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袋小路の土地は売れない?理由と高く売却するためのポイントを解説

袋小路

前面道路の道幅や接道幅は土地の資産価値を決める上で重要なポイントとなっており、道が狭かったり道路との接道幅が小さいと売れにくい土地になってしまいます。
その中でも袋小路の不動産は人気がないため売れにくく、処分できずに困っている所有者も多いです。
建物付きの袋小路にある土地で何年も放置されてしまっている物件もあり、固定資産税を支払い続けるだけの所有者もいます。
このような状況にならないためには売れない理由と売却する方法を把握し、その上で売れるようにするための工夫が大切なポイントだといえます。
この記事では袋小路の土地が売れない理由と売却方法について、ポイントを解説します。
袋小路の土地を所有していて処分に困っている人は参考にしてください。

この記事で分かること

  • 袋小路の特徴
  • 袋小路の土地が売れないと言われる5つの理由
  • 袋小路の土地を高く売却する方法

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袋小路の土地とは?

袋小路の土地とは
袋小路は「ふくろこうじ」と読み、物を出し入れする「ふくろ」のような形状になっていることが名前の由来です。
袋小路は接道しているものの道が狭い「小路」になっており、一方向からしか出入りができず出入口の反対側や周辺がガケや山、田畑、他人の住宅などによって行き止まりになっていることが多いです。
このように通り抜けられない土地のことを袋小路と呼びます。
昔ながらの住宅街や郊外の山間部にある分譲住宅で見かけることがありますが、建築基準法の改正により現行法令に適していないケースが多く、再建築不可になる可能性があるなど近年問題視されている土地でもあります。
そのため袋小路の土地を相続するのであれば相続放棄を選択し、その結果所有者不明の物件として放置されるケースもあります。

袋小路の土地が売れないと言われる5つの理由

袋小路の土地は道路の行きどまりにあるため通行や建て替え、災害時の避難という点で問題が起きやすく、住民とトラブルになるケースもあります。
買い手が現地を確認した際にも一目で違和感を感じることも多く、購入を検討されずに見送られやすいことから不動産会社も積極的に売却しにくい物件といえます。
そのため袋小路の土地を所有している人は「売れない理由」を理解し、その上で対策を取る必要があるでしょう。
この章では袋小路の土地が売れないとされる代表的な理由を5つ、紹介します。
袋小路の土地を所有している人は当てはまる点がないかチェックしてみましょう。

家までの道の通行・使用に承諾が必要

前面道路が公道ではなく私道や近隣の住民と共有で持分を設定している共有道路の場合があり、通行や使用に承諾が必要となることが売却に時間がかかる理由といえます。
私道とは個人が所有している道路のことで、見た目は公道であっても個人の所有物であるため通行の許可を取得することになり、取り決めによっては通行料の支払いが必要になるケースもあります。
また共有道路は袋小路の土地所有者も持分を保有しているため通行することに問題はありませんが、水道や下水の引込工事をするために道路を掘削する場合は隣人の許可を得なければなりません。
なぜなら共有道路は一般的に「共有部分上に工作物を設置したり道路を掘削することを禁ずる」といった覚書が締結されており、共有道路の通行を妨げる行為は禁止されているからです。
しかし土地を購入した後に水道管や下水管が使用できないことが分かり引込工事が必要となった場合はどうしても掘削することになり、隣地に影響がでてしまうことからトラブルになることも少なくありません。
このように前面道路を自由に通行したり使用できない可能性があるのが、袋小路の土地が嫌われる理由といえるでしょう。

関連記事:私道・公道・公衆用道路はどう違う?それぞれの特徴や確認方法を解説

家の建て替えができない(再建築不可)場合がある

家を建てたり現在建っている家を解体して更地にして建て替えする場合は、建築基準法に適法した住宅でなければ建築許可はおりません
そして建築基準法では道路の広さと接道幅について、次のような接道義務が設定されています。

建築基準法第四十二条(道路の定義)

