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空き家の積雪リスクとは?雪下ろししないと倒壊や特定空き家指定の恐れ
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空き家は、所有者・管理者が適切に維持管理を行うものです。一般的に、地震に対する備えは十分な空き家は多く見受けられますが、積雪や雪庇など雪害対策や管理を十分に行っている空き家はあまり多くありません。

空き家の積雪を放置すると、倒壊や物損事故を起こしたり、近隣住民に危害を及ぼしたりする恐れがあり、毎年そのような事例は実際に発生しています。

また、積雪に対処せず、倒壊や近隣への危害の恐れがある空き家は「特定空き家」に指定され固定資産税の負担が増えたり、損害賠償責任を問われたりします。さらに最近は「特定空き家」以外の空き家に対する事実上の増税も噂され、これまで以上に空き家の適切な維持管理が求められているのです。

空き家の管理にはとても手間がかかるため、積雪対策や維持管理を負担に感じるようであれば、売却を視野に入れることをおすすめします。

この記事では、空き家の積雪によるリスクとは何か、損害が出たときの保険適用はあるのか、除雪や雪下ろしを依頼できる業者はあるのかなどを中心に解説していきます。

>>空き家の固定資産税が高くなるケースとは?

この記事でわかること

    • 空き家には地震だけでなく積雪によるリスクがある
    • 空き家の積雪リスクは倒壊や通行人への怪我、落ちた雪による物損などさまざま
    • 空き家の積雪による損害には火災保険が適用される
    • 特に豪雪地帯は空き家管理が大変でコストがかかるため、売却も視野に入れるのがおすすめ

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積雪によって空き家が倒壊してしまう事故が多発

地震に対する備えは十分な空き家は多いものの、積雪や雪害対策が不十分な空き家は多く見受けられます。

雪は見た目以上に重いものです。「積もっても大丈夫だろう」と積雪を放置すると屋根が荷重に耐えられず、空き家が倒壊するという事故が頻繁に発生しています。

雪の重みで1トン以上になることも

建物は、多少の積雪にも耐えられるような設計で建てられることが一般的です。

建築基準法では「1mの積雪があってもその荷重に耐えられること」と定められています。降雪の状況は各地域で異なるため、地域ごとに異なりますが、新潟県では300kg/㎥の密度の積雪にも耐えられる設計にするよう、法律で定められています。

雪の重さは、雪質によって異なりますが、1㎥当たり100kg~300kg(1㎥は1m×1m×1mの立方体)です(表1)。

【表1】
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(参考:雪国におけるバリアフリー対策の推進による安全で快適な都市生活の実現に関するモデル調査|内閣府)

上表から、一坪(3.3㎡)あたり1m積雪するだけで、最大約1,000kg=1トンの荷重がかかることになります。

あまり放置せず、定期的かつなるべく早めに積雪対策に取り組むことが大切です。

管理されていない空き家が倒壊する事例も

「ある程度余裕を見た建築設計になっているはずだから、多少積雪を放置しても問題ないのではないか」と考える方もいるかもしれません。

先述のとおり、雪の重みは1トン以上になることもあるため、雪の重みに耐えられず空き家が倒壊してしまう恐れもあります。実際にそのような事例が毎年発生しているため、空き家の積雪を放置してはいけません。

昨年末から大雪に見舞われた秋田県横手市などで建物の倒壊が相次いでいる。屋根に積もった雪が気温の上昇にともなって重みを増したことが原因とみられ、がれきが道路をふさいだり周辺住宅に被害を及ぼしたりしている。ただ、倒壊したがれきや空き家は「個人の資産」が壁となり、自治体が有効な手立てを講じることができないでいる。
(引用:「バリバリ」すごい音で目が覚めた…大雪で建物の倒壊相次ぐ|読売新聞オンライン

