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宮城の空き家補助金を解説ー解体・リフォームなどで活用!申請の流れや注意点も

空き家 補助金 宮城

「宮城県にある実家を相続したが、リフォーム費用が高額で手が出ない」「解体したいが、資金不足で放置してしまっている」
高額な費用負担への悩みは、宮城県内で空き家を所有する多くの方が抱えています。仙台市をはじめとする都市部から、人口減少が進む沿岸・内陸部まで、地域を問わず「空き家の管理コスト」は所有者にとって重い負担です。
宮城県内の多くの自治体では、空き家所有者の金銭的負担を軽減するため、解体や改修(リフォーム)、取得費用に対する補助金制度を設けています。条件に合致すれば、数十万円から百万円単位の助成を受けられるケースもあり、活用しない手はありません。
しかし、補助金制度は自治体ごとに名称や要件が異なり、「自分の物件が対象になるのかわかりにくい」という声も聞かれます。申請のタイミングを誤ると、不採択となるリスクもあります。
本記事では、宮城県の事情に詳しい筆者が空き家補助金の種類や特徴、申請時の重要なポイントについて解説します。費用負担を抑え、空き家問題を解決するための参考にしてください。

この記事でわかること

  • 宮城県における空き家増加の現状とリスク
  • 宮城県内の自治体で利用できる補助金
  • 補助金申請で失敗しないための手順と注意点
  • 補助金活用が難しい場合の解決策

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宮城県の空き家問題、現状は?

宮城県における住宅ストック数は増加傾向にありますが、同時に空き家数も年々増加の一途をたどっています。
東日本大震災の影響により一時は減少したものの、現在は再び増加傾向にあり、令和5年時点での空き家率は12.4%となりました。これは県内の全住宅の1割以上が空き家であることを意味しており、地域社会にとって解決すべき深刻な課題となっています。
特に問題視されているのが、適切な管理が行われていない「放置空き家」の存在です。
宮城県の空き家増加という状況を受け、県内の各市町村では「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、管理不全な空き家に対する指導を強化しています。自治体からの改善勧告に従わない場合、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、税負担が最大6倍になるペナルティが課されます。
所有者には、空き家を「放置する」のではなく、補助金を活用して「直す・壊す」か、あるいは「売却する」といった具体的なアクションが求められています。
【参考:令和5年住宅・土地統計調査

空き家問題解決策のひとつ「補助金制度」

空き家の管理や処分には多額の費用を要しますが、国や自治体の補助金制度を活用すれば、自己負担を大幅に軽減できる可能性があります。
国は現在、社会問題化する空き家を減らすため、地方自治体と連携して集中的な支援を行っています。補助金制度は、活用目的によって主に以下の4つのカテゴリーに分かれています。
・リフォーム・改修:空き家を再び住居や賃貸物件として再生させるための支援です。耐震補強や省エネ改修とセットで行うことで、補助額が加算される仕組みが多く見られます。
・解体・除却:管理不全で危険な空き家を減らすための支援です。倒壊の恐れがある建物の解体を促し、更地としての土地活用を後押しする狙いがあります。
・取得・購入:空き家バンク等を通じて物件を購入する際の支援です。子育て世帯や若者世帯の移住を促し、地域の活性化を図ることを目的としています。
・家財処分:物件内の不用品を処分するための支援です。売却や賃貸に出す前の「片付け」という初期ハードルを下げるために用意されています。
空き家補助金制度の多くは、予算の範囲内で先着順に採択されます。また、原則として「契約・着工前の申請」が絶対条件となるため、補助金ありきで計画を立てる際は、まず自治体の窓口へ制度の有無を確認しましょう。

宮城県で使える空き家関連補助金

宮城県内の各市町村でも、空き家の解消や利活用を促進するために多様な補助金制度を用意しています。
ここからは、県内で利用できる主な補助金を目的別に紹介します。ご自身の目的に合った制度がないか、確認してください。

空き家のリフォーム・改修に関する補助金

宮城県内では、定住促進や少子化対策と連動し、子育て世帯や若者世帯が空き家をリフォームして住む場合に手厚い補助を行う自治体が多く見られます。また、「空き家バンク」への登録を補助の要件とする自治体も少なくありません。
県内の主なリフォーム・改修補助金は以下の通りです。

