長屋式住宅は売却しづらい?その理由と売却のコツを解説!
長屋式住宅を所有している方の中には、物件の売却をお考えの方も多いことでしょう。
しかし、一般的に長屋式住宅は売却しづらいと言われております。この記事では、その理由と売却する際のコツについて解説しております。
ぜひ長屋式住宅を売却する際の参考になさってください。
- 長屋式住宅の特徴
- 長屋式住宅が売却しづらい理由
- 長屋式住宅を売却するためのコツ
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目次
そもそも「長屋式住宅」とはどんな建物?
そもそも「長屋式住宅」とはどういった建物なのでしょうか?しっかりと理解している人は意外と少ないことでしょう。
まずはその特徴について解説していきます。
隣家と壁を共有している物件
「長屋式住宅」とは、隣家と壁を共有して連なっている建物のことを指します。共同住宅などと違って、隣り合う住戸はそれぞれ独立したものであるというのも特徴です。近年では、テラスハウスやタウンハウスといったおしゃれな呼び方をされることも多いようです。
他の物件よりも安く購入できる
マンションやアパートなどの共同住宅は、建築基準法の特殊建築物にあたり、厳しい規制が設けられております。
一方で、長屋式住宅はいわゆる集合住宅でありながらも、共同住宅とは異なり特殊建築物にあたりません。
そのため規制が厳しくなく、共同住宅よりも安く購入できる傾向にあります。また、長屋式住宅は古くに建設されたものが多く、そういったことも相まって相場が安くなっているのです。
このように、他の物件よりも安く購入できる点も、長屋式住宅の特徴と言えるでしょう。
切り離し(解体工事)ができない場合がある
先述した通り、長屋式住宅は古くに建設されたものが多い傾向にあります。
そのため、老朽化などによって物理的に「切り離し」と呼ばれる解体工事が難しいケースがあるのも特徴です。
また、古くに建設された建物は、現行の建築基準法を満たしていない場合も多く、法的に再建築が不可能なこともあります。
特に、幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけないという「接道要件」を満たしていないと、再建築不可物件と認定されてしまいます。
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
引用: 建築基準法 | e-Gov法令検索
このように、長屋式住宅は物理的・法的な要因で切り離し工事や再建築ができない場合が多いです。そして、それこそが長屋式住宅の抱える最も大きな問題点と言えるでしょう。
なぜ長屋式住宅は売却しづらいのか
このような特徴を持つ長屋式住宅ですが、一般的に売却しづらいとも言われています。それでは、なぜそう言われるのでしょうか?
その理由を一つずつ解説していきましょう。
住宅ローンの審査が通りづらい
まず挙げられる理由として、長屋式住宅は住宅ローンの審査が通りづらいというものがあります。
そして、その理由は以下の通りです。
- 担保価値が低い傾向にある
- 現行の建築基準法に適合していないことが多い(既存不適格)
- 最低敷地面積を満たしていないことが多い(再建築不可)
長屋式住宅には古い物件が多いため、切り離し工事や再建築が物理的に不可能なことも多いです。仮に工事が可能でも、長屋式住宅の工事には隣家の同意や調整が必要になります。長屋式住宅は、このような扱いづらさが原因で買い手が付きづらく、担保価値が低い傾向にあるのです。
また、古い長屋式住宅は現行の建築基準法の基準に適合していない「既存不適格建築物」であることも多く、その場合は住宅ローンを使用できません。
さらに、市街化区域の第一種・第二種低層住居専用地域では、建築物の敷地面積を一定以上としなければならない場合があります。この基準を満たしていない物件は「再建築不可物件」とみなされ、この場合も住宅ローンを使用できません。
このような理由から、長屋式住宅は住宅ローンの審査が通りづらいのです。そして、現金での購入が可能な人としか取引が成立しないため、売却しづらい傾向にあります。
長屋式住宅は再建築が難しい
また、長屋式住宅は再建築が難しいケースが多く、それも売却しづらい理由の一つとして挙げられます。
古い長屋式住宅だと、老朽化による傾きなどが原因で再建築が物理的に難しいことがあります。さらに、現行の建築基準法の制定前に建てられた長屋式住宅の場合、現行規定を満たさないケースも多く、その場合は法的に再建築ができません。
具体的には、幅員4m以上の道路に2m以上接していないと再建築できないという、建築基準法の「接道要件」を満たしていないことが多いです。
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
引用: 建築基準法 | e-Gov法令検索
接道要件を満たしていないと、長屋式住宅を解体する「切り離し工事」自体はできても、再建築はできないので注意しましょう。また、再建築の際には、切り離し後の2つの住戸がともに接道要件を満たしていないといけない点にも注意が必要です。もし接道要件を満たしているのが片方の住戸のみの場合、満たしていない住戸は再建築ができません。
さらに、物理的にも法的にも再建築が可能だとしても、長屋式住宅は再建築までのハードルが高いと言えます。隣家と壁を共有している関係で、長屋式住宅の再建築の際には必ず「切り離し工事」が伴います。そのため、独断では工事をおこなえず、必ず隣家の承諾が必要になります。
このように、長屋式住宅は物理的・法的に再建築不可であることが多い上に、それらをクリアしていても工事までのハードルが高いため、再建築が難しいのです。そして、そういった物件を避ける人が多いため、売却のしづらさにつながっているのです。
長屋式住宅を売却するコツ
ここまで長屋式住宅が売却しづらい理由について解説してきました。
それでも何とかして売却したいという方も多いことでしょう。
ここからは、長屋式住宅を売却するためのコツについて解説していきます。
隣家に買い取ってもらえないか交渉する
長屋式住宅が一般的に売却しづらいということは前述の通りです。
しかし、同じ条件下にいる隣家の所有者であれば買取にメリットが生じる可能性が高いため、買い取ってもらえるかもしれません。
長屋式住宅の切り離し・再建築においては、隣家の承諾を得るという工程がネックです。しかし、隣家を買い取ってしまえばその負担もなくなります。そのため、隣人が再建築を検討している場合には、買取はメリットになると言えるでしょう。
また、一戸のみでは最低敷地面積や接道要件を満たさず再建築できないが、隣家を買い取ることでこれらの要件を満たして再建築が可能になる場合にも、買取はメリットになります。
以上のように、隣家にとっては長屋式住宅の買取がメリットになる可能性が高いので、買い取ってもらえないか交渉してみるのもいいでしょう。
隣家を買い取ってから売却する
隣家に買い取ってもらうのではなく、逆に自分が隣家を買い取ってしまうというのも手段の一つです。
そうすれば、切り離し時の隣人との交渉が不要になったり、既存不適格の問題が解決されたりします。そうすることで長屋式住宅特有のデメリットが解消されるため、売却しやすくなります。
不動産業者に売却の相談をする
とはいえ、長屋式住宅の場合、個人ではなかなか買い手が見つからないのが現実です。
そこで、不動産業者に売却することを検討してみてもいいでしょう。ただし、その場合は個人で売却する場合の相場の6~7割程度の売却価格になるので注意が必要です。
しかし、個人では長期間売れなかったり、最終的に業者の買取価格以下まで値下げしないと売れなかったりなどのリスクがあります。そういったことを考慮すれば、不動産業者に売却するのが一番いい方法なのかもしれません。
まとめ
ここまで、長屋式住宅が売却しづらい理由と売却するためのコツについて解説してきました。
結論、長屋式住宅の売却はプロの不動産業者に相談するのが一番です。
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