そもそも、人が住んでいない空き家は、人が住んでいる家とは違い、室内の温度が外気温とほぼ同じになります。

人が住んでいる家ならば、室内温度が高く屋根に温度が伝わり、屋根の雪も多少解けるかもしれません。しかし、空き家の場合、室内温度と外気温がほぼ同一であるため、屋根に伝っても雪解け効果はあまりなく、短期間で積雪してしまいます。

空き家に積雪したときのリスク

積雪によって空き家が倒壊する事故が多発していることをお伝えしてきましたが、倒壊以外にもさまざまなリスクが存在します。空き家に積雪したときの主なリスクは以下のとおりです。

  • 木や屋根の雪が道路に落ちて通行の妨げになる
  • 落ちた雪で物損が起こる
  • 雪が通行人に落ちて怪我をさせる
  • 損害賠償請求をされる
  • 積雪で空き家が倒壊する
  • 雪下ろしの際の事故

近年は、豪雪地域のみならず、普段雪の降らない地域でも短期間に降雪することが増えました。そのため、空き家を所有する方は、地域に関係なく積雪によるリスクを理解し、備えておくことが大切です。

また、雪下ろしや雪かきなどがされておらず、一目見て空き家だとわかる家は、犯罪に巻き込まれたり近隣からクレームが来たりするリスクがあります。空き家のさまざまなリスクはこちらの記事で詳細をご確認ください。

>>空き家の買取とは?損せず売却するためのノウハウをプロが解説

木や屋根の雪が道路に落ちて通行の妨げになる

敷地内に雪が落ちる分には邪魔になりませんが、敷地内の木や屋根から雪が目の前の道路に落ち、車両や通行人の通行の妨げになる恐れがあります。

また、豪雪地帯や降雪の多い地域ではほぼ毎日のように雪かきをする必要があります。ところが、空き家から雪が落ちたら、作業の邪魔になったり、雪かきが終わったエリアにまた雪が積もったりするため、近隣住民からはあまり良い印象を持たれなくなるでしょう。

落ちた雪で物損が起こる

一例に過ぎませんが、物損には以下のようなケースがあります。

  • 屋根から落ちた雪が物置を潰した
  • 落雪して室外機や自転車を壊した
  • カーポートに穴を開けた
  • 自動車を凹ませた
  • 植木鉢を割った

このように、屋根や車庫など高所から落ちた雪はかなりの重さがあるため、下に置いてあるモノを潰したり、車に傷や凹みを作ったり、物損してしまう恐れがあります。

雪が通行人に落ちて怪我をさせる

物を壊した場合は弁償したり、新しいモノを購入すれば解決できるかもしれませんが、通行人に落ちて怪我をさせてしまうということも考えられます。

例えば、高齢者や幼い子どもが落ちた雪に巻き込まれてしまったら、怪我では済まないかもしれません。また、働けない期間の休業補償を求められたりすることも考えられます。

損害賠償請求をされる

落ちた雪が他人の所有物を破損した場合、損害賠償請求をされる恐れがあります。

民法第717条3項では、屋根からの落雪など損害の責任は、その落雪事故(損害)を起こした建物の所有者にあると明文化されています。

(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
(引用:民法第717条|e-Gov法令検索

また、民法第218条によると、隣家へ雨水を流さないような住宅・屋根の構造にしなければならないことも定められていて、雨水には降雪も含まれると考えられています。

(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)
第二百十八条 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。
(引用:民法第218条|e-Gov法令検索

したがって、隣家に対して、自身が所有する空き家の屋根から落雪し、事故を起こしたりモノを破損したりした場合は、責任の所在は空き家の所有者にあるため、損害賠償請求される可能性があるのです。

積雪で空き家が倒壊する

老朽化した築年数の古い空き家や、長い間積雪を放置された空き家は、雪の荷重に耐えられず倒壊する恐れがあります。

道路の雪かきや除雪作業は近隣住民が協力して行うものですが、空き家の場合は敷地内の雪かきや屋根の雪下ろしをする人がいません。近隣住民が手伝ってくれるかもしれませんが、そのためには日頃から密にコミュニケーションを取り、良好な関係性を保つ必要があります。