市町村名 制度名 補助上限額 主な条件
大崎市 三世代リフォーム支援事業 75万円(加算あり) 補助率:対象経費の1/3
・市内住宅の所有・居住者
・市税の未納なし
・40歳以下の若者世帯を迎え入れる三世代同居
・大崎定住自立圏・隣接市以外からの移住者との同居
・工事完了後、三世代で同居
石巻市 石巻市定住促進住宅取得等補助金 50万円 補助率:対象経費の50%
・市税の滞納なし
・反社会的勢力でないこと
・子育て世帯
・市外からの移住または市内賃貸からの定住
・無償取得でないこと ほか
気仙沼市 空き家改修支援事業補助金 50万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家バンク登録物件
・申請日前1年以内の取得・賃借
・親族・関係法人との取引不可
・交付後3年間の制限あり
南三陸町 空き家利用促進事業補助金 40万円(加算あり) 補助率:対象経費の1/2
・空き家バンク登録物件
・契約締結から1年以内
・申請年度内に工事完了見込み
塩竈市 空き店舗等利活用促進事業費補助金 50万円 補助率:対象経費の1/2
・商業地域内の空き家・空き店舗
・所有者または事業者
色麻町 色麻町定住促進住宅取得等補助金(リフォーム) 50万円 補助率:対象経費の1/2
・40歳未満の子育て世帯
・町税滞納なし
・床面積60㎡以上
・町内事業者施工
川崎町 住宅修繕改修補助金 15万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家の修繕・改修
・バリアフリー化、省エネ化等も対象

空き家の解体に関する補助金

宮城県内では、倒壊の危険がある空き家や、長期間使用されていない家屋の解体費用を補助する制度が数多く設けられています。
補助額は自治体により異なりますが、七ヶ宿町の最大100万円をはじめ、仙台市や気仙沼市、大崎市などでも50万円〜60万円を上限とした手厚い支援が行われています。
解体によって更地にすることで、管理の手間がなくなるだけでなく、土地としての流動性も高まります。行政指導を受ける前に、自主的な対策を進めることが重要です。

市町村名 制度名 補助上限額 主な条件
仙台市
特定空家等除却促進補助事業
50万円 補助率:対象経費の1/3
・仙台市内の特定空家等
・法人所有でないこと
・助言・指導または勧告の対象(命令対象は除外)
・権利関係の整理済み(所有権以外は同意取得)
・所有者等による申請(相続人・代理人含む)
・市税滞納なし・反社会的勢力でないこと
・適切な管理の意思表示
大崎市
危険空家等除却費補助金
50万円 補助率:対象経費の1/2
・昭和56年5月31日以前建築の空家等
・建替え(新築・改築)に伴う除却でないこと
・所有権・賃借権以外の権利設定なし
・市内事業者による施工(解体業登録または建設業許可)
丸森町
空き家利活用促進支援事業補助金(解体)
50万円 補助率:対象経費の1/2
・市町村民税等に滞納がない方
・1年以上居住及び使用に供されていない住宅
・空き家を解体後に土地を売却または賃貸しようとする所有者
気仙沼市
不良住宅空家除却費補助金
60万円 補助率:対象経費の1/2
・気仙沼市内の居住用住宅(市の事前調査で不良住宅判定)
・故意破損・他補助・移転補償の対象でないこと
・居住用途の住宅(併用住宅は居住部分が延床1/2以上)
・所有者等による申請(相続人・財産管理人含む)
・市税滞納なし
七ヶ宿町
七ヶ宿町住みたい住宅応援事業(解体)
100万円 補助率:対象経費の1/2
・町内の空き家の所有者または管理者
・空き家の環境整備を目的とした解体
・町税等の滞納なし
・空き家を町内に所有・管理している者

空き家の取得に関する補助金

移住・定住の促進と空き家の解消を目的として、空き家の購入費用に対する手厚い補助制度が設けられています。
補助金額の大きさは特筆すべき点です。女川町の最大150万円や、石巻市の最大130万円(加算あり)、気仙沼市・松島町の最大100万円など、購入費用の負担を大幅に軽減できる制度が存在します。
対象者は「若者世帯」や「子育て世帯」に重点が置かれています。大衡村や栗原市、松島町では申請者等の年齢を「40歳未満」や「40歳以下」に設定しており、村田町や東松島市では中学生以下の子を持つ世帯や転入者を優遇しています。
購入契約を結ぶ前に、自身の世帯状況や購入予定の物件が要件に合致するか、確認作業を行うことが不可欠です。

