売れない空き家を売却するには?空き家処分の方法を解説
空き家を売りたいけれど売れないで困っている方もいらっしゃるでしょう。「譲ります」「もらってください」と宣伝しても空き家が売れないことはよくあります。
しかし、諦めて放置してしまうとデメリットもあるので注意が必要です。この記事では売れない空き家を手放す方法をご紹介します。空き家を処分したい方、空き家が売れなくて困っている方はぜひご一読ください。
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空き家パスでは、他社で売れないと断られてしまった空き家でも積極的に買取させていただきます!
相続した実家が売れずにお困りの方や、空き家の買取をご検討の方はぜひ一度空き家パスへご相談ください。
空き家が売れない状況とは?
空き家が売れずに困っている人は実はたくさんいます。
処分したくても売れない空き家があるなんて、にわかに信じがたいという方もいるかもしれません。
相続して放置してしまい、取り壊して更地にして売ろうにも解体費用が高くてどうにもできない・・・など、様々なケースがあります。
典型的なケースをまずはご紹介してきます。
相続した実家を使わないまま放置した
空き家が売れなくなる状況として多いのが、親族が亡くなった際に相続した家を使わないまま放置したケースです。いつかは住みたいと思ったり、親族が住んでいた家を無下に処分してしまうのがはばかられたりして相続したものの、結局住まないまま年月が過ぎていくことがあります。
誰も住んでいない状態ではメンテナンスがおこなわれないので家の劣化が進みやすくなります。やはり使わないから売りたいと思ったときにもう状態が悪くて売れなくなりがちです。この時点で相続放棄をしておけばよかったと後悔することもあります。
不動産の相続に関してはこちらでも解説していますので、よければご覧ください。
>> 売れない不動産を相続した場合にやるべき3つのこと
立地がよくないため買手がつかない
不動産は立地が非常に重要です。過疎化している地域では特に、ポータルサイトに不動産情報が掲載されたまま数年経過してしまうこともあるようです。
地域の中でも、アクセスの良し悪しが決め手になります。駅から遠かったり、小学校が近くにないなど、近隣の施設も重要です。
その他、土砂災害警戒区域内に入ってしまってたり、津波や洪水のハザードマップの浸水想定地域内に入ってしまうと、昨今の自然災害の甚大な被害を考えて敬遠される傾向にあります。
解体費用が高くてそのままにしている
住宅が古くなったので解体して更地にしようと思っても、一般的な木造住宅でも100万円を超える費用になることがほとんどです。
100万円以上の現金をそんなにすぐ出せる方ばかりではないと思います。
ましては、家の敷地まで重機が入らないような細い道だと、解体費用は倍以上になってしまうこともあります。
そうすると、なおさら解体できずに放置されてしまうケースが多いです。
そうなると、固定資産税はかかる上に建物の劣化が進んでしまい、更に売れなくなるという悪循環に入ってしまいます。
空き家を解体した方がいいかどうかについては、こちらの記事でメリット・デメリットを解説しています。
>>空き家は解体した方がいい?費用とメリット・デメリットを解説
市街化調整区域にある
都市計画で、市街化区域と市街化調整区域という区域区分定められています。
市街化調整区域というのは、市街化をしないように調整する区域なので、建物や商業施設を建築することにかなり制限がかかっています。
そのため、市街化調整区域はいわゆる田舎のように田園が広がっていて何もない場所という風になりがちです。
落ち着いた暮らしをしたい方にはいいのですが、どうしても立地的に不便な場所になってしまうため、市街化調整区域の不動産は売れにくいです。
再建築ができない不動産
再建築ができないと不動産としての価値はぐっと下がってしまいます。
再建築不可の不動産は、例えば接道(道路に面していること)が建築基準法の条件を満たしていなかったり、土砂災害特別警戒区域に入っていることが原因としてあります。
再建築不可の不動産は銀行のローンが基本的に利用できません。そのため、現金で不動産の売買をするほかなく、買手がつきにくいのです。
融資の問題の他にも、接道していないため敷地への通行に第三者の敷地を経由しなければいけなかったり、駐車スペースがないことが多いです。
そうすると、居住するのにも不便なので、再建築不可の物件はなかなか売却ができません。
いわゆる「再建築不可」の不動産の売却についてはこちらで詳しくご紹介しています。
>>再建築不可物件は売却しづらい?買取してもらうためのポイントを解説
権利関係に問題を抱えている
隣地所有者と境界の位置について揉めていたり、土地だけ借りている借地の不動産でなど、権利関係が複雑な不動産だと、一般の方に向けて売却するのはかなり困難です。
不動産で権利関係が複雑というと、水道管や下水管が第三者の敷地を経由して本地に埋設されていたり、全面の道路部分が私道で持ち分がないなど、非常に多岐に渡ります。
放置された空き家が売れない理由
空き家になったとしてもすぐに売りに出せば買い手が見つかることはあります。しかし、放置されてしまうと処分できなくなるリスクが高くなります。なぜすぐに売らないと問題になるのでしょうか。
老朽化が進行して廃虚のようになるから
