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分筆できない土地にはどう対処する?手順や費用、注意点を解説

分筆できない土地にはどう対処する?手順や費用、注意点を解説

土地は法務局にある不動産登記簿にその情報が登録されており、一筆ごとに所有権や抵当権などの権利が設定されています。
一筆の土地を複数に分ける(分筆する)ためには、隣地との境界線を確定させるための手続きが必要です。しかし、中にはこの手続きができず分筆できない場合があります。
このコラムでは、分筆できない土地と、その場合の対応について説明します。

この記事で分かること

  • 分筆登記を行うためには、隣地の所有者に協力してもらい境界確定を行う必要がある
  • 境界確定ができない場合でも、筆界特定制度の利用、境界確定訴訟、不在者財産管理人の選任のいずれかの方法を取ることで土地を分筆することができる
  • 分筆登記は、土地家屋調査士への依頼、法務局や役所で資料収集、現地調査と現況測量、境界確認と境界標の設置、登記申請の流れで行う

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分筆できない土地とは

分筆登記と土地が分筆できない理由
まずは、分筆登記の定義とどのような場合に分筆を行うことができないかを確認しましょう。

分筆登記とは

分筆登記とは、不動産登記簿上の一筆の土地を複数に分けることを指します。土地はその一筆に対して所有者や抵当権者が存在します。分筆することで、切り分けた土地それぞれに別の所有権や抵当権などの権利を設定することができるようになります。そういったことから、分筆は以下のような場合で行うのが一般的です。

・土地の一部を売却する場合
・土地の一部を別の用途で利用する場合
・もともと複数人で共有していた土地をそれぞれの単独所有にする場合

土地が分筆できない理由

原則、分筆登記を行うためには、測量士主導のもと隣地の所有者に立ち会ってもらい、隣地との境界を確認しなければなりません。この境界立会の結果を経て筆界確認書を作成し、登記申請を行います。
しかし、中には後述する理由で境界立会が出来ない場合があります。この場合、分筆登記を行うことが困難となります。

分筆できない土地の例

分筆できない土地の例
それでは、どういった場合に分筆登記ができないか、その具体例を説明していきましょう。

隣地所有者が境界立会を拒否している

隣地所有者が境界立会を拒否している場合、隣地との境界を確定させることができません。境界立会は隣地の所有者との関係性が悪い場合などは、「時間と手間を割いてまで立ち会いたくない」と断られてしまうケースがあります。

隣地所有者が行方不明

境界立会をおこなってもらうべき隣地の所有者が行方不明の場合もありえます。その土地の所有者は、その土地の不動産登記簿で確認することができます。しかし、中には所有者に連絡がつかない場合があります。また、最後に登記された所有者から相続が何代も続いており、現在の所有者が誰かわからない場合もあります。この場合、境界立会を行うことができません。

最低面積を下回っている

分筆後の土地の面積が0.01平方メートル未満となる場合、分筆登記はできません。これは、不動産登記簿に記載される面積は0.01平方メートルが最小単位であり、これより小さい数字は記載できないためです。
また、地区計画で定められた最低敷地面積より小さい面積で分筆してしまうと、その敷地には建物を建築できなくなってしまいます。この最低敷地面積は市区町村により定められており、例えば東京都渋谷区では、第一種低層住居専用地域を対象として、恵比寿3丁目なら120㎡という最低敷地面積が定められています。この面積以下に分筆してしまうと建物を建築できなくなり、不動産としての評価が下がってしまいます。

土地が分筆できない場合の対処方法

土地が分筆できない場合の対処方法
境界確定ができない場合でも、筆界特定制度の利用、境界確定訴訟、不在者財産管理人の選任のいずれかの方法を取ることで土地を分筆することができます。

筆界特定制度を利用する

筆界特定とは、土地所有者の申請に基づき、法務局の筆界特定登記官が土地の実地調査や測量などの調査を行い、もともとあった筆界を明らかにするものです。筆界とは、不動産登記における土地の範囲を区画するものとして定められた線のことです。これまで述べてきた「境界」は所有権の範囲を示す線の意味合いで用いられますが、筆界はあくまで登記上の線であり、所有権の範囲を示さない場合もあります。筆界特定制度を利用すれば、後述する訴訟を起こさなくとも筆界に関する問題を解決することができます。
筆界特定は、管轄の法務局に申請することで利用することができます。筆界特定に係る手数料は、土地の価格により異なります。例えば申請人の土地とその隣の土地の価格の合計額が4,000万円の場合、手数料は8,000円です(別途測量が必要な場合は、測量費用が発生します)。

境界確定訴訟を起こす

境界確定訴訟とは、境界に関して隣人同士の認識が異なり争いあっている場合に、裁判所が第三者としてその境界を確定する訴訟です。前述した筆界特定制度は所有権の範囲を決めるものではありませんでしたが、境界確定訴訟は所有権の範囲も含めて、裁判所が決定します。そのことから、隣人が自分の土地にはみ出して土地を利用しているなど、トラブルに発展した場合の手段として取られるのが一般的です。
境界確定訴訟を行うためには、まず裁判所に対して訴状を提出します。その訴状は被告に送達され、被告は答弁書と呼ばれる反論書類を裁判所に提出します。その後、口頭弁論と実地検分を経て、判決が下ります。訴訟にかかる期間は2年ほどかかるほか、測量費用や弁護士費用などが発生し高額になってしまいます。それらのことから、境界確定訴訟はあくまで、隣人と所有権を争うための最後の手段として把握しておきましょう。