市町村名 制度名 補助上限額 主な条件
女川町
定住促進事業補助金(中古住宅取得)
150万円 ・町内在住者または女川町への移住者
・定住目的での住宅取得(新築・中古・建替え)
・補助後10年以上の継続居住
・住民税等の滞納なし(世帯全員・過去5年)
気仙沼市
空き家取得補助金
100万円 補助率:対象経費の1/2
・市空き家バンク登録物件の購入(売却価格200万円以上)
・移住者/二地域居住者等/子育て世帯のいずれか
・居住目的での取得(店舗・事業併用可)
・市税等の滞納なし・反社会的勢力でないこと(世帯員含む)
・同一物件・申請者ともに過去の本補助の利用なし
東松島市
定住化促進事業補助金(中古住宅)
住宅取得費用の10%または50万円のいずれか低い方 ・市内住宅の取得契約を締結済み
・市税等の滞納なし
・移住・転入者/市外居住からの取得
・市内賃貸からの住宅取得(居住期間2年以内)
・Uターン(市外居住→実家・親族所有住宅)
・契約時期が指定年度内
松島町
定住促進事業補助金
100万円 補助率:対象経費の10%
・町外から転入、40歳未満または震災で半壊以上の被災町民
・平成23年3月11日以降の取得
・定住目的(5年以上の住民登録)
・市町村税等の滞納なし
・暴力団関係者でないこと
大衡村
おおひらむら若者世帯定住促進補助金
50万円(+加算あり) ・令和7年4月1日以降の取得
・取得価格500万円以上(土地代除く)
・申請者または配偶者が40歳未満
・税金等の滞納なし
・暴力団関係者でないこと
栗原市
若者定住促進助成事業
年20万円(最長3年) 毎年末の借入金残高の5%
・契約時40歳以下
・転入者または多世代同居世帯
・住宅取得のための長期ローン(10年以上)
・公共補償によらない取得
・市税等の滞納なし
登米市
住まいサポート事業補助金
25万円(世帯区分により変動)+加算あり 補助率:対象経費の1/10
・市外からの転入者(転入前1年以上市外)
・転入後2年以内の取得
・取得後6か月以内の申請
・5年以上の定住意思
・市税等の滞納なし
・暴力団関係者でないこと
加美町
加美町ファミリー住ま居る(スマイル)住宅取得補助金
45万円(中古最大) ・定住意思
・地域コミュニティ活動への協力
・町税の滞納なし
・その他対象世帯別条件あり
村田町
村田町定住促進事業
15万円 ・転入世帯:過去3年間、町内に住所がない世帯
・子育て世帯:中学生以下の子を養育
・平成26年4月1日以降の土地売買契約による住宅取得
・相続・贈与による取得は対象外
・町税等の滞納なし(世帯全員)
・取得後5年以上の定住
石巻市
石巻市定住促進住宅取得等補助金
130万円(+加算あり) 補助率:対象経費の10%
・市区町村税の滞納なし
・暴力団関係者でない
・市の移住施策による委嘱者(任期中)は対象外
・市外在住の子育て世帯:過去1年以内に市内居住なし、住宅取得の意思
・市内賃貸の子育て世帯:居住2年以内、直前1年は市内居住なし、住宅取得・定住の意思

空き家の家財処理に関する補助金

空き家に残された家具や家電などの「残置物」は、売却や賃貸を進める上で大きな妨げとなります。処分には数十万円の費用がかかることも珍しくありませんが、自治体の補助金で負担を軽減できます。
宮城県内では、山元町が最大20万円という手厚い補助を用意しているほか、川崎町や大和町では最大10万円、利府町や大郷町では最大5万円を助成しています。

市町村名 制度名 補助上限額 主な条件
山元町
空き家家財道具等処分支援補助金
20万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家バンク登録者または宅建業者との媒介契約者
・公共料金等の滞納なし
・暴力団関係者でない
・事業用物件でない空き家
・申請時に未居住・未使用
・3親等内親族の入居予定なし
川崎町
クリーニング補助金
10万円 補助率:対象経費の1/2
・町民または移住者(法人含む)
・定住目的で空き家の売買・賃貸契約
・町内への転入および定住意思
・転入前2年間の町内居住実績なし(移住者)
・転入後1年以内の入居(移住者)
・町税等の滞納なし
・生活保護受給者でない
利府町
空き家バンク利用促進補助金
5万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家バンク登録物件の取得または賃貸契約
・町外居住者(利用希望者登録時)
・所有者等の3親等以内親族でない
・市区町村税の滞納なし
大郷町
空き家家財道具等処分費用助成事業
5万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家バンク登録物件の所有者等
・交付決定日から2年以上の継続登録
・町税等の滞納なし
・町内事業者による残存家財等の処分
大和町
大和町空き家家財等片付け支援事業
10万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家・空き店舗バンク登録物件の所有者
・2年以上の継続登録意思
・過去3年間の市町村税等の滞納なし
・同補助金の過去受給なし