空き家になってからずっと放置していると、廃虚のようになって誰も住みたいとは思わない状態になります。住宅の売買では住みたいと思う人が買い手の候補になるので、ボロ屋になって廃虚かと思われるようでは売れません。
たとえ見た目が悪くなっていなかったとしても、老朽化が進んでいると住めない物件だと思われます。建物があることでマイナス評価になることも多く、どれだけ立地が優れていたとしても売れなくなるのが一般的です。
空き家の老朽化が進行してしまう原因はこちらでも解説しています。
>>空き家の老朽化を早める原因4選
不動産会社が積極的に売却活動できない
空き家を売りたいときには不動産会社と媒介契約を締結して仲介してもらいます。しかし、空き家の状態によっては不動産会社が対応してくれずに売れないこともあります。
廃虚のようになるまで老朽化しているともはや価値がありません。不動産会社は媒介契約をしたら販売活動をして買い手を見つけなければ利益になりません。この空き家は売れないと思ったら取り扱いができないと断られることさえあります。
放置されていた期間が長いと築年数も古くなります。買い手は築年数を参考にして物件選びをするので、古ければさらに不動産会社から断られる可能性が高くなってしまいます。
空き家を処分せずに所有し続けるデメリット
空き家が売れないなら所有したままでも良いと思う方も多いです。しかし、処分しないままではデメリットが出てきます。
どのような問題が発生するのかを理解しておきましょう。
空き家の管理費用や税金の負担がかかる
空き家を所有し続けるには適切な管理をしなければならないので管理費用がかかります。自分で時々掃除や換気などをしに行って管理するのは労力がかかるのがデメリットです。対策として空き家管理サービスを利用することも可能ですが、費用負担が大きいので注意が必要です。
また、空き家は所有しているだけで税金がかかります。固定資産税に加えて、地域によっては都市計画税も納めなければなりません。毎年納める税金なので、いつまでも負担になってしまいます。
空き家の維持費はこちらでも紹介していますので、ご覧ください。
>>空き家の維持で年間約35万円かかる?意外と知らない維持費の内訳とリスクを解説
特定空き家になって罰則を受けるリスクがある
家の所有者は適切な管理をすることが義務付けられています。管理責任を放棄すると空き家の状態が劣悪化し、倒壊するリスクが生まれたり、衛生環境の問題が発生したりするようになります。すると、特定空き家と見なされるリスクがあるので注意が必要です。
特定空き家とは空家等対策の推進に関する特別措置法で定義されている空き家で、倒壊リスクや保安上の問題があると見なされたものを指します。特定空き家になると税制の優遇措置を受けられなくなり、建物が建っている土地の税金が最大で6倍になります。
特定空き家に関してはこちらの記事をご覧ください。
放置「管理不全空き家」で固定資産税が6倍?法改正で特定空き家でなくても影響
特定空き家になると自治体は強制撤去をすることが可能です。撤去費用は請求されることになるので、罰金ではなくとも大きな罰則になります。
特定空き家に指定されると固定資産税の負担が増える
特定空き家に指定されることで、固定資産税の軽減措置対象から除外されてしまいます。
固定資産税が6分の1に軽減されるという軽減措置から除外されてしまうと、場合によっては6倍近く負担が増えてしまいます。
特定空き家に指定されるまでは段階を踏みますが、売れずに放置してしまうとより処分がしにくい状態になってしまいます。
実家を相続したりした場合には、仮に多少負担が出ることになったとしても、できるだけ早急に処分するために色んな不動産業者に当たるなど、対応していただくこと強く推奨します。
周囲から非難を受ける問題が起こり得る
特定空き家にならなかったとしても、周囲から非難を受ける問題も起こり得ます。適切な管理をしていれば問題になるリスクは低いですが、手入れをしていないと草木が生い茂って害虫が発生するなどのトラブルが発生しがちです。
長期にわたって放置していると老朽化して倒壊リスクも高まります。周囲からの非難を受けて処分したいと思っても売れずに困ってしまうことになりかねません。
売れない空き家を手放す方法
売れない空き家は諦めて所有し続けなければならないということはありません。空き家の所有者としての責任を放棄せずにうまく手放す方法をご紹介します。
自治体や企業などに寄付する
空き家を売ってお金にしたいと考えるのはもっともなことです。しかし、売ってお金にできないなら無償提供をする方法もあります。自治体や企業などに寄付をして使ってもらう方法が通用する場合もあります。
ただ、実際には不動産の寄付を申し出ても断られてしまうのが一般的です。
自治体としては不動産を所有していても管理コストがかかる上に、固定資産税の収入が減ってしまうことになります。
たとえば、将来、その場所に道路が建設される予定があるなどであれば、寄付を受け入れてもらえる可能性もありますが、寄付が認められるケースは滅多にありません。
更地にして売るのもリスクあり
誰も住みたいと思わないような空き家があるために売れないのなら、建物を解体して土地を売るという方法があります。
更地にすれば老朽化していた家が建っていた痕跡もなくなり、土地を探している人が買ってくれるでしょう。
ただし、建物を解体するデメリットもあります。更地にすると小規模宅地等の特例が適用できなくなって固定資産税が高くなるのが問題点です。
