という特例を利用できます。損益通算とは、ある所得で損失が出た場合に他の所得からその損失を差し引くことができることで、不動産の売却以外で出た所得を減らすことができます。さらに、その年の所得から差し引くことができない損失金額があれば最長3年間繰り越すことができます。
この特例が適用できる居住用財産は以下の通りです。

  1. 売却する相手が配偶者や直系の親族ではないこと。
  2. 個人が所有する建物や土地で、その年の1月1日時点での所有期間が5年を超えていること。
  3. その年の所得が3,000万円以下であること。

相続した場合の取得費加算の特例

相続した不動産を売却する場合に取得費加算の特例という制度が利用できます。相続税の金額を取得費に加算できる制度で、課税対象である譲渡所得の金額を抑えることができます。ただし、この制度を適用するには、相続してから3年10か月以内に売却する必要があります。

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まとめ

不動産を売却した場合にかかる税金5つと、節税できる制度についてご紹介しました。不動産売却で少しでも利益を出すためには、課税対象である譲渡所得の金額を少しでも抑えることが大切です。売却の際になるべく利益を残すためにもご紹介した制度を利用してみてください。

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