その他の補助金

リフォームや解体といったハード面の工事だけでなく、空き家を活用した起業や、移住に伴う引っ越し費用などを支援するユニークな制度が設けられています。
特に注目すべきは「事業活用」に対する支援です。石巻市では空き地や空き店舗を活用して事業を行う場合、最大250万円(購入費込み)という高額な助成を行っています。名取市でも、空き家を活用した起業に対して最大100万円を補助しており、地域活性化の拠点としての活用を後押ししています。
また、ソフト面での支援として、川崎町では移住者の引っ越し費用を最大10万円補助する制度があり、南三陸町では空き家バンクに登録するだけで2万円の奨励金が交付されます。
起業や移住を支援する多種多様な制度は、空き家の「使い道」を広げる大きなきっかけとなります。自身の状況に合致する支援がないか、幅広く情報を集めることが大切です。

市町村名 制度名 補助上限額 主な条件
石巻市
空き地・空き店舗活用事業助成金
最大250万円(購入費込) 補助率:各対象経費の1/2
・自己資金20%以上の確保
・市税の滞納なし
・必要な許認可の保有または取得確実
・暴力団関係者でない
・対象業種で事業実施(空き地・空き店舗)
・週4日以上、1日3時間以上の営業
・2年以上の継続活用
・所有者と親族等の関係がないこと(2親等以内不可)
・住居専用・倉庫専用利用でない
・賃借の場合、1年以上の賃貸借契約
名取市
空き家住宅有効活用起業支援事業補助金
100万円 補助率:対象経費の1/2
・空き家の所有・賃借・購入者
・改修工事完了後、1年以上の継続開業
・賃貸の場合、所有者の改修許可取得
南三陸市
空き家バンク登録奨励金
空き家1軒につき2万円 ・空き家バンク登録物件の所有者
・登録期間1年以上の物件
川崎町
移住定住促進補助金(引越し)
10万円 補助率:対象経費の1/2
・定住目的での空き家の売買・賃貸契約
・町内への転入および定住意思
・転入後1年以内の入居
・転入前2年間の町内居住実績なし
・町税等の滞納なし
・生活保護受給者でない

補助金を受けるための流れと注意点

補助金は、単に申請書を提出すれば受け取れるものではありません。事前の相談から交付決定、工事の実施、そして実績報告まで、定められた手順を確実に踏む必要があります。
一般的な申請フローは以下の通りです。

  • 1.事前相談:自治体の窓口で、対象物件や工事内容が要件に合致するか確認します。
  • 2.交付申請:見積書や図面などの必要書類を添えて申請を行います。
  • 3.交付決定通知:自治体から審査結果(許可)が届きます。
  • 4.契約・着工:必ず決定通知を受け取ってから契約・着工します。
  • 5.実績報告:工事完了後、完了写真や領収書などを提出します。
  • 6.補助金交付:指定口座に補助金が振り込まれます。

申請漏れや不備を防ぐために知っておくべき、必要書類と手続きのポイントを以下に整理します。

申請に必要な主な書類

自治体や制度によって異なりますが、申請時には多くの書類が必要です。取得に時間を要する公的証明書もあるため、早めに手配しましょう。以下は一般的な必要書類の例です。

  • 交付申請書:各自治体の指定様式。
  • 事業計画書:工事の内容やスケジュールを記載した書類。
  • 工事見積書:工務店や解体業者から取得した内訳明細付きのもの。
  • 現況写真:工事前の建物全景や、改修・解体箇所の写真。
  • 位置図:対象物件の場所を示す地図。
  • 登記事項証明書:建物の所有者や権利関係を証明する書類(法務局で取得)。
  • 市町村税の納税証明書:滞納がないことを証明する書類。
  • 誓約書など:暴力団排除に関する誓約書など。(※交付申請書に含まれる自治体もあります)
  • v

写真撮影や図面の作成、見積書の用意などは、リフォームや解体工事を依頼する業者へ相談することでスムーズに進められます。申請の準備段階から、施工業者と連携を取っておくことが大切です。