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。

建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

【引用サイト:建築基準法 | e-Gov 法令検索
上記のように4m以上の前面道路に2m以上接道していなければ建築可能な土地とならないことが分かり、袋小路の場合はこの条件を満たさないことが多いです。
そのため袋小路にある古家付きの土地は「再建築不可の中古戸建」として販売するしかないといえますが、土地の所有者が建築基準法を知らずに解体してしまうとこの方法も使えなくなってしまいます。
こうした失敗をしないためにも袋小路の土地を売却する際にはなるべく早くに不動産会社へ相談することをおすすめしますが、再建築が難しい土地は評価額が低いため売却価格も低くなってしまうというデメリットもあります。
このように建築可能かどうか判断できない土地は何年も売れ残ってしまうため、注意が必要です。

地震・火災など緊急時の避難が遅れる

袋小路の家は大通りから奥まった場所にあるため、地震や火災発生時に避難が遅れる可能性があるという注意点があります。
緊急時には隣人も一斉に非難するため前面道路が一時的に混雑することで避難に時間がかかってしまい、状況によっては袋小路の家は避難が最後になってしまうことも少なくありません。
地震などで前面道路に電柱が倒れてしまうと車が使えなくなるため徒歩で避難することになってしまうという点も袋小路の土地が懸念される理由です。
ハザードマップに該当するエリアだと大雨の度に早めに避難すべきか悩むことにもなりかねないことから、安全な家を建てたい人は袋小路の土地を避ける傾向にあります。

車の出し入れが難しい

行きどまりに家を建てることになる袋小路の土地ですが敷地内で旋回できる広さがなければ長い距離をバックで走行し駐車、出庫することになり、毎日車を使う世帯はストレスを感じることもあります。
前面道路は広くないケースがほとんどのため、4mピッタリだと運転に慣れていない人や車の保有台数が多い人からは避けられることが多いです。
そのため土地の購入を検討している人から「駐車しにくそう」という理由で避けられやすくなってしまい、その結果販売が長期化してしまうことも多いです。

近所付き合いが大変

袋小路の土地は分譲地で道路を隣人と共有していることも多いため、他の土地よりも近所付き合いが多くなる傾向があります。
町内会や近所の祭りだけでなく道路の整備や清掃などで顔を度々合わせることになり、近所付き合いが苦手な人は購入を躊躇する可能性が高いです。
その一方で近所付き合いをせずに生活した場合、将来近隣住民が相続によって所有者が変わると前面道路の使用方法でトラブルが発生することもあります。
前面道路の使用については近隣住民全員の合意により作成された覚書によって定められていますが、近隣住民が覚書を紛失していたり相続人に継承していないと意見の食い違いが起きる可能性が高いです。
そのような状態になってしまうと隣人とトラブルを抱えたまま生活することになってしまうことから、苦手であっても最低限の近所付き合いはしておくべきでしょう。

袋小路の土地の売却価格はどれくらい?

袋小路の土地は他の土地よりも問題点が多いですが、売却する際には価格のイメージを持っておくことが重要です。
不動産会社が査定額を算出する際に使用する路線価では土地の形状や方位によって「評点」が設定されており、袋小路の土地は0.8など評価額が下がる傾向にあります。
つまり同じ評価額2,000万円の土地だったとしても袋小路の土地は1,600万円になってしまい、その結果査定額も下がることになります。
実際には土地のあるエリアの状況を見据えた査定額になるため路線価通りの結果にはなりませんが、何も問題のない土地よりも売却価格は低くなることをイメージしておきましょう。
なお、路線価は国税庁が公開している「財産評価基準書」で確認することができます。
【参考サイト:財産評価基準書

袋小路の土地は通常の土地より安くなる

幅員と接道が広く駐車もしやすい土地よりも袋小路の土地は価格が安くなりがちですが、地域や立地によっては比較的高値で売れることもあります。
たとえば競合物件が少なく駅近の都市部であれば袋小路の土地であっても強気の価格で売れることもあり、需要があれば袋小路特有のデメリットがあっても買い手は見つかります。
さらに袋小路の土地が持つメリットをしっかりアピールすることで買い手の購入意欲を高め、早期売却に成功した事例もあります。
このように袋小路の土地は相場よりも安くなりやすく売りにくいですが、状況次第では通常の物件と変わらない売買が可能になることも知っておきましょう。
その一方で土地形状や立地の良い競合物件が多い場合は需要があっても相場より安くなってしまうことから、袋小路の土地を売る時は公開するタイミングも重要です。
袋小路の土地などの難しい物件でもすぐに買い手を見つけられる不動産会社はこうした時期や価格のコントロールなどのノウハウを持っていることが多く、安心して販売を任せることができます。
そのため袋小路の土地は売り方次第で安くも高くもなる可能性があるといえることから、不動産会社は慎重に選ぶことが大切といえるでしょう。