解体してからすぐに土地が売れなかったときには大きな負担になる可能性があります。
都心部で土地の需要が高い地域ならすぐに売れると期待できますが、地方で土地の需要があまりないと解体しても売れずに残ってしまうリスクが高いです。
解体だけして売れずにいると、解体費用を数百万円支出した上、固定資産税の負担は6倍になってしまいますので、しっかり検討した上で実施しましょう。
リフォームしてから売却は損になる可能性も
老朽化して売れない空き家もリフォームすれば売れるようになる可能性が十分にあります。
ただし、リフォームをすれば必ず売れるわけではないことと、リフォーム費用を売値が必ずしも上回るとは限りません。
しかも、建築デザイナーという職業もあるように、リフォームや建築のデザインは人によって好みが違う上に選択がかなり難しいです。
場合によっては、リフォームしてキレイになったもののセンスがイマイチ、などということも起こり得ます。
空き家バンクに登録してみる
空き家の処分に困っているとき、そんな悩みを解決してくれるのが「空き家バンク」です。
空き家バンクは、空き家が問題視され始めたことで創設されました。
空き家の流通を促すことを目的としている他、各自治体が移住者を獲得する意味でも盛んに利用されています。
空き家は民間の不動産会社にとって利益になりにくいため、広告費をかけたり積極的に販売活動ができないなどの事情があり、それも空き家の処分がしにくい理由の一つでもあります。
ですが、空き家バンクは基本的に各市町村運営主体になっており、非営利の制度です。そのため、民間の不動産会社から良い返事をもらえず売れないと思っている空き家でも、空き家バンクであれば売買が叶えられるかもしれません。
空き家バンクは広告ができないから売れにくい側面も
空き家の売買といえば真っ先に頭に浮かぶ空き家バンクですが、メリットばかりではありません。あくまでも市町村が運営しており広告やサービス面が充実しているとは限りません。
多くの人は家を探すときにインターネットを利用しますが、空き家バンクは積極的に広告活動を行ってくれるわけではありません。
大手ポータルサイトが空き家バンクの物件情報を転載してくれていたり、各自治体の空き家バンクを横断的に閲覧できる便利なサイトもあるものの、欲しい情報が必ずしも空き家バンクのサイト上に整っているわけではないため、売れずに掲載したまま何年も経過している、という状況もないわけではありません。
空き家のマッチングサイトを利用してみる
最近では空き家バンク以外でも空き家の売手と買手をつなぐマッチングサイトが多く生み出されています。
代表的なサイトをいくつか紹介しておきたいと思います。
家いちば
空き家のマッチングサイトで代表的なのが「家いちば(運営:家いちば株式会社)」です。
家いちばでは、空き家を買う人と売る人が直接やり取りできる仕組みになっています。
多くの人が家いちばの掲示板を利用しているため、掲載数もかなり多いです。
直接のやり取りのため手間はかかるかもしれませんが、売り手も買い手も直接相手とやり取りできるため、相手の人柄が見えるなど安心できるポイントも多いですね。
みんなの0円物件
次に紹介するのが「みんなの0円物件(運営:0円都市開発合同会社)」です。
こちらではサイトのタイトルの通り、0円の物件ばかりが紹介されています。
「売れない不動産の処分に困った人と、それを活用したい人の橋渡しをする、無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト」と紹介されており、本記事執筆時点でも数百件にものぼる不動産のマッチングが成立しているようです。
空き家を買いたいと思ってサイトを見る人にとっても夢のあるサービスですね。
空家ベース
最後に紹介するのが、空き家パスを運営する株式会社ウィントランスの別サービス、「空家ベース」です。(ソライエベースと読みます。)
空家ベースに掲載されている不動産はほとんどが50万円以下で、空き家を再生して事業利用したい人や、別荘として使用したい人がたくさん訪れるサイトです。
TwitterやLINEなどの各種SNSも積極的に利用しているため、素早く買手に情報を届けることが可能です。
そのため、これまで何年も空き家バンクやポータルサイトに掲載されたままになっていた空き家がわずか3週間で処分できたり、他の不動産会社に断られてしまった不動産でも買手が見つかったりと、すでに50件以上の売買が成立しています。
「まずは売出ししてみたい」という方も無料で掲載できますので、お気軽にお問い合わせください。
空家ベースへの掲載希望はこちらです。
>>空家ベースで空き家掲載の相談をしてみる。
空き家の処分は空き家パスにご相談を
空き家パスでは、再建築不可の物件や、雨漏りや傾きがあり他社では取り扱いが困難と言われた物件を多数買い取っています。
売れずに困っている不動産を処分したい場合は、是非一度ご相談ください。
この記事の監修者 高祖広季
株式会社ウィントランス 代表取締役 高祖広季
空き家パスを運営している株式会社ウィントランスの代表です。日本の空き家問題を解決するため空き家専門の不動産事業を展開中。「空き家パス」と「空家ベース」というサービスを運営しています。これまで500件以上の不動産の売買取引に携わってきました。空き家でお困りの方の力になりたいと思っています。