不在者財産管理人の選任

境界立会を依頼するべき隣人が行方不明と言う場合には、隣人の土地について不在財産管理人を選任し、その不在財産管理人との間で筆界確定を行うことができます。不在財産管理人は、土地所有者が不在である場合に、利害関係者からの申し立てにより選ばれた管理人が土地の管理や保存を行う制度です。管理人には、利害関係者がない第三者や弁護士・司法書士などの専門家が選ばれるのが一般的です。
不在者財産管理人は家庭裁判所への申し立てが必要です。数十万円の費用が発生するほか、不在者の財産から管理人の報酬を準備できそうにない場合は、申立人が予納金として30~50万円を納付するのが一般的です。

分筆登記の流れ

分筆登記の流れ
ここからは、一般的な分筆登記の流れを説明していきましょう。

土地家屋調査士への依頼

分筆登記は、土地家屋調査士への依頼が必要です。まずはネットで地域の土地家屋調査士を検索し、依頼しましょう。

土地家屋調査士が法務局や役所で資料収集する

依頼を受けた土地家屋調査士は、該当する土地について資料収集を行います。具体的には、公図や不動産登記簿の登記謄本などを確認し、土地の境界を確認します。

現地調査と現況測量

土地家屋調査士主導のもと、現地での調査をおこないます。資料と現況から新たに境界とする位置を計算し、測量を行います。

境界確認と境界標の設置

新たに境界となる土地に隣接する土地所有者に立ち会ってもらい、筆界確定を行います。この際、土地所有者と隣人の立会いが必要となります。隣人との間で境界を確認できれば、その土地所有者から署名と押印をもらい、境界標を設置します。

登記申請

土地家屋調査士が、地積測量図と呼ばれる図面を作成し、申請書とともに登記所へ申請します。これが受理されれば無事分筆は完了です。

分筆登記にかかる費用と期間

分筆登記にかかる費用と期間
分筆登記には登録免許税と土地家屋調査士への報酬が必要で、総額数十万円は必要となります。それぞれ説明します。

登録免許税

登録免許税とは、不動産登記簿の変更登記を行う際に支払わなければならない税金です。分筆登記の登録免許税は1筆ごとに1,000円です。もし、3筆に分筆した場合は3,000円発生します。

土地家屋調査士の報酬

土地家屋調査士への報酬は土地の広さや分筆の複雑さにより異なります。ただし、約100㎡の土地を二筆に分割する場合、数万円〜十数万円、測量が必要な場合は別途30~40万円ほどかかるのが相場です。

分筆登記の所要期間

分筆登記の所要期間の目安は、測量事務所にもよりますが、1~4ヶ月が相場です。測量などの必要がない場合は短く終わりますが、境界立会の相手が多い場合はより多く必要となります。

分筆に関連する注意点

分筆に関連する注意点
最後に、分筆を行う上で気をつけておいてもらいたい注意点について説明します。

相続時の分筆と税金

親の土地を兄弟で分筆して相続する場合、相続登記を行う前に分筆後を示す測量図面を作成し、それを遺産分割協議書に添付して誰が土地のどの部分を相続するかを明確に決めておきましょう。これを怠り共有名義で相続登記をしてしまうと、その後単独所有に変更するコストが発生してしまいます。
また、相続税の評価は分筆された土地ごとに別々で行います。分筆で土地の形状が変わるため、土地の評価額が変化する可能性があります。例えば、分筆により不整形地になってしまった場合、相続税の評価も下がる可能性があります。

分筆後の土地活用と価格

分筆後の土地をどうするか検討しておかなければならないというのも注意点です。土地活用に適した面積と形状であれば売却することも容易ですが、そうでない場合は固定資産税や都市計画税が毎年発生するだけの負債になってしまいます。土地活用するのか、思い切って売却してしまうのか考えておくようにしましょう。

分筆ができない場合は買取業者へ相談

このコラムでは分筆ができない場合の対策をお伝えしましたが、費用が発生することから、利用する予定がないという場合はそのまま買取業者へ売却するというのも手です。買取業者への売却は売却価格が少し低い傾向にあるものの、分筆できないような訳あり物件でもスピード感をもって買い取ってくれます。一度相談してみるとよいでしょう。

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まとめ

今回は、分筆できない土地への対処法を紹介しました。土地の分筆を行うためには隣地所有者の現地立会いが必要になりますが、立ち会いにはメリットが少ないことから、中には協力を得られない場合があります。その場合でも費用をかければ分筆できますが、利用する予定のない場合は買取業者へ相談しスムーズに売却するのもおすすめです。
空き家パスでは、不動産の無料査定を行っています。こういった訳あり物件の売却でお悩みの場合は、是非お気軽にお問い合わせください。

なお、売却の際の注意点についてはこちらの記事も参考にしてください。
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