袋小路の土地を高く売却する方法

袋小路の土地は相場よりも安くなるどころか再建築できなければ売却自体ができないこともありますが、工夫次第で高く売却する方法はいくつかあります。
そのため処分に困っているからといって安く売却してしまう前に、この章で解説する方法を試してみましょう。

建て替えができるようにする

現行法令に適法していないため再建築ができず、その結果売却できないのであれば建て替えができる状態にしてしまうことで高値売却が可能になります。
袋小路の土地が再建築不可になる理由として接道要件を満たさないというケースが多く、2m以上接道を確保することで再建築を可能にすることができます。
これにより一般的な土地と変わらない価格で売却することができるため、不動産会社からの査定額が低かった場合にはチャレンジしておきたい方法といえます。
接道要件を満たすためには次の方法があります。

  • 位置指定道路の申請をする
  • 但し書き規定の申請をする
  • 隣人から土地を購入する
  • 隣人と土地の交換をする

位置指定道路とは都道府県知事や市町村長などの特定行政庁が指定した私道のことで建築基準法上の道路として認定されます。
但し書き規定とは本来道路として認められない道路を特例として認める規定のことで、周囲に公園・緑地・広場等の広い空地があれば建築委員会によって道路を認められる可能性があります。
どちらも行政の許可を得ることになる上に申請をクリアするためのハードルが高いですが、クリアすれば現行法令に違反しない土地にすることができるため相場通りの価格で売却が可能になります。
一方、単純に接道を2m確保できるよう隣人から土地を購入したり土地の一部を交換する方法もあり、行政の許可を取得するよりもハードルは低いといえます。
この方法によって2以上の接道を確保し、袋小路の土地を相場に近い価格で売却できた売却事例もありますが、隣人と土地売買や土地交換をするのであれば普段から良好なコミュニケーションを取っておく必要があります。
隣人としても知らない人が急に「土地を譲ってくれ」と言われても合意しにくく、警戒される可能性は高いといえるでしょう。
そのため隣人と土地売買や土地交換をするのであれば、常日頃からのコミュニケーションが鍵となります。
これ以外にも土地を隣人から借りるという方法もありますが金融機関によっては接道要件を満たしていないとみなされることもあり、買い手が住宅ローンの融資を受けられないトラブルに繋がることがあります。
このように接道要件を満たし建て替え可能にできる方法にはハードルや問題点はあるものの、高値売却を目指すためにも模索すべきといえるでしょう。

関連記事:袋地と接道義務とは?接道義務を満たして再建築・活用する方法についても解説!

解体し、更地を隣人に売却する

土地を公開して買い手を募集するのではなく、更地にして隣人に売却する方法は売却後のトラブルが少ないというメリットがあります。
隣人としてもよく知っている土地を購入するので安心感があるだけでなく資産価値も増えることになるため、積極的に購入を検討するケースは多いです。
むしろ隣人に声掛けせずに物件を公開し買い手が見つかってしまうと「なんで声を掛けてくれなかったのか?」とトラブルになることもあり、測量の立会や署名押印を拒否されることも少なくありません。
そのため一般仲介によって売却する場合であってもまず最初に隣人へ挨拶し、購入の意思があればそのまま価格のすり合わせと売買契約について協議することをおすすめします。
ただし個人間売買は仲介手数料などの費用がかからない一方で、売買契約書の作成から解体、測量、司法書士の手配、不動産決済の調整を全て当事者で行わなければなりません。
その結果不動産会社が仲介に入っていれば起こり得ないトラブルが発生することもあるため、不動産会社に仲介を依頼するのがおすすめです。