申請する上での注意点や落とし穴

補助金申請において、最も多くの失敗事例は「着工タイミング」に関するものです。
原則として、交付決定通知が届く前に契約や工事着手を行うと、補助金の対象外となります。「急いでいるから先に工事を始めた」という理由は通用しません。必ず審査期間(通常2週間〜1ヶ月程度)を見込んでスケジュールを立ててください。
また、予算枠の上限にも注意が必要です。多くの自治体では、年度ごとの予算がなくなり次第、受付を終了します。特に人気のある補助金は、年度初めの数ヶ月で枠が埋まるケースもあります。
さらに、工事完了後の「実績報告」を忘れてはいけません。期限内に報告書を提出しない場合、交付決定が取り消される恐れがあります。工事中も「工事写真」を工程ごとに撮影し、報告用の証拠を残しておくことが求められます。

補助金以外で空き家問題を解決する方法

補助金制度は費用負担を軽減する有効な手段ですが、すべての空き家所有者にとって最適な解決策とは限りません。建物の状況や所有者の資金力によっては、補助金を利用しても根本的な解決に至らないのが実情です。
「補助金を使って維持し続ける」以外にも、空き家を手放したり、別の形で活用したりする方法があります。視野を広げて検討することが重要です。

補助金だけでは難しいケースがある

費用負担を抑えられる補助金制度ですが、建物の状態や所有者のライフスタイルによっては、活用が適さない場合もあります。特に以下のような状況では、補助金の利用がかえって負担になる可能性があります。

・費用が不足している:補助金はあくまで一部助成であり、全額はカバーされません。また、多くの制度は工事完了後の「後払い」です。一時的に工事費全額を立て替える現金を用意できなければ、そもそも工事を発注できません。

・手続きが面倒:申請には見積書、図面、現況写真、公的証明書など膨大な書類が必要です。平日の日中に何度も役所へ足を運ぶ必要があり、遠方に住んでいる場合や多忙な方にとっては、申請手続き自体が大きなハードルとなります。

・活用する予定がない:リフォームや解体を行っても、工事完了後の使い道が決まっていなければ、費用対効果が低くなる恐れがあります。住む予定も貸す予定もない場合、きれいになったとしても固定資産税や維持管理の負担は続きます。
「資金の持ち出しをしたくない」「将来も使う予定がない」という場合は、補助金に頼らず、物件そのものを売却する選択肢を優先して検討しましょう。

空き家を売却する

将来的に住む予定がない空き家であれば、「売却」が最も根本的な解決策です。
売却には、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」と、不動産会社が直接買い取る「買取」の2種類があります。特に築年数が古い空き家や、荷物が残っている状態の空き家は、一般の買い手が見つかりにくい「仲介」よりも、業者が買い取る「買取」が適しています
空き家の買取に特化した「空き家パス」のような専門サービスであれば、他社で断られるような物件でも対応可能です。買取を利用することには、以下のメリットがあります。
・現状のまま引き渡し可能:多額の費用をかけて残置物を撤去したり、リフォームを行ったりする必要がありません。
・契約不適合責任の免責:売却後に建物の不具合が見つかっても、売主が責任を負う必要がありません。
・現金化が早い:買い手を探す期間が不要なため、短期間で手続きが完了します。
固定資産税や管理の手間から完全に解放される点は、所有者にとって大きな精神的メリットとなります。補助金申請の手間や費用負担に悩む場合は、まずは現状のままで査定を受けてみることをおすすめします。

関連記事:宮城県の空き家・不用品買取業者おすすめ8選|売却相場やすぐに買い取ってもらうためのポイントを解説

空き家バンクを活用する

自治体が運営する「空き家バンク」に物件を登録し、移住希望者などの買い手を探す方法です。
営利を目的としないため、登録料は無料です。田舎暮らしを希望する層にアプローチできるため、都市部の不動産会社が扱わないような郊外の物件でも、マッチングする可能性があります。
一方で、自治体はあくまで情報の掲載を行うのみで、売買交渉の仲介は行いません。契約手続きは当事者間で行うか、地域の宅建業者に依頼する必要があります。また、買い手が現れる保証はなく、登録から数年が経過しても売れ残ってしまう状況も珍しくありません。
成約時期の予測が難しいため、売却までの期間に余裕を持てる場合に適した選択肢といえます。

