淡路島の巨大観音像が解体!約40年の歴史に幕を閉じた人気スポット
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淡路島巨大観音像の解体工事
兵庫県淡路島にある巨大観音像について、2021年6月から解体作業が開始されています。
今から39年前にできた、高さが100メートルくらいある、ニューヨークの自由の女神よりも大きいという観音像で、完成した当時は、淡路島のランドマークでもあり、下に美術館とかがあったりとかしてちょっとバブルの波にもってすごい人が訪れる人気スポットでした。
ですが、徐々に人も少なくなってきたところにオーナーが亡くなって、家族も相続放棄をされたことにより、国庫に帰属されました。最終的に国のものになったということです。
このままでは倒壊の恐れもあるため、国は8億8000万円をかけて解体着手した、というものです。
観音像解体に関するツイート
Twitter上にある、本件に関連するリアルな意見をいくつか引用します。
やはり地域に親しまれているとはいえ、いろいろな意見があるようです。人々の関心をひきつけていることがわかります。
淡路島平和大観音像の解体のニュース。
所有者が解体まで責任を持てなかったのは問題かもしれませんが、観音像が在りし日に地元に(限らず)与えた利益や恩恵について少し想像してみてもいいのではないかと思います。
マスコミ側も解体費用ばかりを喧伝してほしくないです。https://t.co/Tnyc4gLhlA pic.twitter.com/cYRaoQmxn4— つるま (@clane_2015) June 14, 2021
どこぞの成金が自分の地元淡路島に高さ100mと怪獣王並みのデカい観音像おっ建ててテーマパークみたいなのを作るも本人死去後に遺族が管理出来なくなって10年以上放置され結局解体と相成りましたが、解体に8億円かかるそうです(参考動画👉https://t.co/6i4J0xAhXA)。マジで壊して更地にするのも大変です
— 芹沢亀吉@反日非国民/龍神の預言者 (@Genbu108) February 17, 2022
おはよう御座います😺
淡路島の観音像去年言われてましたが!とうとうですか‼️
寂しいですね😔
なんかシンボルが無くなる様な
鳥ミンチの豆腐親子丼、黒豆、ヒジキ良いですね😺
ハジカミ生姜好きですが!買った事無いです🤗— なおみ (@dhNV6FELB6AuLN1) February 4, 2022
建立の経緯
観音像は1982年、淡路市釜口の海に臨む高台に建てられ、7月3日に開眼法要が行われました。見た目以上に思ったよりも最近という印象がありますが、現在は閉鎖され廃墟となっています。
ホテル経営者が私財を投じて出身地に建立
平和観音寺は、賃貸マンション、ビジネスホテルなどの経営で財を成した、オオウチグループの創業者で地元の名士である「奥内豊吉」さんという方が故郷への恩返しのため、総工費約53億円をかけて建立したということです。
多い日には一日2000人が訪れる
観光名所として有名となり、一時は1日2000人もの観光客が訪れるという、地域のシンボル的存在となっていた。
建立記念碑
建立記念碑には「全世界の平和と繁栄と万民の幸福を祈願する」と記されている。
台座部分の1階には本尊
観音像の台座部分の1階には「豊清山平和観音寺」として本尊が祀られており、宗教法人の認可は得ていないが、宗教施設の様相を呈しています。
大阪の街並みや大阪湾を一望する展望台
オープン当時は大阪の街並みや大阪湾を一望できる展望台の他、奥内さんの所有していた武具・柱時計コレクションや、宴会場、食堂、美術館、博物館、クラシックカーコレクションなどまさに盛りだくさんの展示がありました。
「むち打ち観音」の異名
首の周りにギプスか首輪のように見えるのは展望台です。そのまま見るとまるでむち打ちのように見えるため、「むち打ち観音」という異名があります。
展望台も、ガラスが割れていたりして老朽化が激しいようです。この観音寺に限らずですが、海岸近くの建物は人が手入れをしないとすぐにこのような状態になってしまうんですよね。
解体の詳細
観光スポットとして人気があった観音像ですが、所有者が2006年に死去したことをきっかけに管理が行き届かなくなっていました。観音像を相続する人もおらず、競売にかけて入札者を募るなど、手を尽くしたものの、これを所有しようとする人がいないため、2011年に大阪家裁が相続財産管理人を選任し、2012年3月から国の所有となっていました。
建立当時と異なり、地元の人々にとっては完全にお荷物状態となってしまった世界平和大観音像。今や「迷惑観音」とさえ呼ばれ、地域住民から不安視されていましたが、2020年4月、ようやく財務省近畿財務局が世界平和大観音像を解体すると発表しました。
腐食が進む
台風などの影響もあり、外壁の一部が崩落し、近隣住民が苦情の対象となったり、このままだと倒壊の危険性もあったりという声が多数あがりました。
撤去費用は8億8000万円
解体業者の入札には4社が参加し、結果としては大阪市の建設会社が落札しました。契約金額は8億8000万円です。
足場を組む
像の周りには、首から下の部分まで高々と足場が組み上げられ、その姿はまるでタワーマンションのよう。現在は頭部だけが見える状態となっています。1か月程度で頭部も足場で覆われるといいます。
頭の部分からモルタルを流し込む
解体は、頭部から順に、下へ向かって進めます。白色のモルタル外壁を、徐々に小さく切断しては像内部の空洞へ流し込んでいきます。
骨組みをクレーンで解体する
むき出しになった骨組みは、切断してクレーンを利用し地上へ降ろしていきます。この際に気を使うのが粉じん対策です。像の全面をシートで覆うと、強風時にあおられて危険なので、作業する部分をメッシュ状のシートで囲むなどし、安全と環境対策を両立させる必要があります。
2023年2月頃に解体完了予定
2021年6月から工事に着手しており、9月から観音像本体を切り分けて撤去にあたっています。観音像の台座にあたるビルを撤去して最終的に工事が完了するのは、2023年2月ごろになるということです。