耐震補強のリフォームを行う

袋小路の土地に建物が残存している場合、耐震補強工事とリフォームを行うことで「中古戸建」として高値売却できるようになります。
袋小路の物件に限らず中古戸建は耐震性と耐久性の高さが購入判断の重要なポイントとなり、リフォームによって外観と内装が新築のような状態になっていれば買い手が見つかる可能性が高くなります。
袋小路の物件を土地として販売した場合は再建築できるかどうかが問題となってしまいますが、中古戸建であれば建築許可の取得は不要なため買い手はそのまま生活することが可能です。
このように耐震補強工事とリフォームは袋小路の物件を高く売るための有効な方法といえますが、建て替え不可の条件がクリアになるわけではないため注意が必要です。
再建築不可の中古戸建として販売するため通常の物件よりも販売は長期化する可能性があり、さらに金融機関からの融資ができない物件になってしまうことも考えられます。
これ以外にも袋小路の土地は前面道路が狭く通行許可が必要なためリフォーム費用が高くなりやすいというデメリットもあり、通常よりも数百万円高くなることも珍しくありません。
相場よりも高いリフォーム費用を払い中古戸建として販売したものの買い手が融資を受けられない物件だということに後から気づくケースも少なくないため、この方法を選ぶ場合は不動産会社と売却できる可能性について十分に協議する必要があります。

袋小路の土地にあるメリットを伝える

袋小路の土地はデメリットや注意点がありますがメリットもあるため、うまく伝えることで買い手が見つかりやすくなります。
一番わかりやすいメリットとして車通りがほとんどなく静かな環境があります。
前面道路は袋小路の土地と隣人しか使用しないため知らない人が侵入してくることはほとんどなく、隣人が問題なければ道路で子供を遊ばせていても安全なケースも多いです。
そのため不審者がいてもすぐに気づくことができるため防犯性が高く、さらに大通りから距離を取ることができるため走行音や排ガスの影響を受けにくく比較的静かな環境で生活することができます。
さらに袋小路の土地は固定資産税の評価額が他の土地よりも安くなるため、毎年支払う固定資産税が安くなるという点も大きなメリットです。
これらのメリットをうまく買い手にアピールし、「こういう生活もアリだね」と思ってくれる広告や販売戦略を立てることが大切です。
たとえば在宅ワークが多く車をあまり使わない人は静かな環境をメリットに感じてくれやすいことから、リモートワークの人が興味を持ちそうなチラシや内覧の仕方を考えることが大切です。
このように売却しにくい袋小路の土地であっても、工夫次第で高く売ることができます。

専門の不動産買取会社へ売却する

接道要件のクリアや耐震補強工事、メリットを伝えるなどの工夫をしても売れない場合は、専門の不動産買取会社に買取を依頼しましょう。
一般的な仲介で高値売却できれば問題ありませんが、接道要件をクリアすることはそもそも難しくリフォーム費用を先払いしても買い手が見つかるか分かりません。
また袋小路の土地が持つメリットを活かしきれないことも多いため、販売が長期化する前に買取の査定依頼を検討することをおすすめします。
不動産買取は仲介のように買い手を探すことはせず、不動産会社が直接買い手となって売買契約を締結する売却方法です。
仲介をしないため仲介手数料がかからず測量や草むしりをすることなくそのまま処分できることから、有効活用する予定のない袋小路の土地を売却するのにうってつけといえるでしょう。
特に訳あり物件や再建築不可物件の買取を専門とする買取会社に依頼することで他の会社よりも高値で買取してくれることから、袋小路の土地を積極的に買取している会社に査定を依頼するのがポイントです。
査定時も現地立会することなく契約から決済まで最短で進めてくれますので、手間をかけることなく袋小路の土地を処分したい人に向いている方法といえるでしょう。
なお、不動産買取会社を選ぶ際には必ず袋小路の土地を買取した実績がある会社から複数社検討し、Googleの口コミや担当者の対応が良い会社に依頼することをおすすめします。

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まとめ

袋小路の土地は車の出入りが難しい上に隣人の許可が必要なケースもあり、さらに災害時は逃げ遅れる可能性もあることから売却しにくい不動産といえます。
そのため相続などで袋小路の土地を所有してしまった人の中には活用や処分ができないまま固定資産税を支払い続け、悩んでいる人も多いです。
しかし袋小路の土地といえど売却する方法はいくつかあり、市場や立地によってはすぐに売れることも少なくありません。
袋小路の土地が処分できずに諦めてしまう前に、売れない理由を正しく理解しその上で売却するための工夫をすることが大切です。
行政に申請したり隣人から土地を購入するなど高値で売却するための方法がいくつかあり、さらに売れない場合は不動産買取という選択もおすすめです。
売るための方法が分からない人はなるべく早い段階で不動産会社に相談し、最適な売却方法について提案をもらうことが重要といえるでしょう。

       

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