空き家を活用する

空き家を手放さずに資産として維持する場合は、リフォームを行って第三者に貸し出し、活用する方法を検討します。一般的な賃貸住宅や民泊施設としての利用に加え、仙台市などの都市部や観光地に近いエリアでは、シェアハウスやコワーキングスペースといった需要も見込めます。
事業が軌道に乗れば、定期的な家賃収入によって、所有しているだけで発生する固定資産税や管理費を賄うことが可能です。しかし、入居者を募集するためには、水回りの設備更新や内装工事など、数百万円規模の初期投資が必要となるケースが少なくありません。
リフォーム費用に対して将来的な収益が見合うのか、地域ごとのニーズを見極めた慎重な収支計画が求められます。

よくある質問とトラブル例

空き家の補助金活用や処分方法については、所有者が抱える悩みは共通しています。ここでは、特に問い合わせの多い5つの疑問について、専門家の視点から回答します。

Q:補助金と売却、どちらが良いですか?

「将来的に誰かが住む予定があるか」が判断の基準となります。
ご自身やお子様が住む、あるいは賃貸物件として収益化する明確な計画がある場合は、補助金を活用してリフォームを行い、資産価値を高める選択が賢明です。
一方で、「とりあえず更地にしておきたい」「いつか使うかもしれない」といった曖昧な理由であれば、売却をおすすめします。固定資産税や維持管理費は毎年発生し続けるため、保有し続けるコストが補助金のメリットを上回る可能性が高いためです。

Q:古い空き家や傷みがある空き家でも補助金は使えますか?

はい、対象になります。むしろ、老朽化が進んだ空き家ほど、行政からの支援を受けやすい傾向にあります。
特に「解体」に関する補助金は、倒壊の恐れがある「昭和56年以前の旧耐震基準の建物」を主な対象としています。また、リフォーム補助であっても、耐震補強工事とセットで行うことで補助金が上乗せされる事例もあります。
諦めずに、自治体の防災担当や建築担当の窓口で相談してください。

Q:補助金申請が難しそう…誰かに頼めますか?

はい、専門家のサポートを受けられます。
工事を依頼する解体業者や工務店の多くは、補助金申請の代行や書類作成のサポートに対応しています。見積もりを依頼する段階で、「補助金を活用したい」と相談してみましょう。
また、手続きが複雑な場合や、権利関係の整理が必要な場合は、行政書士などの専門家に依頼することも可能です。
専門家のサポートを得ることは、複雑な手続きの負担を軽減し、確実に補助金を受給するための有効な手段です。

Q:空き家を自治体に寄付できますか?

基本的にはできません。
多くの自治体では、個人の資産である不動産の寄付を受け付けていません。寄付を受けると、その後の維持管理や解体に税金(公費)を投入する必要が生じるためです。「公園や公民館として使える」といった明確な公益性がない限り、断られるケースがほとんどです。
「タダでもいいから手放したい」という場合は、寄付ではなく、不動産会社による買取や、空き家バンクを通じた無償譲渡を検討する必要があります。

Q:住宅セーフティネット制度とは何ですか?

「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅」の略称で、高齢者、低額所得者、子育て世帯など、住宅の確保が難しい方を受け入れる賃貸住宅として登録する制度です。
住宅セーフティネット制度に登録した空き家に対しては、専用の改修費補助が用意されています。一般的な補助金よりも手厚い支援を受けられる場合があるため、賃貸活用を検討している所有者は、同住宅セーフティネット制度の活用も視野に入れてみましょう。

まとめ

宮城県内では仙台市をはじめ、多くの自治体が解体やリフォームへの手厚い補助制度を設けています。
最大で100万円単位の助成を受けられる点は大きな魅力ですが、事前の申請や着工時期の遵守など、厳格なルールを守らなければなりません。予算枠には上限があり、年度途中でも受付を終了する自治体が多いため、早めの情報収集が不可欠です。
空き家管理に悩む方は、まず自治体の公式情報を確認し、施工業者へ補助金活用の相談をしましょう。その上で、補助金を使っても自己負担が重い場合や、将来の活用予定がない場合は、売却して手放すことも有力な解決策となります。
相続によって取得した不動産に住む予定がない場合は、売却も選択肢に入れましょう。空き家パスは、相続不動産の買取を得意とした不動産会社です。相続関係で複雑になっている物件や、再建築不可物件、訳あり物件など、他の不動産会社に断られた空き家でも買取を行っています。ご相談、査定は完全無料です。お気軽にお問い合わせください。

営業時間 10:00 ~ 19:00(土日祝を除く)

       

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