袋地とは?袋地を有効に活用する方法を解説!
「袋地」という不動産用語をご存じでしょうか。
簡単にいえば、「袋地」とは周りが他人の土地で囲まれており、公道に接していない土地のことです。「袋地」の所有者は、他人が所有する土地を横切らなければ自身の土地を行き来できません。また、再建築や増改築ができず、日当たりが悪いケースもあり、買手が見つからないということも珍しくありません。
そこで今回は、「袋地」について詳しく説明し、「袋地」を有効活用する方法を解説します。
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目次
袋地とは?
「袋地」とは、周りが他人の土地で囲まれていて公道に接道していない土地をいいます。無接道敷地や無道路地とも呼ばれます。
建築基準法では、建築基準法で定める道路に敷地が2m以上接道していなければ、建物を建てることはできないと規定されています。「袋地」は、他人の土地に囲まれていて建築基準法上の接道義務を満たしていないため、原則は建物の建築・増改築などを行うことができません。
袋地に再建築できない理由と、再建築を可能にする方法などをこちらの記事でも解説しています。
袋地は再建築できない?その理由と再建築を可能にする方法を解説!
準袋地とは?
「準袋地」とは、池沼・河川・水路・海を通らなければ公道に行けない土地や、崖があって公道と著しい高低差があり、土地と公道が直接接していないような土地のことです。
囲繞地とは?
「囲繞地」とは、公道に通じていない袋地や準袋地を囲んでいる周りの土地のことをいいます。
囲繞地の読み方は?
囲繞地は「いにょうち」と読みます。
囲繞地通行権とは?
他人の土地に囲まれていて公道に通じない土地(袋地や準袋地)の所有者が、その土地を囲む土地(囲繞地)を通行できる権利を「囲繞地通行権」といいます。民法第210条などで認められている権利です。
(公道に至るための他の土地の通行権)
第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
(引用元:e-Gov法令検索|民法第210条)
袋地や準袋地の所有者は、他人の土地(囲繞地)を通行しないと公道に出られません。囲繞地所有者によって公道への移動を妨げられるといったトラブルも考えられます。そのようなトラブルや不利益を防ぐため「囲繞地通行権」が認められています。
したがって、袋地や準袋地の所有者は強制的に囲繞地の通行権を得られ、囲繞地所有者に拒否権はありません。
ただし、袋地や準袋地の所有者は、囲繞地の所有者の損害を最小限に留め通行範囲を狭める、囲繞地を通行するための相応の金銭(通行料)を支払う、などの義務が生じます。
囲繞地通行権についてはこちらで詳しく解説しています。
通行地役権とは?
「通行地役権」は、袋地や準袋地の所有者が、自分の土地(要役地)から公道へ移動するために他人が所有する土地(承役地)を通行できる権利のことです。民法280条で定められている地役権の一つです。
(地役権の内容)
第二百八十条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
(引用元:e-Gov法令検索|民法第280条)
囲繞地通行権とは異なり、「通行地役権」には法的拘束力がありません。したがって、「通行地役権」を設定するときは、両者の協議や契約が必要です。また、地役権は登記しなければ、承役地を購入した第三者に対して権利を主張できないとされています。
囲繞地通行権と通行地役権の違い
囲繞地通行権と通行地役権の違いは以下のとおりです。
囲繞地通行権 | 通行地役権 | |
通行範囲 | 囲繞地所有者に損害が少ない範囲 | 当事者間で自由に決定 |
期間 | 定めはない | 当事者間で自由に決定 |
登記 | 不要 | 第三者に対抗するためには必要 |
通行料 | 原則として必要 | 当事者間で自由に決定 |
袋地の活用方法とは?
袋地のなかには、建築基準法の「接道義務」規定ができる前に建てられた建物も存在します。この場合、住み続けることは問題ありませんが、再建築や増改築などはできません。
さまざまな制限がある袋地ですが、有効活用するためには「接道義務」を満たす必要があります。ここでは3つの方法を解説します。
方法1.隣接する囲繞地の一部を購入する
まず挙げられるのが、公道に接する囲繞地を購入することで接道義務を満たす、という方法です。
新たな土地を購入することで公道に接する土地を手に入れられるため、土地活用の幅が広がります。ただし、建築基準法で定める道路に敷地が2m以上接道していることに留意しなければなりません。
方法2.隣接する囲繞地の所有者と土地を交換する
続いて、袋地と囲繞地の所有者双方が所有する土地を交換する、という方法です。
一般的に、土地の交換や譲渡では譲渡所得税がかかります。ところが、袋地と囲繞地の交換では、「固定資産の交換の特例」によって余計な税金がかからない可能性があります。
袋地の評価方法についてはこちらもご覧ください。
道路に接していない「袋地」はどう評価される?評価方法について解説
「固定資産の交換の特例」とは、交換譲渡資産(交換によって相手に譲渡した資産)と交換取得資産(交換によって相手から取得した資産)が、一定の条件を満たすことで譲渡がなかったとする特例です。
個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。
(引用元:国税庁|No.3502 土地建物の交換をしたときの特例)
方法3.通行地役権を設定する
周囲の土地所有者との契約が必要ではありますが、通行地役権を設定する、という方法もあります。
通行料の有無、期間などを当事者間で協議し、双方納得のうえで取り決めを行います。なお、登記の際は相手方と共同で申請を行いましょう。
まとめ
袋地は、他人が所有する土地(囲繞地)に囲まれ、公道に接しない土地をいいます。
袋地は接道義務を満たさないため、再建築や増改築などができない場合が多いです。相続をきっかけに所有したものの、売却できずに悩む方も少なくないでしょう。
袋地は、囲繞地の一部を購入したり、通行地役権を設定したりすることで、土地活用の幅が大きく広がります。袋地の活用について悩んだら、空き家パスに是非ご相談ください。