また、雪が解けて建物の木造部分や設備の状態を悪化させて、その補修をしないまま放置すれば、ますます空き家の劣化は進みます。

そして、適切に除雪されず、隣家や近隣地域に危険や害を及ぼす恐れがある空き家は、市町村から「特定空き家」に指定されてしまう可能性があるため注意が必要です。「特定空き家」に指定されると、固定資産税が約6倍に増えたり、建物の取り壊し費用を請求されたりするため、所有者としては日頃から適切な維持管理を心がけておく必要があります。なお、「特定空き家」に関する詳細や固定資産税が高くなる理由などはこちらの記事でご確認ください。

>>空き家の行政代執行が適用されるケースとは?
>>空き家の固定資産税が高くなるケースとは?

雪下ろしの際の事故

屋根にある雪を家が傷まないように下ろして除去することを雪下ろしといいます。

屋根は高所であるため、注意して雪下ろしの作業を行わないと、足を滑らせて地面に落ちるなどの事故につながる恐れがあります。屋根に登るために使っていたハシゴから落ちて重体になったというニュースもあるほどです。

2人以上の人員で行えば、万が一のときにも助け合えるかもしれません。しかし、不慣れな人が雪下ろしの作業をすれば事故が起こる可能性も高まるため、注意が必要です。

積雪の被害に保険は適用される?

空き家で積雪を放置することはさまざまなリスクにつながることをお伝えしてきました。

そのような事故や損害など、積雪による空き家および近隣にもたらした被害に適用される保険が「火災保険」です。

火災保険でカバーできる

それでは、どこまで火災保険でカバーできるのか、具体的な事例を見ていきましょう(表2)。

【表2】
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積雪によって自身が所有する空き家や車庫を破損してしまったのであれば取り返しがつくかもしれませんが、他人の所有する車両やモノ、他人に危害が及ぶような事態は避けなければなりません。

火災保険の対象か対象外かにかかわらず、日頃から空き家の維持管理には十分に配慮するべきです。

火災保険の選び方やどの保険会社を選ぶかはこちらの記事で詳細をご確認ください。

>>【2022年版】空き家の火災保険加入の選び方
>>空き家の火災保険はどこがいい?5社を比較して解説します!

自己負担が発生する可能性もある

積雪や雪庇などの雪害による建物や家財の損害に対しては、自己負担が発生する可能性があります。

自己負担とは、損害が生じた場合に自身が負担する金額のことです。火災保険の契約時に自己負担額を高めに設定すれば、保険料を抑えることもできますが、その分損害が発生したときの支出は大きくなるため注意が必要です。

なお、火災保険の自己負担には主に2つのパターンがあります。

    パターン1:損害額から自己負担額を差し引いた額を火災保険金として支給
    パターン2:自己負担額以上の損害額が発生したら全額を火災保険金として支給

例えば、「自己負担額が30万円、建物の損害が60万円」というケースであれば、パターン1の場合は火災保険金が30万円支給され、パターン2の場合は火災保険金が60万円支給されます。

近年は、積雪や雪庇など雪害によって自己負担が発生する火災保険は減少傾向にありますが、いざというときに備え、自己負担のある契約になっていないかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

空き家の雪下ろしを依頼できる業者の探し方

空き家を積雪による倒壊や損害から守るためには、雪下ろしが必要です。ただ、足下が悪い状態で屋根や高所に登り作業をすることは非常に危険であり、体力面でも大きな負担になります。

さらに、空き家が遠方にあるなら、定期的に訪れる必要がありますし、その分金銭的な負担も重くのしかかるでしょう。

そのような場合は、空き家の雪下ろしを依頼できる業者に作業を代行してもらうという方法があります。

くらしのマーケット

くらしのマーケットは、引っ越しやハウスクリーニング、不用品回収や家事代行など暮らしに関わる業者を簡単に比較・予約できるマッチングサイトです。運営元は、みんなのマーケット株式会社です。

提携している店舗・業者の数は約40,000店存在します。さまざまな業者の料金を比較しながら、各地域に存在する業者に対してWebやアプリ上で申し込みできます。

ミツモア

ミツモアは、暮らしからビジネスまで幅広くプロに見積依頼できるプラットフォームです。運営元は株式会社ミツモアです。

「この仕事、誰にお願いすればいいかわからない」という悩みを持つ依頼者と悩みを解決できるプロをつなぐ架け橋として、多くの利用者から高い評価を得ています。便利屋や庭の手入れ、ハウスクリーニングなど住宅に関連するカテゴリーも豊富で、必要項目を入力すれば複数業者から一括で見積もりを取れる点が特徴です。

豪雪地帯の空き家は管理が大変

豪雪地帯に空き家がある場合、定期的に雪下ろしをしたり敷地内の除雪をしたりする必要があり、管理がとても大変です。

雪下ろしでも10万円近いコスト

豪雪地帯や降雪の多い地域では、高齢者や家を空ける時間が多い世帯向けに屋根の雪下ろしを代行してくれる業者がいます。

「空き家の雪下ろしも代行してもらえるなら、依頼すれば自分で維持管理する必要ない」とお考えの方は要注意です。

実は、雪下ろし代行業者の料金は割高です。屋根などの高所における雪下ろしは危険であるため、安全面に配慮して2人以上で作業を行うことが一般的です。また、屋根の面積や積雪量にもよりますが、数時間かけて作業を行うため、その分人件費は高くなります。

相場は地域によりさまざまですが、10万円近いコストがかかるケースもあり、気軽に依頼できる金額ではないでしょう。

管理が難しい場合は売却しよう

「雪下ろしに10万円近い支出は家計に負担がかかるから、自分たちで作業して維持管理をすればいい」と考える方もいるかもしれません。

しかし、屋根の上に登ることは危険です。さらに、体力的にもかなりの負担となります。また、所有する空き家が遠方やアクセスの悪い地域にある場合、降雪のたびに雪下ろしをしに行く必要があり、移動コストや手間、時間のことを考えるとあまり現実的な方法とはいえません。

したがって、豪雪地帯の空き家や維持管理が困難な空き家を所有している場合は、いっそのこと売却することをおすすめします。売却すれば維持管理から解放され、経済的・肉体的・精神的な負担は大きく減るでしょう。

ただ、築年数の古い空き家や需要のないエリアにある空き家は買手がすぐに見つからなかったり、足元を見られて適正な価格で売買できないこともあるため、取扱実績の豊富な不動産会社に協力してもらうと安心です。

営業時間 10:00 ~ 19:00(土日祝を除く)

まとめ

この記事では、空き家の積雪によるリスクを中心に解説してきました。

雪下ろしや除雪は、体力的に負担の大きな作業ですし、遠方に空き家がある場合は頻繁に通うことも困難です。

除雪作業を委託できる業者も存在しますが、10万円近いコストを支払うこともあるため、放置している人も多いものです。「まだ大丈夫だろう」と考えていると、突然倒壊したり通行人に危害を及ぼしたりして、損害賠償を請求される恐れがあります。

そのような空き家は「特定空き家」に指定されることがあり、指定された後に改善できなければ、固定資産税が約6倍に増えることもあります。相続などの事情により空き家を所有している方は、日頃からしっかりと積雪対策を行いましょう。

「住む予定がない空き家に災害対策とはいえコストを払うのはちょっと…」という方は、思い切って売却することをおすすめします。 弊社運営の『空き家パス』は全国の空き家や再建築不可物件などの売買実績が豊富で、他社から「取り扱いできない」「買い手が見つからない」と断られた空き家でも精一杯サポートさせていただきます。

また、積雪対策以外でも、空き家に関するお悩みやお困りごとをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
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